クロノスとゼウス

いよいよヨーロッパ方面の神話を調べ始めたわけですが、なんだかんだ言って、ヨーロッパの神話で一番有名なのはギリシア神話だと思うわけです。ギリシア神話というのは、何が特徴であるのかというと、
多神教の神話ですので、いろいろな神様が出てくる
ということもあるのですが、ギリシアの最高神ゼウスは最初から最高神であったわけではなくて、3代目に当たる最高神であることが特徴であると思うのです。例えば、メソポタミアの神々の集合体であるアヌンナキの最高神は
最初から最後までアヌという神
ですが、ギリシア神話のオリンポスの場合は
ウラノス → クロノス → ゼウス
と主神が入れ替わるわけで、ウラノスから順に祖父、父、息子という構成になっているのです。家族の割に仲の悪いオリンポスの神々は、まずクロノスがウラノスから主神の座を奪い、そのクロノスもゼウスに追い落とされるわけです。そこで、ゼウスも
「いずれ息子に主神の座を追われるであろう」
という予言を受けたので、懐妊した妻を飲み込んで問題解決し、永遠に主神の座にいられることになった、という血なまぐさい余談がつくわけですが、そうやってゼウスは主神となったわけです。
実のところ神々の集合体が平穏無事に過ごしている所は、古代のメソポタミアのアヌンナキとか、古代エジプトの神々くらいなもので、ヨーロッパ方面に近づけば近づくほど、殺人というか、殺神の末の権力の確定、という神話が多くなります。古代エジプトでもオシリスとセトの物語のように部分的には仲の悪い神々もいるわけですが、たいていは役割分担が出来ていてそれぞれに祀られている、という印象を受けます。
で、クロノスとゼウスですが、クロノスは「Cronus」と綴られるわけで、要するに「蛇の鷹神コロン」の同類の神なわけです。このクロノスも自分の子供を食べて妻に愛想尽かしされるような神サマですので、ろくな神ではありません。
一方、その息子のゼウスはプロメーテウスの肝臓を毎日食べるカフカスの猛禽類の鳥神がその別の姿と思われますので「人食い」的な性質はクロノスと良く似ているわけです。そこで分からないことが二つあったわけです。
その1.コロンというのは、言語的にもホルスと近縁性がありますし、古代エジプトにおいてはホルスと習合するほどその性質は似通っていたように思われるのに、なんで
ヨーロッパ方面に入ると人食いのろくでもない神サマになってしまうのか
その2.コロンやホルスの名前の起源がかなり古い時代に遡ることは分かるのですが、では「ゼウス」という名前の起源はどこにあるのか。
ということです。ギリシア神話の太陽神アポローンのようにヨーロッパの神といえども、その起源はメソポタミア方面にある神はいくらでも存在し得るわけで、ではこの2神の起源はいずこにあるのであろうか、と思うのです。
まず、コロン(Choron)ですが、この神の子音は「Cer-n」と分解できると思われますので、縮小すれば「C-N」要するに「K-N」となるわけです。こういう子音の神サマがエジプトやメソポタミアにいたっけ? と考えてみたわけです。そこで気が付いたのが
毎度おなじみなクヌム(Khnum)なわけです。
ええと、あののほほんとしてそうな、羊頭の神サマが
凶悪コロン
の原型なんですか? と一瞬思うわけですが、羊はヨーロッパにおける「角のある神」の重要なトーテムです。そこで更に気が付いたのですが、クヌム(Khnum)の「Kh」はそれほど強く発音される音ではなくて、接頭辞的な母音に変化し、更に消えてしまう傾向もあるように思うのです。要するに
クヌム(Khnum) → アメン(Amun) → ミン(Min)
となります。どうやらアメン神が「羊頭」であるのは、クヌム神と関連があるからのようです。一方ミン神はクヌムと同様月の神で、どちらの同じ上エジプトの神ですから、近縁性は高いものと思われるのです。そこで、メソポタミアに目を向けて考えてみます。そもそも楔形文字というのは、左右のどちらから読んでも構わないものです。例えば神の名を現す時に、文字が複数あればどちらから読むことも可能といえます。例えばメソポタミアの月神シンを構成する楔形文字は
エン-シ
と書いて逆から読んで「シン」と発音するのです。一方エンキ神の楔型文字はどうなのかというと、
エン-キ
と書いて、そのまま「エンキ」と読むわけです。「シン」と同じ読み方をすれば「Ki-en」、「キエン」とか「キン」と読めると思われます。どうやらここにも「K-N」という子音で繋がる「コロン」の神がいるわけです。でも、お魚エンキは人類を助けてくれる心優しい神サマなのに、何故
凶悪コロン
に? とやはり思うわけです。それはともかくメソポタミアでは、こうして読み解いていくと
キエン(Ki-en)(エンキ) → シエン(Si-en) → ヘルマー(Her-mar) → アヌ(A-nu)、アルマ(Ar-ma)、ローマ(Ro-ma)
と神の名か変化していくようです。古代エジプトにおけるクヌムはナイル川の水源の神かつ羊頭の神ですが、一方のお魚エンキはチグリス・ユーフラテスの水源の神かつ山羊頭の神ですので、要するに
クヌムとエンキは根源的に同じ神であり、それが コロン の原型
ということになると思われます。それがこぞってヨーロッパ方面の「男性形の月神」へと変化していくわけです。古代メソポタミアは古くから覇権主義で争いの絶えない場所でしたから、
コロンの凶悪化の最初の一歩は、メソの月神「シン」へ改変されたこと
であると思われます。後は北方の遊牧民に取り入れられて悪の道にまっしぐらということにーー;。ではその家族構成は、というと
クヌムの妻は、蛙の神ヘケト
といわれています。一方
エンキの妻は山の太母ニンフルサグですが、彼女は蛇蛇しい別名をいくつも持っているにもかかわらず、トーテムはΩと蛙、であるわけです。要するに
エジプトにおける羊のクヌムと妻の蛙ヘケト

