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== 神話・宗教 ==
==== 太陽のシンボル ====
古代中国の[[紅山文化]]では兎は太陽女神として祀られていたと思われる。女性の太陽神を祀るために、神像は高台に吊るされたと思われる<ref>[https://read01.com/o2O5oz.html 現存唯一紅山文化玉器女太陽神;高26寬7.5厚10厘米,重2246克、原文網址:https://read01.com/o2O5oz.html]、壹讀、15-04-21(最終閲覧日:22-12-19)</ref>。これは太陽女神を「下位の生贄にする女神」とみなしての祭祀ではないか、と管理人は考える。
 
==== 月のシンボル ====
日本から見た月面の模様は古くから餅つきをするウサギに見えていた事から日本には古来より、ウサギが月に棲むという説話が仏教・道教説話あるいは民間説話として伝わっている。
ウサギは月の化身であり神聖なシンボルとして広く用いられてきたのである。月への民間信仰との関わりもあってか、その愛らしい姿をデザインしたものは古くから安産、女性や子供の守り神として広く受け入れられ、郷土玩具その他さまざまな道具の意匠に用いられてきた。
 
==== 山のシンボル ====
ウサギを「山の神」と同一視、あるいは「山の神の使い(神使)」や乗り物とする伝承も日本各地に広くみられる。
 
滋賀県高島郡では、山の神の祭日には山の神は白いウサギに乗って山を巡る、山の神は白ウサギの姿をしているとされ、京都府愛宕郡では氏神三輪神社境内に祭られる山の神の2月の祭日には白ウサギが稲の種を蒔き、11月の祭日には白ウサギが稲の落穂を拾うというので、白ウサギは決して獲ってはならないとされている。また、福井県三方郡ではウサギは山の神の使いとされ山の神の祭日に山に入ることの戒めとともに伝わっている。
 
また、福島県では吾妻山の斜面の雪解け模様(溶け残った雪が白くある部分)を白いウサギの形に見立て、「雪うさぎ 」あるいは「種まきウサギ」と呼んで、これを苗代の種まきの合図とした。福島市には「吾妻小富士の下の残雪がうさぎ形に見られる頃になると晩霜の心配がない」という天気ことわざもあり、また、日照りの際に[[トビ|トンビ]]にさらわれたウサギが山の神となったという説話が伝わっている。
 
こうしてウサギが各地で山の神と同一視されてきたのは、人間の暮らす里と神や動物のいる山とを身軽に行き来することからの境界を超えるものとしての崇拝、多産で繁殖力に富むことから豊穣をつかさどる意味、そして東日本のノウサギは冬には毛皮が真っ白に変化することから白い動物を神聖視する考え方(白鳥などを神聖視する古来の白への信仰)、西日本のノウサギは白くはないのであるが突然変異で白くなった動物を瑞兆とした考え方(白蛇、白鹿、白亀などが朝廷に献上された例<!-- 『続日本紀』、白亀が献上され、元号を変えた記事(「アルビノ」の方も参照)。 -->などにも見られる希少な白への信仰)などさまざまな背景があると考えられる。
 
 
また、月読命(豊産祈願)や大己貴命(大国主命)、御食津神(五穀豊穣)などを祭神とする寺社ではその祭神の性格からウサギを神の使いとするところも多い。『古事記』には大国主命に助けられるウサギの話として「[[因幡の素兎]]」の話が伝わっている。
 
ウサギは道教・陰陽思想の影響を受けた十二支の生肖の1つでもあり、「卯(う)」として暦時方角をもあらわしてきた(ただし東南アジアでは[[ネコ]]が取って代わる)。
==== 多産・豊穣・性のシンボル ====
今日の日本では、卯月が四月の春であること、月見をするのが現在は秋であることから、イメージとしては春とも秋とも結び付けられている。俳句においては、野兎<!--野生の兎の意味の野兎ではなく、ノウサギ属の野兎のほう-->や雪兔は冬の季語とされている。
 
