アブ・アリ・バルアミ<ref>10世紀のペルシャの歴史家。</ref>は、ワーブ・イブン・ムナビ<ref>7-8世紀の人。ディマールのイエメン人イスラム教徒伝統主義者。</ref>から、ムハンマドは「神はまず悪魔(''ディヴ'')を創造し、それから7万年後に妖精(''ペリ'')を、5000年後に天使を、そしてジンを創造した」と述べたと記している。その後、神は地上の裁定者としてサタン(''イブリース'')を送り、そこでサタンは高慢になった。そこで、神はアダムを創造し、ジンの後継者として大地を支配させることにした。タバリーは、妖精や悪魔の存在を省き、ジンが人類の先達であるとだけ述べている<ref>''Persian Literature as World Literature''. (2021). USA: Bloomsbury Publishing. p. 40</ref>。
エドワード・スメドレー(1788-1836)は、バルアミの話をアラビア・ペルシアの伝説として(バルアミに起因するのではなく、アラビアやペルシアの作家全般)より詳細に語り直している。したがって、ジンはイブリスが送られる前の2000年間、ジャン・イブン・ジャン(Jann 1836)<ref>雑文家として知られるイギリスの聖職者。</ref>は、バルアミの話をアラビア・ペルシアの伝説として(バルアミに起因するのではなく、アラビアやペルシアの作家全般)より詳細に語り直している。したがって、ジンはイブリスが送られる前の2000年間、ジャン・イブン・ジャン(Jann ibn Jann)によって支配されていたのである。アダムが創造された後、イブリースとその天使たちは、彼らに味方する悪魔たちとともに地獄に送られた。残りの悪魔は、信心深い人々にとって常に脅威であり、試練ともなるため、地表に留まっている。アラブやペルシャの作家は、彼らの故郷を、悪と闇の象徴であるアーリマンの住処、アーリマンアバドに定めている。
大洪水が起こるまでは、神々は顕在的(''ashkar'')であり、はっきりした存在(''zaher'')だった。その後、神々は隠れてしまった<ref>''Persian Literature as World Literature'' (2021). USA: Bloomsbury Publishing. p. 43</ref>。