メソポタミアにおける山羊魚のエンキと妻のニンフルサグ
は「同じ神」なのです。ということは、
コロンって要するに、ホルスの耳ということなのでは? ということは、ホルスが女の子であれば、コロンはむしろ男の子だったのかもしれない、と思うわけですが、この名は男系社会にも取り入れられて、エジプトのアメン神、メソのアヌ神になっただけでなく、ヨーロッパ方面で
人食いの凶悪な神
になったとーー;。なるほど、ということで、では
ゼウスの方はどうなの? コロンとは本当に親子なの?
ということになるわけです。でも、続きが長くなりそうですので、また明日<(_ _)>。

日記でも書いておこうかと思います

何故なら、夜になるとたいてい忙しくて書いている暇が無いからです。
今年、新たに挑戦してみよう、ということで、ポットに蒔いてみたマシュマロウの芽が出だしています。うまく育つといいな、と思います。
後は、自然にこぼれ種から発芽したひまわりがあちこちにみられます。彼らは寒さに強いとみえて、自然のままにほっておくと4月の上旬くらいには発芽します。最初はウリ科の植物の双葉に似てるので、
「なんでこんな時期にキュウリが?」
とか思っていると、どんどん大きくなってひまわりだと分かるわけですーー;。おととしに買ってきた種から自家製で増やして3年目ですので、咲くまでどんな花になるのかが分からなくて、1本1本微妙に違っていたりするのでそれも楽しみなわけです。
それ以外は、
「ヘパト女神はなんでシェン・リングを二つ持っているんだろう」
とか
「どうやってメソの太母ニンフルサグかつ蛙と結びつけよう」
とか
「だいたい、そもそもなんでスカート履いているのに男扱い?」
とか
「シェン・リングとヘパトとの関係をなんで誰も言わないの?」
とか
「そもそもレピトもシェン・リングもエジプトの蛙の男の神々もなんで日本語wikipediaに記事がないの?」
とかいろいろと思っていたわけですが、ニンフルサグの象徴が「Ω」だっていう部分を改めて読んで気が付いたわけです。
「Ωとαってシェン・リングなんだ???」
ということに。
「我はアルパであり、オメガである。」
ですか? なるほど、ヒッタイトの女神の壁画にそう描かれているのが
「気に入らない」
ベテホロンは確かにいると思われる。そして彼らが何故、オメガを持つ女神達を弾圧して破壊し尽くしたのかも分かる。その本来の意味を失わしめて、自分達のご都合主義の
αとΩ
に作り替えているから、そうしたままにしたいから、
「真実を全て隠蔽し尽くしたい」
わけだ。
女の子は女の子のままに。蛙の女神は蛙のままに。
山の太母ニンフルサグは、ホルスと西王母のままに。
羌族の太母は、あるがままに。
そう務めることが、軍師の仕事だと太公望なら言ってくれるかもしれないと思うわけです。
そして、そうするとヘパトとニンフルサグと、ネイト女神の中に居る神の全てを繋げることができる、とそうなるようです。