==== 献身のシンボル ====
仏教世界においては献身のシンボルとされる。これは仏教説話集[[ジャータカ]](jātaka)の中に、ウサギが身を火に投じて仙人に布施する物語(ササジャータカ:sasajātaka)があるためである。ちなみに日本におけるモチーフとしてのウサギのところで前述したように、月面の模様をウサギに見立てることも、ここからきている。
 
==== 宗教のシンボル ====
神道世界においては神の使いとされることがある。大阪の住吉大社・埼玉の調神社・京都の岡崎神社などの神使として知られている。調神社や岡崎神社には狛犬ではなく狛ウサギがある。
=== 機智のシンボル ===
そのほか、他にも、謡曲(能)で『竹生島(ちくぶじま)』で「月海上に浮かんでは 兎も波を奔るか 面白の島の景色や」と謡われたことなどから、江戸時代には波の上を跳ねるウサギが瑞祥文様として庶民の着物文様や建築意匠に使われている。
 
==== 山のシンボル ====
ウサギを「山の神」と同一視、あるいは「山の神の使い(神使)」や乗り物とする伝承も日本各地に広くみられる。
 
滋賀県高島郡では、山の神の祭日には山の神は白いウサギに乗って山を巡る、山の神は白ウサギの姿をしているとされ、京都府愛宕郡では氏神三輪神社境内に祭られる山の神の2月の祭日には白ウサギが稲の種を蒔き、11月の祭日には白ウサギが稲の落穂を拾うというので、白ウサギは決して獲ってはならないとされている。また、福井県三方郡ではウサギは山の神の使いとされ山の神の祭日に山に入ることの戒めとともに伝わっている。
 
また、福島県では吾妻山の斜面の雪解け模様(溶け残った雪が白くある部分)を白いウサギの形に見立て、「雪うさぎ 」あるいは「種まきウサギ」と呼んで、これを苗代の種まきの合図とした。福島市には「吾妻小富士の下の残雪がうさぎ形に見られる頃になると晩霜の心配がない」という天気ことわざもあり、また、日照りの際に[[トビ|トンビ]]にさらわれたウサギが山の神となったという説話が伝わっている。
 
こうしてウサギが各地で山の神と同一視されてきたのは、人間の暮らす里と神や動物のいる山とを身軽に行き来することからの境界を超えるものとしての崇拝、多産で繁殖力に富むことから豊穣をつかさどる意味、そして東日本のノウサギは冬には毛皮が真っ白に変化することから白い動物を神聖視する考え方(白鳥などを神聖視する古来の白への信仰)、西日本のノウサギは白くはないのであるが突然変異で白くなった動物を瑞兆とした考え方(白蛇、白鹿、白亀などが朝廷に献上された例<!-- 『続日本紀』、白亀が献上され、元号を変えた記事(「アルビノ」の方も参照)。 -->などにも見られる希少な白への信仰)などさまざまな背景があると考えられる。
 
 
また、月読命(豊産祈願)や大己貴命(大国主命)、御食津神(五穀豊穣)などを祭神とする寺社ではその祭神の性格からウサギを神の使いとするところも多い。『古事記』には大国主命に助けられるウサギの話として「[[因幡の素兎]]」の話が伝わっている。
 
ウサギは道教・陰陽思想の影響を受けた十二支の生肖の1つでもあり、「卯(う)」として暦時方角をもあらわしてきた(ただし東南アジアでは[[ネコ]]が取って代わる)。
 
==== 献身のシンボル ====
仏教世界においては献身のシンボルとされる。これは仏教説話集[[ジャータカ]](jātaka)の中に、ウサギが身を火に投じて仙人に布施する物語(ササジャータカ:sasajātaka)があるためである。ちなみに日本におけるモチーフとしてのウサギのところで前述したように、月面の模様をウサギに見立てることも、ここからきている。
 
