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【訳】蝦蟆（蛙）神が大荒神と成って、天下を乱し悩ませた時、（諏訪）大明神がこれを退治してそこにお座りになった。それによって四海静謐（天下泰平）となったので、だから{{読み仮名|陬波|すわ}}と書いてナミシズカナリと読むのだ、という言い伝えが多くある。（蛙狩りを）見た人は（きっとこの神事の意味を）尋ねるだろう。（それは）昔から今に到るまで毎年々の災を除く。それがこの蛙狩りである{{sfn|【訳】蝦蟆（蛙）神が大荒神と成って、天下を乱し悩ませた時、（諏訪）大明神がこれを退治してそこにお座りになった。それによって四海静謐（天下泰平）となったので、だから陬波（すわ）と書いてナミシズカナリと読むのだ、という言い伝えが多くある。（蛙狩りを）見た人は（きっとこの神事の意味を）尋ねるだろう。（それは）昔から今に到るまで毎年々の災を除く。それがこの蛙狩りである<ref>原正直|, 2012|p=18}}, p18</ref>。</blockquote>
[[ファイル:Moriya Family Tree - 守矢氏系図.png|170px|サムネイル|{{Center|[[守矢氏]]の最初の五代<br />（洩矢神から八櫛神まで）}}]]
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蝦蟆神成大荒神、乱悩天下時、大明神彼ヲ退治御座し時、四海静謐之間、陬波ト云字ヲ波陬（なみしづか）なりと読り、口伝多し。望人ハ尋へし、于今年々災を除玉ふ、謂ニ蟇狩是ナリ。<small>（『上社物忌令』（神長本）より）</small><ref>原正直, 2012, p18</ref><ref name="chusei118">福田晃，二本松康宏，徳田和夫編『諏訪信仰の中世―神話・伝承・歴史』三弥井書店、2015年、118頁。</ref>
蝦蟆神を退治した後、大明神が蝦蟆神の住む穴を石で塞ぎ、その上に座した、ともいわれている<ref>金井典美『諏訪信仰史』名著出版、1982年、177頁。</ref>{{sfn|<ref>原正直|, 2012|p=18, p18-20}}</ref>。
この伝承については様々な説が提出されている。その中の一つは、荒神となった蝦蟆神が土地神（[[ミシャグジ]]もしくは洩矢神）を表し、この説話自体が[[タケミナカタ#諏訪の龍蛇神|蛇神ともされる]]建御名方神との神権争奪戦を意味する、という説であるもしくは洩矢神）を表し、この説話自体が蛇神ともされる建御名方神との神権争奪戦を意味する、という説である<ref>金井典美『諏訪信仰史』名著出版、1982年、68頁。</ref>{{sfn|<ref>武井|, 1999|p=137, p137-138}}</ref>。
=== 矢塚男命の死 ===
==系譜==
『神長守矢氏系譜』によると、洩矢神には[[洩宅神|守宅神]]と[[多満留姫]]という二柱の御子神がおり、多満留姫が諏訪大神（建御名方神）の御子神[[出早雄命|出速雄神]]を嫁ぎ、守宅神は[[千鹿頭神]]をもうけた。