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可哀想なニンリル

ニンリルの結婚前の名前が「Sud」という言葉なのがずっと気になっていたわけです。で、西欧世界における神名の変更ルートをだいぶ勉強しまして、
「d」という子音と「t」という子音は交通性がある
ということに気が付いたわけです。どこから気が付いたかというと、ヒッタイトの太陽女神のことをルウィ語でティヤズ(Tiwas or Tijaz)というわけで、TをDに置き換えると
Diwas → Dyaus
とできるな、ということから気が付いたわけです。ということは、「Sud」は「S-d」という子音ですので「S-t」とも変化しうるわけで、実のところ、「S-t」のつく神々というのは、男女を問わずたくさんいるわけです。例えば
エジプトのセツ:天候神(ということはその前身は太陽神):男
カフカスのソスラン:英雄、男
カフカスのサタナ:女神
ヒッタイトのイスタンあるいはエスタナ:太陽女神
エトルリアのセスランス:鍛冶神:男
ヒッタイトではヘバトとイスタンあるいはエスタナは、「太陽女神」で同一のものとみなされています。
ユダヤ神話では、ヘバと近い音から発生しているイヴの息子がセツとされているわけで、子供の方が男神となっています。でもって
ケルト神話ではセスリーンが母親で、娘がエスリンとなっています。
カフカスでは、サタナが養母でソスランが養子ということで。
要するに、彼らは元はみな「太陽女神」であったけれども、分離と習合の過程で、多神教的には親子の関係で整理されることが多いけれども、ヒッタイトでは
みな同じ太陽女神
ということで、ヘバトもヘバもエスタンもイスタヌも、蛇も蛙も関係なく纏められてしまっている、と。要するに古代世界では、古代エジプトやメソポタミアのように、特に古い時代にはちょっとずつ名前を変えていろいろな役割を持つ神々を作り出していましたが、時代が下って、特にヨーロッパ方面では、逆に
同じ性質の神々を纏めて一つにしよう
という動きがあったと思われるわけです。同じ性質の神々は当然語源が近いことが多いでしょうから、近い語源で似た性質の神々を「同じもの」として纏めていることもあるでしょうが、逆に語源が近くなくても性質が同じだったら纏められてしまうこともあったようです。例えばローマのユーノーとギリシアのヘーラーなんかは良い例だと思います。
ということで、習合主義が究極までいきつくと、ゼウスもコロンも、ベテホロンとバチカンなんか特に
同じもの
なんだ? っていうか、ベテホロンとバチカンって
語源的にも同じ
なんでは? と思うわけで。まさに、どちらもダビデとソロモン礼賛主義なわけだ、と思うわけです。ダビデとソロモン礼賛主義の上に、略奪・簒奪主義のサバジオスと習合しているとすれば、まさに
悪の世界で無敵
というわけで、頭が痛いわけです。でも、旧約聖書の真髄は
ダビデとソロモン主義への批判
なわけで、その秘密を知っているから、知っている旧約の民が邪魔なのでしょう。旧約聖書を
ダビデとソロモン礼賛主義の書
にしてしまいたい人たちにとっては、となるわけです。それにしても、元は女神であったのに、殺されてしまう可哀想なニンリル。彼女は古き時代、蛇神であっても母系社会の時代の太陽女神であったのだと思うわけです。でも、北の方から馬に乗った男系主義者達がやってきたので、
月の女神に変更されてしまった
のです。で、更に時代が下ると、男になることも多いと。
男に書き換えられなかっただけ、中国の嫦娥の方がまだマシ? かというとそういう問題でもないというか、おそらく
太陽女神が月女神に書き換えられてしまったのは嫦娥のせい
だと睨んでいるわけですが。可哀想なニンリル、殺されたり、男にされたり、いろんなことに利用されて、しまいには西方世界における女神信仰そのものが大弾圧を受ける羽目になるわけで。
セツというのは元は女の子だったのです。でも、旧約では、ニンリルの役割をディナが負っているわけで。西方神話の分離主義と習合主義には、目も覚める思いもさせられますが、読み解くのにも苦労させられるな、とそう思った一日なわけです。
で、そうやって読み解いても最後の最後に一神教の「キリスト教」で全部くくられてしまうわけで、確かに
何のために読み解いたんだろう?
みたいな虚しい気持ちにならないでもないわけですがーー;。

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Mステその他

先週の方がいろいろと大変な状況で、この手の日記を書く余裕もなかった気がするのですが、本日はまともに余裕を持ってみることができた気がします。で、感想はといえば、やはり
どんな歌を歌っても、妙なのよりはまともなイケメンの方が良いかな、
と。大野君も最後に頑張ってカメラ目線を送ってた気がしますが、それでもやっぱり
他のよりはマシ
という感想でスルーしてしまう自分がいるわけです。なにせ、福山君の「HUMAN」の時の目線も凄かったような気がするわけで、それに比べればたいていのことはどうでもスルー可な気がするのです。
本日は頑張って新しい記事をアップしてみましたが、ヨーロッパ方面の神々はエジプト、メソポタミアの神々の性質を受け継ぎながら、
全く新しい要素
も含んでいるわけで、全貌を理解するのは難しそうです。正直いうと、コロンとホルスの違いも未だに良く分からなかったりするわけですが、この2つの神々から生じた
結果の違い
だけは分かるわけで、それぞれの結果に順を追って到達できるまでにはまだまだ勉強が必要なのだと感じるのです。

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やっとこさ

資料採集が一段落ついて、執筆活動が始められるかと思いきや、イタリアのど田舎の教会の情報とか、船乗りの柱とかに捕まって、なかなかコロンにもその他にも行き着けません。

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