==== 宗教のシンボル ====
神道世界においては神の使いとされることがある。大阪の住吉大社・埼玉の調神社・京都の岡崎神社などの神使として知られている。調神社や岡崎神社には狛犬ではなく狛ウサギがある。
 
ユダヤ教では、ウサギは「清くない動物」、すなわち非カーシェール(כָּשֵׁר, Kāšēr)とされ、食べてはならない動物に定められている。日本でも一部の地域(埼玉県・群馬県など、後述)において、妊婦が兎肉を食べることを禁忌とする考え方がある(倉林正次 『11日本の民俗 埼玉』 第一法規 1972年 p.158. 武藤典 『群馬のたべもの』 みやま文庫 1979年 p.125.群馬県の俗信では、「妊婦が食すとミツ口=兎口の赤子が生まれる」とされ、食べさせない)。
=== 迷信 ===
* {{仮リンク|ヴォルパーティンガー|en|Wolpertinger}} - 伝説の生物。角の生えたウサギ。
* [[玉兔]] - 中国神話。月に住むとされるウサギ
 
=== 慣用句、ことわざなど ===
==== 日本 ====
:; 脱兎(だっと)の勢い
: 極めて迅速なさま。
:; 兎に角(とにかく)・兎も角(ともかく)・兎角(とかく)<ref>http://gogen-allguide.com/to/tonikaku.html, 兎に角(とにかく)- 語源由来辞典, 2017年10月25日, Lookvise.Inc</ref>
: 仏教用語「兎角亀毛(とかくきもう)」(後述)に由来する当て字。夏目漱石が使用して一般に定着したとされる。
:; 兎死すれば狐これを悲しむ
: 明日は我が身。
:; 兎に祭文
: 何の効果もないこと。
:; 兎の糞
: 長続きしないことの形容。
:; 兎兵法
: 実用的でないこと。
:; 兎の股引
: 後が続かないこと。
:; 犬兎の争い
: 当事者が争っている間に第三者に横取りされる。
:; 兎の登り坂
: 前足に比べて後ろ足が長い兎は、坂を登るのが得意である事から、よい状況に恵まれ、力を発揮することを指す。
 
==== 中国 ====
:; 始めは処女の如く後は脱兎の如し
: 出典は『孫子』九地第11<ref>孫子兵法#九地第十一, 孫武</ref>「<cite>是故始如處女 敵人開戶 後如脫兔 敵不及</cite>」(始めは処女の如く敵人の戸を開かせ、脱兎の如く素早く攻撃せよ、敵は防御も間に合わない)という兵法。脱兎のごとく、とは素早くの意味。
:; 兎角亀毛(とかくきもう)
: 出典は『述異記』の「<cite>大亀生毛、而兎生角、是甲兵将興之兆</cite>(訳:大亀に毛が生えたり、兎に角が生えたりしたら、それは戦乱が起こる兆しである=意味:通常ならば、亀に毛が生えたり兎に角が生えたりすることはないので、戦争などというものは起こらない)」。『述異記』には、亀は千年生きると毛が生え、五千年で神亀、一万年で霊亀と呼ばれるようになるとも記されている。通常であれば亀は千年も生きないので、「兎角亀毛」は起こりうるはずのないことのたとえに使われる。とはいえ、仮にそのように毛の生えた亀がいるとすればそれは長寿・瑞兆の象徴ということであり、日本でも玄武神亀や鶴亀の瑞祥文様には毛の生えた亀の意匠が用いられる。もともとは仏教用語でもあり、現実にはないのにあると錯覚したり実体のないものを貴ぶことを戒める意として「人間は兎角亀毛のごときものである。」(『毘婆沙論(びばしゃろん)』)などのように用いられ、悟りに至る以前の迷いの現世を表す言葉となっている<ref>http://www.otani.ac.jp/yomu_page/b_yougo/nab3mq0000000qal.html, 兎角, 生活の中の仏教用語, 読むページ, 2017年10月25日, 大谷大学</ref>。
:; 兎起鶻落
: 出典は蘇軾の『文与可の画きし篔簹谷の偃竹の記』。勢いがあるさま。
:; 獅子搏兎
: 出典は陸象山の『象山先生全集』。容易なことにも全力で努力する。
:; 狡兎三窟
: 出典は『戦国策』11巻齊策4齊人有馮諼者<ref>戰國策/卷11, 劉向</ref>の「狡兔有三窟 僅得免其死耳」。狡賢い者は用心深く難を逃れるのが上手い。
:; 狡兎が死んで(猟)犬が烹られる
: '''用が済んだ有能な部下は殺される。'''
:*「狡兎死走狗烹」:司馬遷『史記』「越王句踐世家」
:*「狡兔死 良狗烹」:司馬遷『史記』92巻淮陰侯列伝韓信<ref>史記/卷092, 司馬遷</ref>
:*「狡兔盡則良犬烹」:『韓非子』内儲説下<ref>韓非子/內儲說下六微, 韓非</ref>
:
:; 守株(株を守る)
: 出典は『韓非子』49巻五蠹<ref>韓非子/五蠹, 韓非|wslanguage=zh</ref>「宋人有耕田者 田中有株 兔走觸株 折頸而死 因釋其耒而守株 冀復得兔 兔不可復得 而身為宋國笑」という「守株待兔(しゅしゅたいと)」説話。木の切り株にウサギがぶつかって死んだのを見た宋人が、ひたすらウサギが再び切り株にぶつかるのを寝て待ったことから、旧慣にこだわる愚かしさを意味する。北原白秋作詞、山田耕筰作曲の童謡「待ちぼうけ」はこの故事を元にしている。
 
