一部の伝承によると、取り替え子は人間の子供より知能がはるかに優れていたことから、見破ることは可能であった。ある時取り替え子であることが見破られると、その子の両親が子供を連れ戻しにやってきた。グリム兄弟の民話の一つでは、我が子が取り替え子にすり替えられたのではと疑った女が、木の実の殻の中でビールを醸し始めた。取り替え子はうなった。『おいらは森の中のオークの木と同じくらいの年だけれど、木の実の殻の中でビールを醸すなんて見たことがない。』そういうと、彼はたちまち消え失せた<ref name="briggs71" />。
取り替え子は時に召使いの仕事を手伝ってくれて、「[[家付精霊]]」のように振る舞うものもいた<ref>妖精の誕生、カイトリー、市場泰男訳、社会思想社、教養文庫、1989年、189-191p</ref>。
==取り替え子の目的==
幼児の発育不全を伴う診断には、取り替え子の記載と符合する育児放棄の歴史がない。これが診断を圧迫することとなり、人は発育不全児の影響外でおこった事において、どのように見ることもたやすいことだった。
==参考文献私見 ==「取り替え子」の伝承の起源の一つに、何らかの障害を持って生まれた子供が、普通に成長しないことを神話的に説明したものである、ということは古代の人が、理解しがたい「発育不全の子供」を説明しようとしたもの、として容易に理解できる。人は自分では理解できないものに、神秘的な要素を持たせて説明しようとしがちである。 ただ、障害があったり、それ故の発育不全がある子供は、長生きしないことも多く、食欲も旺盛とは言いがたい面があると思う。'''食欲が旺盛である'''、とか'''性格が良くない'''とか、そのような「取り替え子」の「お約束」ともいえる性質は、自然発生的な障害児のみによるのではなく、'''饕餮'''のように、何らかの特定の神を基にした神話的起源も含まれるのではないか、と思う。 == 取り替え子が登場する民話・伝承 ===== スカンディナヴィア ===* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=185 とりかえ子]:トロールの子 === スコットランド ===* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=226 とりかえ子]:フェアリーの子 === ドイツ ===* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=202 とりかえ子]:ドワーフの子 === 大人が取り替えられる物語 ===* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=237 盗まれた牡牛]:スコットランド:フェアリーによる誘拐:女性が死体とすり替えられて召使いにされる。 === 誘拐系 ===人間が取り替えられるのではなく、単に異界の者に誘拐されて働かされる話。* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=258 ペテル・デ・カビナムの娘]:カタロニア* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=163 山のこびと]:レートロマン
== 関連項目 ==
* [[妖精]]
* [[ドワーフ]]
* [[トロール]]
* [[求産婆]]
* [[すり替え人]]
* [[身代わり動物]]
* [[コルンムーメ]]:子供をさらうゲルマンの女神。
** * [[ヴィシャップ]]:子供をさらうアルメニアの女神。
== 参考文献 ==
* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%96%E3%82%8A%E6%9B%BF%E3%81%88%E5%AD%90 取り替え子](最終閲覧日:22-03-22)
* 妖精の誕生、カイトリー、市場泰男訳、社会思想社、教養文庫、1989年
==外部リンク==
{{DEFAULTSORT:とりかえこ}}
[[Category:ゲルマン神話]]
[[Category:取り替え子|*]]