合成神サバジオス

トラキアの神サバジオスをアップしてみました。これを訳していた時、丁度ピレウス帽についても訳していたので、どちらの項も文章は多いし、ローマやギリシャの風物に疎い私には、1行毎に知らない事が書いてあって、訳しては調べ、調べては訳しの繰り返しで、本当にいつまでたっても終わらないのではないかと思いましたが、やっとアップすることができました。
この神は綴りを見ると、ヘバト(Hebat)とディオス(Dios)の合成神であることは分かるのですが、何故かなり性質の異なる2神、しかも女神と男神で性別も違うものを強引に習合させているのだろう? とまずそれが謎でしたし、その上にこれがローマのユーピテル、ギリシャのゼウス、ユダヤのヤハウェと各地で習合しているわけです。で、トラキアあたりではそれを「唯一の神」と称して「一神教」として信仰する向きもあったようですから、習合と合成を重ねて、神を一つに纏めてしまえば、確かに見かけは「一神教」かもしれませんが、それを「一神教」と言っていいのだろうか? とも思うわけで、これでは「一神教」も「多神教」も「言い方の違い」の問題でしかないようにも思うのです。
どこの「唯一絶対の神」も、それぞれの都合に併せて習合・合成されており、その取捨選択の微妙な違いに、宗教等を基にした民族差別が存在している、というのがなんとも嫌な感じがするわけですが。このような「合成神」の概念を初めて知ったので勉強になりました。文章は私にとってかなり難しかったので、今までで一番自身の無い訳となっています。拙い点は笑ってご容赦下さい。
あとは、ヘバト等の語源を調べて、論文もいくつか読んで思ったのですが、どうやら「Sius」というヘバトの別名と、「Dios」というゼウス系の神の名を「同じ語源」として纏めてくくろうとする傾向が強くて、若干呆れております。専門家がそういうこと言うなんて、誰もどっかのリケジョの論文に文句言うどころではない気がするわけで。要するに、どんな論文でも「論文なんて書いちゃったもん勝ち」というのが、いわゆる「専門家」の世界の流儀なのではないでしょうか、と思うくらいです(苦笑)。
また、簡単なイスタヌ女神をアップしてみました。ひげも無いし、スカートを履いているのに何故「男神」扱い・・・? というのはもう書き尽くしたように思いますので書きませんが。


ここのところ雨がずっと降っていませんでしたが、やっと雨が降るようです。植物に優しい良い雨が降ってくれると良いのですが。