==== イギリス ====
:; ウサギと逃げながら猟犬と狩りをする (run with the hare and hunt with hounds)
: 両方の味方をする。信念節操のない人。
:; 三月ウサギのように気が狂っている (Mad as a March hare)
: 落ち着きのない様子。イギリスにおいて春先のオスの野ウサギが狂ったようになる様から。
 
==== スペイン ====
:; 魚は口がもとで死ぬ、ウサギは歯がもとで捕らえられる。(Por la boca muere el pece, y la liebre tomanla a diente)
: 「口は禍いの元」の意。
:; 思いもしなかった所からウサギが跳びだす (De donde no se piensa, salta la liebre)
: 「灯台下暗し」の意。
 
==== ローマ ====
:; 二兎を追うものは一兎をも得ず(二匹の兎ともいう)
: 欲張って一度に2つのものを狙うとかえってどちらともの目的を果たせなくなってしまうこと。
 
==== 動植物の名前にみるウサギ ====
ウサギを連想するような、白くて丸い形をした動植物に、ウサギの名前が冠せられることがある。
たとえば、貝の中でも丸くて純白の貝を多く含むウミウサギ科にはウサギの名を用いた種が存在するぽ同科の基本種であるい貝はウミのほか、サギガイ科と名付けられており、ウサギを含が挙げられるんだ名がつけられている。ウミウサギ、マメウサギ、ウサギアシカワボタンガイなど。これらの貝殻はその外観の美しさから海のジュエリーとしてダイバーや貝殻愛好家からの人気も高い<ref>飯野, 2010</ref>。
 
月兎耳(つきとじ)(Kalanchoe tomentosa) という多肉植物の名は、白い毛で覆われた長楕円形の葉がウサギの耳を思わせることによる。<ref>山城智洋, カランコエ 月兎耳, https://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_p_cactus_detail&target_cactus_code=12, 2022-08-23, みんなの趣味の園芸, NHK出版</ref>
 
ウサギゴケという食虫植物の名は、その白い花が見事に耳をぴんとたてたウサギの形をしていることによる。ウサギギクの名は、長楕円形の葉がウサギの耳を思わせることによる。
 
