== 乗鞍信仰との関連 ==
=== 乗鞍信仰 ===
<blockquote>「伊太祁曽」は乗鞍の別称で、丹生川地域に伊太祁曽神社は、日面、瓜田、根方、小野、日影、板殿、旗鉾、池之俣の八社がある。乗鞍本宮の里宮とされ、乗鞍岳を神体山と仰ぐ。いずれの神社も祭神は、林業の神である五十猛(いそたける)で、山林業振興が託される。([https://trc-adeac.trc.co.jp/WJ11E0/WJJS06U/2120315100/2120315100100030/ht012050 高山市史 街道編 上、「伊太祁曽」とは]、より)</blockquote>
<blockquote>乗鞍岳は、水の神、雨の神、雨乞いの神として、飛騨・信州両方も含め遠く尾張方面まで信仰を集めてきました。「日本三代実録」の貞観9年(867年)の条には、乗鞍岳に'''梓水神'''と名づけてあります。(「[http://www.hidatakayama.ne.jp/yamagatari/yamagatari/katari/norikura.htm 乗鞍岳と両面宿儺]」より)</blockquote>
<blockquote>「伊太祁曽」は乗鞍の別称で、丹生川地域に伊太祁曽神社は、日面、瓜田、根方、小野、日影、板殿、旗鉾、池之俣の八社がある。乗鞍本宮の里宮とされ、乗鞍岳を神体山と仰ぐ。いずれの神社も祭神は、林業の神である五十猛(いそたける)で、山林業振興が託される。([https://trc-adeac.trc.co.jp/WJ11E0/WJJS06U/2120315100/2120315100100030/ht012050 高山市史 街道編 上、「伊太祁曽」とは]、より)</blockquote>ちなみに、乗鞍岳の長野県側にある梓水神社(宮の原地区)の主祭神は建御名方神である。神社の近くには乗鞍の竜神の心臓といわれる「御池」があり、乗鞍の竜蛇信仰は長野県の方が色濃く残っている、といえる。(で、下流域の犀川の女神が犀竜なのだから、当然梓水の竜神も女神だろう、と個人的には思うわけですが。)松本市梓川梓には梓水大神を祀る大宮熱田神社がある。諏訪信仰は、竜蛇信仰であって、建御名方神の子孫であって、祭祀者である大祝が代々湖の竜蛇神と一体となって神を祀っていた、という歴史があるので、こちらについては、女神(梓水大神)を祀るのが建御名方神で、祭祀者は女神の保護者でもある、という概念がすり込まれていて、梓水神社の主祭神が竜蛇女神ではなく建御名方神であっても、全然違和感を感じないから、刷り込みというのは大きいなあ、と我ながら思う。梓水神社も大宮熱田神社もそれぞれに素晴らしい神社である(管理人)。
=== 飛騨の口承 ===
=== 乗鞍信仰と両面宿儺 ===
<blockquote>宿儺は、乗鞍岳を信仰の山としました。乗鞍岳山頂直下にある権現ヶ池に住民を集めて、'''登る太陽の光を水面に映して崇拝しました登る太陽の光を水面に映し、その光を抱くようにして崇拝した'''。そのため、丹生川村の乗鞍岳山麓の神社は、今でもほとんど日抱神社といいます。(飛騨ぶり街道物語)(「[http://www.hidatakayama.ne.jp/yamagatari/yamagatari/katari/norikura.htm 乗鞍岳と両面宿儺]」より)。そのため、丹生川村の乗鞍岳山麓(東部地区)の神社のほとんどが日抱神社(現在は伊太祁曽神社と呼ばれているところもある)と呼ばれていて、神社は乗鞍岳を正面に向いていた。(飛騨ぶり街道物語、岐阜新聞社、p89)</blockquote>
明確ではないが、「日抱御魂鎮」は両面宿儺が始めた、という伝承があるようである。明確ではないが、「日抱御魂鎮」は両面宿儺が始めた、という伝承があるようである。乗鞍岳は丹生川地区から見て東(太陽が昇る方向)にあるので、'''太陽信仰と水神信仰が習合した信仰'''といえる点で興味深い。また「日抱」とは、太陽の神が誰かを抱くのではなく、祭祀者(両面宿儺とその信者達(この場合は村人))が日の光を抱く、という意味であることが分かる。紀州の伊太祁曽神社では「女神が幼児を抱く図像」が残されているそうなので、'''紀州と飛騨丹生川で「抱く」という意味が異なる'''点、また丹生川の伊太祁曽神社のほとんどは祭神が五十猛神であり、現在乗鞍岳の頂上に祀られているのも五十猛神であるので、太陽信仰兼水神信仰が、木の神である五十猛神とどのように連続して関連していくのか、「'''語られない点'''」もまた興味深い(管理人)。
== 伝承の位置づけ ==
* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%A1%E9%9D%A2%E5%AE%BF%E5%84%BA 両面宿儺](最終閲覧日:22-06-13)
* 渡邊昭五編『日本伝説大系 7』(みずうみ書房、1982年)「二つ面の宿儺」の項。p179
* 飛騨ぶり街道物語、岐阜新聞社、2001、p89
* [http://kamnavi.jp/itakiso/seibo.htm 伊太祁曽神社の聖母信仰]、神奈備(最終閲覧日:22-06-21)
* [https://www.hidatakayama.or.jp/hidatakayama/history/index.html 飛騨高山、歴史、飛騨高山の縄文から現代に至るまでの歴史について](最終閲覧日:22-06-14)
* [http://www.hidatakayama.ne.jp/yamagatari/yamagatari/katari/norikura.htm 乗鞍岳と両面宿儺](最終閲覧日:22-06-13)
* [http://firestpark2014.blog.jp/ 森の中の大きな木](最終閲覧日:22-06-14)
** [http://firestpark2014.blog.jp/archives/1068950946.html 飛騨の古代神を探求する ふたたび②](最終閲覧日:22-06-14)
* [https://visitmatsumoto.com/history/%E6%A2%93%E6%B0%B4%E7%A5%9E%E7%A4%BE/ 梓水神社]、松本市公式観光情報、新まつもと物語(最終閲覧日:22-06-21)
== 参照 ==