本日の日誌

昨夜は特に夢も見ず。本日は所用を足しに出かける日であったので、作業はお休みする。兄さん達の「掲示」があったので、「王の肉」を買いに出かけて。地場産の特産品コーナーにあったので、無事に買うことができて。で、古い家によったので、荷物もちょこちょこと持ってきて。ここのところ、東洋と西洋をつなぐ遊牧民の文化であるスキタイの流れを組む人々の「ナルト叙事詩」をもう一度しっかり読んでみたい、という気分に駆られていて。そうしたら、家に「アマテラスの原像」とか「アーサー王伝説の起源」とかあって、「おおー」と思いながら持ってくる。「アマテラスの原像」とか、表紙にアナーヒタ女神の絵が描いてあって、いかにもそれっぽい気がする。で、少しだけさわりを読んでみたわけですが、最初にいきなり「マハーバーラタ」のドラウパティー姫のエピソードが出てきて、「おおー」と思う。「マハーバーラタ」とはヒンドゥー教の聖典であって、「バラタ家の物語」という意味であるらしい。バラタ家とは、昔北西インドで栄えた王家の名前であって、その王家の伝説を語る一大叙事詩が「マハーバーラタ」である。その中にクシャトリア階級であるドゥルパダ王の娘のドゥラウパティー姫という人が出てくるのだけれども、インドというのは父系の文化の国であるので、結婚形態は一妻一夫か一夫多妻である。でも、何故か女神の化身と言われるドゥラウパティー姫は、夫が五人いる一妻多夫の女性なのである。物語の中では、その理由としていろいろと説明があるわけですが、でも一番の言外の理由は、ドゥラウパティー姫が元々父系のアーリア系の女神ではなく、おそらく先住の一妻多夫の女神だから、であると思う。だいたい、名前の子音から見て、ドゥルパダ・ドゥラウパディーはほぼ同じ構成の名であるので、父親が男性形の名前、娘が女性形の名前で、その二人は元々「同じもの」であることが分かる。しかも、頭に「DV」はつくのは、古い時代には「虎」のことをさす言葉なので。要するに、ドゥラウパディー姫は、虎をトーテムとする一妻多夫の文化の女神が変化したものなのである。「アマテラスの原像」というタイトルで、のっけからこのネタ? と思ったのですが。少しずつ読んでみようと思います。

そして、「白い羊」を現す「石」が水晶であるなら、「白虎」を示す石とはなんなのだろう? と思う。そうすると、それは「琥珀でしょ?」と言われる気がするわけで。琥珀とは、中国の伝承では、「虎が死んで、その魂が土に帰って変化したもの」であるらしくて。「虎の魂魄」という意味らしい。でも、「琥珀」の「琥」は「虎の王」と書きますよねえ? と思う。そして、象形文字で「天」という字は、元々「目に足がついたもの」であったわけで、「空の上の目」が「天」を現すものだったのである。要するに、「黄色く輝く太陽」が、「虎の目」だし、「目には魂が宿る」ということで、「太陽が虎の目でもあるし虎の魂でもあるもの」だったのだと思う。太陽信仰が盛んであった古代エジプトでも、琥珀は珍重されていました。アジアで最古の琥珀の小玉は日本で発見されていて、約2万年前のものです。ヨーロッパでも1万5千年前にデンマークの遊牧民が護符として使用していた、とのこと。琥珀信仰の起源は、そのまま「天の虎の太陽女神」の信仰の起源ともなると思います。要するに、「羊の王」の肉を食べると、「水晶」を「王の首」として護符として利用できるようになる。琥珀は、そもそも自分自身である、ということになるらしくて。どういうわけか、どちらも手元にあるわけですがー;。

それはともかく、「お犬様」の話の続きです。北欧神話は、多神教の神話であり、神々と対立する存在として巨人達がいます。でも、完全に対立する存在ではなく、ときには両者の間に婚姻が成立することもあるのです。そして、他の地域の神話には見られない特性として、「ロキ」というトリックスター的な存在の神がいます。ロキは、下位の神で、巨人の出でありながら、主神オーディンと義兄弟となって神々と共にいます。邪悪な性質であり、狡猾で良く嘘をつきます。でも、その狡猾さで神々の役に立つこともあります。そして裏切ることもあります。ロキの存在によって様々な事件が起き、それが神話の物語、となることもままあります。その名前の意味は「終わらせる者」だということです。そして「空飛ぶ靴」を持っているとされています。

ロキはフェンリルという巨大な狼の父親であり、フェンリルの子供にスコールとハティという狼がいます。スコールは常に太陽神であるソールを追いかけて飲み込もうとしています。その名前の意味は、「嘲るもの」「高笑い」です。ハティの方は月を追いかけていて、その名の意味は「憎しみ」「敵」ということです。日食や月食は彼らが狼に飲み込まれてしまったから、と言われています。ロキからの3代の狼の性質を考えるに、彼らは天空を走る能力を持っていた狼一族であったことが分かります。言い換えれば、フェンリル、スコール、ハティはロキの別の形、で、この4つは元々同じものだった、ともいえると思います。特にスコールの名前を見ると、なんで、私の身の回りをうろつく者は、辺に良く聞こえるような笑い声を上げるのだろう? と思うのです。彼らは「太陽を追いかける」というスコールの化身なのでしょうか。また、北欧神話にはハティと同様月を追いかけ回るマーナガルム(「月の犬」と言う名)の狼がいて、この狼は「すべての死者の肉を腹に満たし、月を捕獲して、天と空に血を塗る。そのために太陽が光を失ってしまう。 」と言われていました(Wikipediaより)。要するに、この狼一族は、太陽や月を追いかけ回すだけでなく、死者の肉を食らい尽くす、貪欲な「お犬様」の集団であったことが分かります。そして、狡猾で残忍な神々ともされていたのでした。