また、兎馬(ウサギウマ)はロバを意味するが、これはロバの大きな耳がウサギを思わせることからきていると考えられる。
 
=== 民間伝承 ===
==== ノルウェー ====
* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=9 オズボーンの笛](オズボルンの笛) ATU570(穴ウサギ番)、「北欧民話 アスビヨルンセン 高木眞一訳 山一書房」 1-16p:ウサギ番の若者が王女と結婚する話。兎は豊穣のシンボルといえるかもしれない。いわゆる「[[動物番]]」の物語である。
 
== 名前から見た分類(私的考察) ==
おそらく、兎系の神の最初の呼称は「'''兎子(Tùzǐ)'''」から始まっていると考える。これを「'''TOT系'''」とし、「'''TOT'''」「'''TUT'''」等の子音を含む群とする。
=== TOT系 ===
; 男神
* [[テウタテス]] (TeutatesまたはToutatis) :ガリア神話。軍神。
 
=== TO系 ===
; 男神
* [[ゼウス]]:ギリシア神話。主神。
 
=== OST系あるいはOST+gn系 ===
最初の子音のTが略された呼称。後ろに「炎(ignis)」系の言葉が付加されているものを含む。
; 女神
* [[エオステレ]](Ēostre、プロト・ゲルマン語。*Austrō(n))):ゲルマン神話。豊穣神。春の神。暁の神など。
; 男神
* ヴァハグン(Vahagn):アルメニア神話。英雄。「龍殺し」である。
* [[ウルスラグナ]](Verethragna):イラン神話。英雄。「Verethr + agna」と分けられ、前半が「兎」、後半が「炎(ignis)」となると考える。神聖な火の名前とも考えられている。
 
=== OS+gn+T系 ===
最初の子音のTが略された呼称。後半のTの前に「炎(ignis)」系の言葉が付加されているもの。
; 女神
* [[ラールンダ]]:ローマ神話。ギリシア神話の[[エーコー]]に類似した女神。メルクリウスに陵辱された上に殺された。「死と出産」に関連する点はメソポタミア神話のニンリルのような人身御供的女神といえる。
=== OS系 ===
最初と最後の子音のTが略された呼称。最後の子音のTはS音に変化していることが多いように思う。
; 女神
* [[エーコー]]:ギリシア神話。山彦の神格化。パーンに殺された、とされる。
* [[ヴイーヴル]]:フランスの民間伝承の蛇女神。
** [[ヴィシャップ]]:アルメニア神話の悪龍。
; 男神
* [[エロース]]:ギリシア神話。始原神。弓矢によるトリック・スター。
* [[エスス]]:ガリア神話。軍神。
== ペット飼育 ==
北米では、ウサギ肉はフライ用(fryer)、ロースト用(roaster)、内臓(giblets)の3等級に分類されている。生後9週まで、体重4.5-5ポンドの肉はフライ用。体重5-8ポンド、月齢8ヵ月までの肉をロースト用と定めている。ロースト用はフライ用よりも肉が硬いとされている。肝臓や心臓なども食用にする。
 
