日が暮れると、妻はきれいな玉を夫に渡して「もし赤ん坊が泣くときはこの玉をしゃぶらせてください。」と言って、泣く泣く池に帰っていった。
妻が言ったようにすると、乳もないのに子供はすくすくと育った。子供が二さいになったときに、不思議に思った村の者が玉をだまして取り上げてしまった。それから子供は火のついたように大泣きして、どんなにあやしても泣き止まなかった。夫は困って、その晩子供を抱いて池に行った。妻は蛇の姿で現れ「どうしてそんなに子供を泣かすのですか。」と夫に尋ねた。夫は村の者に玉を取られた話を聞かせた。蛇は悲しんで妻が言ったようにすると、乳もないのに子供はすくすくと育った。子供が二さいになったときに、不思議に思った村の者が玉をだまして取り上げてしまった。それから子供は火のついたように大泣きして、どんなにあやしても泣き止まなかった。夫は困って、その晩子供を抱いて池に行った。妻は蛇の姿で現れ「どうしてそんなに子供を泣かすのですか。」と夫に尋ねた。夫は村の者に玉を取られた話を聞かせた。蛇は悲しんで「あの玉は実は私の目玉です。もう一つ目玉はありますが、盲になったらもう龍になることはできません。子が泣いていて可哀そうですが、私にはもうどうすることも出来ません。」と言い、泣いて水に沈んでしまった。
「あの玉は実は私の目玉です。もう一つ目玉はありますが、盲になったらもう龍になることはできません。子が泣いていて可哀そうですが、私にはもうどうすることも出来ません。」 と言い、泣いて水に沈んでしまった。夫はそれを聞いて、 「生きていてなんの楽しみがあろうか。それより夫婦で揃って池の中で子を育てたほうが良い。」 と思って、子供を抱いて身投げしてしまった。夫はそれを聞いて、「生きていてなんの楽しみがあろうか。それより夫婦で揃って池の中で子を育てたほうが良い。」と思って、子供を抱いて身投げしてしまった。
それから村では不幸なことが続いて、大水が出たり、その次の年は干照りが続いたりで、とても大変だった。悪い病気が流行るし、火事で家が焼けたり、子供が夏になって五人も十人も溺れて死ぬ。村では、不幸の原因を探ろうと、祈祷師を頼んで祈ってもらったたところ、「五年前から池の主の崇りが起きている。毎年十一月廿日に十才になる男の子を一人ずつ池の主に人身御供にすれば、その次の年は無事であろう。」というお告げが出た。