20年3月7日

 題して「清張な一日」。

 どうも、家のじいさんが昨夜から具合が悪くなって、昨夜夕飯を残した上に、吐いちゃったわけです。どうもここのところ色々あって、消化器系の薬がいろいろと切れ気味であったので、一応「手元にある薬を飲む?」と聞いたら、「いらない」と言ったので、そのまま寝かせておいたわけです。朝になれば何とかなるかなー? と思ったのです。そうしたら、朝になって「お腹が痛い」「食欲がない」と言うので、「救急車でも呼ぶかなー?」とかって思ったわけです。で、母親が熱を測ったら、38度6分とかってあったので、「肺炎だったらやだなー」と思う。年寄りだし、そこまで症状が悪くなったら、とっとと死ぬかも、と思う。だいたい、私と姉がお腹に来る風邪を引いてたので、武漢じゃない、そこら辺の適当なコロナかも、と思うけれども、高齢者はちと心配です。そこまで来ると、ほっとけないので、説得してとりあえず手持ちの胃薬を飲ませる。で、我が家の家庭医療の最高峰として、「喉に薬をつける」。というか、母親につけて貰う。これ、昔は普通に耳鼻科でもやってた方法です。でも、私はやらない。私は「手技はやらない主義の医者」だから(苦笑)。診断はできるけど、自分でやるのは死体解剖のみと決めております。

 で、私が住んでいるのは普通の世界ではなくて、「旧家のいかれた連中がゴロゴロ出てくる中から、誰が犯人なのか探す」ような「清張な世界」に住んでいるので、ここら辺りから色んな人の言動がだんだん変になってくる。

 とりあえず、土曜日もやってる病院にじいさんを連れていこうと思って、近くの「廃病院(仮称)」というところへ連れていったわけです。(なんで「廃病院」なのか? 廃=肺なのか? とか、言いふらされたら名誉毀損な開業医を自作自演するような病院なんか、家の近くにあるはずがない、ということで、まあ、架空の世界の夢の話だと思って下さい。)そうしたら、看護婦に「保健所から許可を得たのでなければ、うちでは診ないから、まず保健所に電話しろ」と言われたわけです。じいさんに、渡航歴なんかないんだが?? と思うわけですが、電話するくらいなんでもないので、電話してみました。そうしたら、「どっかの市民病院で診て貰えば・・・」みたいなことを相手が口走ったわけです。そこ、うろんな「元カレ」が二人もいるところなような気がするので、必要以上に近寄りたくないんだけど?? と思ったのですが、さすがにそれは言えません。なので「廃さんのところの玄関先にいるんですけど?」と言いましたら、「そこで診て貰って大丈夫だと思います。」と言われたわけです。で、看護婦さんに「予約して下さい」と言われたので予約しました。そして、看護婦さんに「うちは廃専門なんで、消化器は診ないけど、それでいいですか?」と言われました。受付には「(風邪による)胃腸炎」も診るってでっかく書いてあるんだけど? と思ったけれども、肺炎かどうかを診て欲しかったので、「それでいいです」と言っておきました。このくらいの適当さがないと、清張世界で生きていけないし。だいたい、いつも「あっちも図太いけど、こっちも適当」っていうのが清張世界のお約束です。で、予約で一杯だから、お昼に来いって言われました。近所だからじゃなくて、架空の世界の話だから、「それでいーや」ってことで、いったん家に帰りました。

 家で、じいさんを休ませて、ちゃんと電気毛布とかも暖かくして寝かしておいたわけです。で、再び病院に行く前に熱を測ってみたら、36度5分とかでした。この時点で、「扁桃腺炎かーー」ということで、だいぶ自分の中ではやる気がなくなりましたが、年寄りだし、って思って廃さんとこに連れて行きました。そうしたら、廃先生が「喉にも少し炎症があります。肺炎と気管支炎はありません。お腹の炎症が起きていて大変だー。自分じゃ見れないから、どっかの市民病院の救急にすぐ行って下さい。」と言われました。最初の2文さえ聞けば用はないわけですが、風邪引いてる患者の胃腸炎だけ抜き出してみないなんて、どこの新手の私大の手法だ? とか思うわけですが、清張ばりの奇妙ワールドにあんまり深く関わりたくないので、「紹介状を書いて下さい」とお願いしました。「そんなに大変な状態なら、紹介状を書く前に救急車を呼べよ。」と思ったけど、私もこういうときに、あんまりまっとうなことは言わないくせがあるんだよなー。だいたい、じいさんは自分の足でてくてく歩いてるのに、どこがそんな大変な状態なのか、説明を求めても「大変に決まってるだろーがー」とかって高飛車に説明しなさそうな相手に説明を求めても、自分が疲れるだけなので、そういうことは自分でも無意識に避けてしまうわけです。