ユダヤ教では、ウサギは「清くない動物」、すなわち非カーシェール(כָּשֵׁר, Kāšēr)とされ、食べてはならない動物に定められている。日本でも一部の地域(埼玉県・群馬県など、後述)において、妊婦が兎肉を食べることを禁忌とする考え方がある(倉林正次 『11日本の民俗 埼玉』 第一法規 1972年 p.158. 武藤典 『群馬のたべもの』 みやま文庫 1979年 p.125.群馬県の俗信では、「妊婦が食すとミツ口=兎口の赤子が生まれる」とされ、食べさせない)。
=== 毛皮 ===
『羽』は哺乳類ではなく鳥類を数えるときの助数詞であり、『頭』は人間よりも大きな動物、『匹』は人間よりも小さな動物に使うという傾向からすれば、うさぎは『匹』と数えるのが自然であり、『NHK放送のことばハンドブック』では、(文学や食肉として扱う場合を除き)生きたウサギは「匹」を用いるのがふさわしいとしている。愛玩用のウサギは日常的には「匹」または「羽」であるが、商取引では「頭」が使われる場合もある。なお、自然科学の分野では、動物全般について、動物の大きさで区別せず画一的に頭を使用するのが原則であり(鳥類や小さな昆虫でも、一頭二頭と数える)、NHKのニュースにおいても生物学的な話題として報道する場合には、「奄美大島に生息するクロウサギは~現在ではわずか600頭が確認されているに過ぎない」のように表現する場合がある。
==参考文献 == 慣用句、ことわざなど ========= 日本 =====:; 脱兎(だっと)の勢い: 極めて迅速なさま。:; 兎に角(とにかく)・兎も角(ともかく)・兎角(とかく)<ref>http* Wikipedia:[https://gogen-allguideja.wikipedia.comorg/towiki/tonikaku.html%E3%82%A6%E3%82%B5%E3%82%AE ウサギ](最終閲覧日:22-12-16)** 飯野剛, 高田良二 監修, 兎に角(とにかく)2010- 語源由来辞典02, ウミウサギ 生きている海のジュエリー 日本と世界のウミウサギ165種+生体写真53種, ネイチャーウォッチングガイドブック, 2017年10月25日誠文堂新光社, Lookvise.Inc</ref>isbn: 仏教用語「兎角亀毛(とかくきもう)」(後述)に由来する当て字。夏目漱石が使用して一般に定着したとされる。978-4-416-81016-3** 大野瑞絵, 大野瑞絵, ザ・ウサギ 最新の品種・飼育・エサ・繁殖・医学がすべてわかる, ペット・ガイド・シリーズ, 誠文堂新光社, 2004-08-20, isbn:; 兎死すれば狐これを悲しむ978-4-416-70451-6** 辻調グループ辻静雄料理教育研究所 編著, 2012-04, フランス料理ハンドブック, 柴田書店, isbn: 明日は我が身。978-4-388-35340-8:; 兎に祭文** 福井栄一『かわいいだけがウサギじゃない』2010年、技報堂出版、43-61頁、ISBN 978-4765542432** 町田修 監修, 町田修, うさぎ 長く、楽しく暮らすための本, 池田書店, もっとわかる 動物のことシリーズ, 2009-11-24, isbn: 何の効果もないこと。978-4-262-13126-9** East George, 2007-11-01, French Lessons, La Puce Publications, Mill of the Flea, isbn:; 兎の糞: 長続きしないことの形容。:; 兎兵法: 実用的でないこと。:; 兎の股引: 後が続かないこと。:; 犬兎の争い: 当事者が争っている間に第三者に横取りされる。:; 兎の登り坂: 前足に比べて後ろ足が長い兎は、坂を登るのが得意である事から、よい状況に恵まれ、力を発揮することを指す。978-0-9523635-8-3
===== 中国 =====:; 始めは処女の如く後は脱兎の如し: 出典は『孫子』九地第11<ref>孫子兵法#九地第十一, 孫武</ref>「<cite>是故始如處女 敵人開戶 後如脫兔 敵不及</cite>」(始めは処女の如く敵人の戸を開かせ、脱兎の如く素早く攻撃せよ、敵は防御も間に合わない)という兵法。脱兎のごとく、とは素早くの意味。:; 兎角亀毛(とかくきもう): 出典は『述異記』の「<cite>大亀生毛、而兎生角、是甲兵将興之兆</cite>(訳:大亀に毛が生えたり、兎に角が生えたりしたら、それは戦乱が起こる兆しである=意味:通常ならば、亀に毛が生えたり兎に角が生えたりすることはないので、戦争などというものは起こらない)」。