=== ヘーラークレース ===
ヘーラーはヘーラークレースの継母であり、敵である。 ヘーラークレースという名前は「ヘーラーの栄光」を意味する。 ホメロスの『イーリアス』では、アルクメネーがヘーラークレースを産もうとしたとき、ゼウスがすべての神々に「その日、ゼウス自身による子供が生まれ、周囲の者を支配するだろう。」と告げたとされる。ヘーラーはゼウスにその旨の誓約を求めた後、オリンポスからアルゴスに降り立ち、ステネロス(ペルセウスの息子)の妻にわずか7ヶ月でエウリュステウスを産ませ、同時にアルクメネーにヘーラークレースを産ませないようにしたのである。その結果、ゼウスの誓いが果たされ、ヘーラークレースではなくエウリュステウスが支配者として選ばれたのである<ref name="Hom. Il. 19.95"/>。。パウサニアスの記述では、ヘーラーはアルクメネがヘラクレスを産むのを邪魔するために魔女(テーベ人たちは魔女と呼んでいた)を送り込んでいる。