 でもって、ここからが特に「架空だ」あったらやばい、と思うことを書くわけです。廃先生は「家に帰らないですぐにどっかの市民病院に行って下さい。」と言う。看護婦その1は「自分の車で来てますよね。」と確認を取る。看護婦その2は「直接行って下さい。」と念を押す。「そんな急ぐ状態なら救急車を・・・」とか、言うのも面倒くさいので言わないわけです。適当に「はーい。」とか言って、これは例の清張世界では「自分の車で行かないように」っていう念押しだよなー、と思う。だいたい、以前に姉が某スーパーで働いていた時に、どうもロッカーから車の鍵を持ち出されて、仕事中に同僚に勝手に車を乗り回されている形跡があったわけです。で、ある時、車の中に見知らぬどっかの家の鍵? アパートの鍵? みたいなものが落ちていて、気味悪いと思っていたら、車があり得ないような原因で大破した、という事故を起こしたのです。姉は無傷で無事だったので、仕事に行きましたけど、その日の同僚達は態度が変であったらしいです。清張世界では、こういうことがあるので、そもそもスラップ訴訟沙汰が起きてから、車を長時間停めなければならないような所には、自家用車を停めたことがないのです。警察に言われても拒否したし、どっかの市民病院とか、どっかの地方裁判所に行くときも警戒して自家用車で行かないことにしてる。でも、清張世界には、それを面白くなく思って、「どっかの市民病院に自家用車で行かせたい保健所関係者」とかいるらしいです。なんのためのコロナ対策なのか? って、「このため」なのが「清張世界」のお約束です。

 ということで、忠告に従って、素直にタクシーでどっかの市民病院の救急外来に行って、救急患者のはずなのに、2~3時間待たされて、X線とか必要も無い検査をされたあげくに、最後に医者に「脱水を起こしてるので、点滴を打って、抗生物質と消化器系の薬を出しておきましょうか?」とごくあたりまえのことを言われたわけで、朝から何も食べてないのだから当然、と思う。お昼の時点でこういう当たり前の言葉が出てこない時点で、高齢者相手の医療としては、計画殺人未遂でもいいかな? 厳しすぎる? と思うわけです。でも、紹介状があれば、市民病院に直接連れていったよりは、おかしなことがされにくいと思う。そして、高齢者の割には年甲斐もなく、じいさんも点滴でめきめきと回復してしまって、家に帰ったらもう「普通に夕飯が食べたい」って言い出したので、結果オーライかなあ、と思う-;。自前でも消化剤とかビタミン剤とか色々買って飲ませたので、薬好きのじいさんは薬がたくさん飲めてご満悦ですし-;。

 だいたい、紛争相手の建設会社の社長というのは、昔からの地元の有力者の家系の出であって、地元では千年くらい前からお殿様みたいな家の家系だったのです。スラップ清和源氏、と呼んでやって欲しい、と思うくらいです。清和源氏の何代目かが、平安時代とかに、田舎に流れてきて土着したのが先祖らしいです。そして、その社長よりも威張ってる建築士の又従兄弟の家系というのは、地元でも更に古くて有力で、人がその名を口に出すのもはばかるような旧家らしいです。だいたい、サイコパスというのは遺伝的な要素がけっこうあって、田舎の旧家なんて昔から近親結婚を繰り返しているから、サイコパスな遺伝子が濃厚に詰まっている登場人物が一杯いる「清張世界」が、この世のどこかのパラレルワールドに存在しているとしか思えない。父親の父親が死ぬ直前になって、家族に対して何をやらかしてくれてたのか? 彼の中に、建築士の一族特有のサイコパスな要素がどれくらいあったのか、と今になってとても気になるわけです。建築士の又従兄弟の一族って、私の一族のことでもある。どんなサイコパスがどこで何を考えてるのかなんて、普通の凡人の私に分かるわけがありません。忠告に従って、どっかの市民病院には自家用車で行かないことが吉だと思うだけです。私達に関わった人達が、「行け」「行け」と執拗に言えば言うほど、「行くな」ということなんだろうなー、と思うのが、「清張世界」の無難なお約束だと思うからです。原告が自動車事故で死んじゃったらスラップな訴訟で金払う必要がなくなるしねえ??? って、そう思ってるかどうかは内緒です。というか、架空の「清張世界」の話です。廃病院は、関係者の言ってることがあんまり別世界にぶっ飛ぶようになるまでは、適度に利用させて貰おうと思ってるので、あんまり悪口が言えません-;。まあ、私が知っている限りでは、感じが良い方です。そして、自分とこの評判はものすごく気にしそうな感じなので、自分のとこであんまりなことをやるのは嫌がるだろうな、という気がします。色んな忠告をどうもありがとう、検査代を稼がせてあげたのだから、これからもよろしくね、とそんな感じでしょうか。まあ、病院なんて行かなくて済むのが、一番幸せなのですけれども。