『述異記』には、亀は千年生きると毛が生え、五千年で神亀、一万年で霊亀と呼ばれるようになるとも記されている。通常であれば亀は千年も生きないので、「兎角亀毛」は起こりうるはずのないことのたとえに使われる。とはいえ、仮にそのように毛の生えた亀がいるとすればそれは長寿・瑞兆の象徴ということであり、日本でも玄武神亀や鶴亀の瑞祥文様には毛の生えた亀の意匠が用いられる。もともとは仏教用語でもあり、現実にはないのにあると錯覚したり実体のないものを貴ぶことを戒める意として「人間は兎角亀毛のごときものである。」(『毘婆沙論(びばしゃろん)』)などのように用いられ、悟りに至る以前の迷いの現世を表す言葉となっている<ref>http://www.otani.ac.jp/yomu_page/b_yougo/nab3mq0000000qal.html, 兎角, 生活の中の仏教用語, 読むページ, 2017年10月25日, 大谷大学</ref>。:; 兎起鶻落: 出典は蘇軾の『文与可の画きし篔簹谷の偃竹の記』。勢いがあるさま。:; 獅子搏兎: 出典は陸象山の『象山先生全集』。容易なことにも全力で努力する。:; 狡兎三窟: 出典は『[[戦国策]]』11巻齊策4齊人有馮諼者<ref>{{cite wikisource|title=戰國策/卷11|author=劉向|wslanguage=zh}}</ref>の「{{Lang|zh-tw|狡兔有三窟 僅得免其死耳}}」。狡賢い者は用心深く難を逃れるのが上手い。:; 狡兎が死んで(猟)犬が烹られる:用が済んだ有能な部下は殺される。:*「{{Lang|zh-tw|狡兎死走狗烹}}」:[[司馬遷]]『[[史記]]』「越王句踐世家」:*「{{Lang|zh-tw|狡兔死 良狗烹}}」:司馬遷『史記』92巻淮陰侯列伝[[韓信]]<ref>{{cite wikisource|title=史記/卷092|author=司馬遷|wslanguage=zh}}</ref>:*「{{Lang|zh-tw|狡兔盡則良犬烹}}」:『[[韓非子]]』内儲説下<ref>{{cite wikisource|title=韓非子/內儲說下六微|author=韓非|wslanguage=zh}}</ref>::; 守株(株を守る): 出典は『韓非子』49巻五蠹<ref>{{cite wikisource|title=韓非子/五蠹|author=韓非|wslanguage=zh}}</ref>「{{Lang|zh-tw|宋人有耕田者 田中有株 兔走觸株 折頸而死 因釋其耒而守株 冀復得兔 兔不可復得 而身為宋國笑}}」という「守株待兔(しゅしゅたいと)」説話。木の切り株にウサギがぶつかって死んだのを見た宋人が、ひたすらウサギが再び切り株にぶつかるのを寝て待ったことから、旧慣にこだわる愚かしさを意味する。[[北原白秋]]作詞、[[山田耕筰]]作曲の[[童謡]]「[[待ちぼうけ]]」はこの故事を元にしている。 ===== イギリス =====:; ウサギと逃げながら猟犬と狩りをする ({{Lang|en|run with the hare and hunt with hounds}}): 両方の味方をする。信念節操のない人。:; 三月ウサギのように気が狂っている ({{Lang|en|Mad as a March hare}}): 落ち着きのない様子。イギリスにおいて春先のオスの野ウサギが狂ったようになる様から。 ===== スペイン =====:; 魚は口がもとで死ぬ、ウサギは歯がもとで捕らえられる。({{Lang|es|Por la boca muere el pece, y la liebre tomanla a diente}}): 「口は禍いの元」の意。:; 思いもしなかった所からウサギが跳びだす ({{Lang|es|De donde no se piensa, salta la liebre}}): 「灯台下暗し」の意。 ===== ローマ =====:; 二兎を追うものは一兎をも得ず(二匹の兎ともいう): 欲張って一度に2つのものを狙うとかえってどちらともの目的を果たせなくなってしまうこと。 ==== 動植物の名前にみるウサギ ====ウサギを連想するような、白くて丸い形をした動植物に、ウサギの名前が冠せられることがある。<gallery>File:Ovulidae.JPG|[[ウミウサギガイ]] {{snamei|Ovula ovum}}(手前)と[[ツマベニヒガイ]] {{snamei||Volva volva}}(奥)File:Ovula ovum.jpg|ウミウサギガイの生体。