== 伊毘志都幣命 ==
伊毘志都幣命は『出雲国風土記』にのみ登場する神である。一説には農耕拓殖の女神といわれているが、風土記にも性別の記述はなく、今ひとつ明らかでない。多久和の飯石神社の由緒書には、伊毘志都幣命は『出雲国風土記』にのみ登場する神である。一説には農耕拓殖の'''女神'''といわれているが、風土記にも性別の記述はなく、今ひとつ明らかでない。多久和の飯石神社の由緒書には、
<blockquote>伊毘志都幣命は天照大神(あまてらすおおみかみ)の第2子・天穂日命(あまのほひのみこと)の御子・天夷鳥命( あめのひなどりのみこと)のことで、別名・武夷鳥命(たけひなどりのみこと)と同一神であるとされている。また、出雲国造家の祖神・出雲伊波比(いずものいわひ)神とも称されており、 今も飯石神社の例大祭(毎年11月4日)には、出雲大社の宮司が参向し、奉幣が執り行われている。</blockquote>
== 私的考察 ==
「開拓を行った女神」といえば、岩見の[[乙子狭姫]]を連想させる。[[乙子狭姫]]は赤雁の背に乗って(おそらく天から)やって来た、とされるが伊毘志都幣命は天夷鳥命の別名とも言われ、鳥神でもあったことを連想させる。[[乙子狭姫]]は伊毘志都幣命が民間伝承化したもので、かつ[[大宜都比売]]の神話と組み合わされたものかもしれないと考える。
ただし、現在では伊毘志都幣命は[[野見宿禰]]と、渡来系氏族の技術でもたらされた古代出雲の製鉄産業と関連づけられる傾向が強いように思う。「石鉄川(いしすきがわ)」という地名にも「鉄」という文字が使われている。
== 参考文献 ==