黒い部分は外套膜。</gallery>たとえば、貝の中でも丸くて純白の貝を多く含むウミウサギ科にはウサギの名を用いた種が存在するぽ同科の基本種であるい貝は[[タカラガイ|ウミのほか、サギガイ科]]と名付けられており、ウサギを含[[タカラガイ|が挙げられる]]んだ名がつけられている。[[ウミウサギ]]、マメウサギ、ウサギアシカワボタンガイなど。これらの貝殻はその外観の美しさから海のジュエリーとしてダイバーや貝殻愛好家からの人気も高い<ref>{{Harvnb|飯野|2010}}</ref>。 月兎耳(つきとじ)({{Snamei|en|Kalanchoe tomentosa}}) という多肉植物の名は、白い毛で覆われた長楕円形の葉がウサギの耳を思わせることによる。<ref>{{cite web|author=山城智洋| date=|title= カランコエ 月兎耳|url=https://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_p_cactus_detail&target_cactus_code=12|access-date=2022-08-23|website=みんなの趣味の園芸|publisher=NHK出版}}</ref> [[ウサギゴケ]]という食虫植物の名は、その白い花が見事に耳をぴんとたてたウサギの形をしていることによる。[[ウサギギク]]の名は、長楕円形の葉がウサギの耳を思わせることによる。 また、兎馬(ウサギウマ)はロバを意味するが、これはロバの大きな耳がウサギを思わせることからきていると考えられる。 == 符号位置 =={| class="wikitable" style="text-align:center"!記号!![[Unicode]]!![[JIS X 0213]]!![[文字参照]]!!名称{{CharCode|128048|1F430|-|RABBIT FACE|font=Unicode}}{{CharCode|128007|1F407|-|RABBIT|font=Unicode}}|} == 参考文献 関連項目 ==* {{Cite book|和書|editor=飯野剛|others=高田良二 監修|date=2010-02|title=ウミウサギ 生きている海のジュエリー 日本と世界のウミウサギ165種+生体写真53種|series=ネイチャーウォッチングガイドブック|publisher=[[誠文堂新光社紅山文化]]|isbn=978-4-416-81016-3|ref={{Harvid|飯野|2010}}}}* {{Cite book | 和書 | author= 大野瑞絵|authorlink=大野瑞絵 | title = ザ・ウサギ 最新の品種・飼育・エサ・繁殖・医学がすべてわかる | series = ペット・ガイド・シリーズ | publisher = 誠文堂新光社 | date = 2004-08-20 | isbn = 978-4-416-70451-6 | ref = {{Harvid|大野|2004}}}}* {{Cite book|和書|author=辻調グループ辻静雄料理教育研究所 編著|date=2012-04|title=フランス料理ハンドブック|publisher=柴田書店|isbn=978-4-388-35340-8|ref={{Harvid|辻調グループ辻静雄料理教育研究所|2012}}}}* [[福井栄一]]『かわいいだけがウサギじゃない』2010年、技報堂出版、43-61頁、ISBN 978-4765542432* {{Cite book | 和書 | editor=町田修 監修|editor-link=町田修 | title = うさぎ 長く、楽しく暮らすための本 | publisher = [[池田書店フェラリア]] | series = もっとわかる 動物のことシリーズ | date = 2009-11-24 | isbn = 978-4-262-13126-9 | ref = {{Harvid|町田|2009}}}}* {{Citation|last=East|first=George|date=2007-11-01|title=French Lessons|publisher=La Puce Publications|series=Mill of the Flea|isbn=978-0-9523635-8-3}}
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