* 瀧川神社(静岡県富士市原田):主祭神:木花之佐久夜毘賣命、配祀:深淵之水夜禮花命。由緒:創建年月不詳。六所浅聞神社の新宮にして浅間神社と称し、後地名に依りて瀧川神社と改称せしという。同郡伝法村六所浅間神社の摂社と称した。依て本社領朱印高の内配当を受けた。叉神階帳には正三位十八所浅間御子明神の内なる所なるべしと言ふ。明治8年2月郷社に列し、同40年4月12日神饌幣帛料供進社に指定された。(静岡懸神社志原文)<ref>[https://humizuki.com/omaturi_zanmai/sight/jinja/fuji/takigawa.htm 郷社 瀧川神社]、お祭り三昧(最終閲覧日:25-02-18)</ref><br>富士山大噴火の際、「浅間大神」を祀り山霊を鎮めたのが始まりとされている。境内内はかぐや姫生誕の地と伝わる。周辺には「かぐや姫伝説」がみられる<ref>[https://ameblo.jp/chi-tan-1000/entry-12855735426.html 静岡県富士市瀧川神社の御朱印と竹採公園]、風薫る御朱印巡り2、そらいろ(最終閲覧日:25-02-18)</ref>。
* 富知六所浅間神社(静岡県富士市浅間本町):主祭神:大山祇命。相殿神:木花之佐久夜毘売命、深淵之水夜礼花神(当社では大山祇命の子孫とされるようである。)、阿波乃咩神、大山咋神、高龗神(「龗」は、雨の下に龍)。伝承では孝昭天皇2年6月10日、富士山山腹に創建と伝えられる。その後噴火のため延暦4年(785年)に現在の地に遷座したとされる。崇神天皇により四道将軍として派遣された建沼河別命は当社を厚く崇敬し、勅幣を奉った<ref>Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%8C%E7%9F%A5%E5%85%AD%E6%89%80%E6%B5%85%E9%96%93%E7%A5%9E%E7%A4%BE 富知六所浅間神社](最終閲覧日:25-02-19)</ref>。
== 私的考察 ==
=== 水神として ===
この女神に関する系譜には「水」を示す神が多く、「淵」という言葉がつく名前からも「水神女神」であることが示唆される。いわゆる「出雲」の神々の系譜に名が見える女神だが、出雲(島根県)にはこの女神を祀る神社はないようである。高知県香南市には物部川など、物部氏に由来すると思われる地名があることから、むしろ物部氏ゆかりの女神と考える。また、阿波忌部氏には「[[天石門別八倉比売神社|八倉比売]]」という「太陽女神([[天照大御神]])が死んで水神女神に変化した」という伝承を持つ女神がいる。この神話は[[ミャオ族|苗族]]を起点とした「太陽女神信仰の神話」としてはむしろグローバルに普遍的な神話だ、と管理人は考えるのだが、日本の記紀神話的から見ればやや奇異に感じられるかもしれない。しかし「'''物部氏系の氏族の神話'''」として見た場合には、海部氏の神話に[[天道日女命]]がその子の天香山命と共に丹後の開拓に関わったり、地上で余生を送った、という伝承があり、古くから太陽女神がその子神と共に地上に降臨し、開拓などを行った、という伝承があったものと思われる。
ただ、台湾の[[バルン]]神話や朝鮮の[[龍女]]のように、若い女性が入水して池の主になる、という伝承も同時に存在したと思われる。おそらく、開拓神話と入水神話の中庸的に、太陽女神であった始祖女神が入水などで死んで水神になった、という神話も元はもっと明確にあったのだろう。古代エジプトでは太陽女神であった獅子女神が失踪し、戻ってきて水神(河馬)の女神になり、それがラーや人々の守護神になる、という太陽女神から守護的な水神までの連続した神話と、合成獣神の概念がある。これが何かの都合で作り替えられて、開拓女神である岩見の[[乙子狭姫]]になったり、もっと普遍的に物部氏系氏族の水神女神、例えば石上神宮の布留御魂大神、広瀬大社の[[廣瀬大社|若宇加能売命]]、紀伊の[[丹生都比売神]]などに変化し、物部氏や物部氏から派生した忌部氏の移動と共に各地に拡がったものと見られる。おそらく出雲の[[秋鹿神社|秋鹿女神]]も同様の水神女神と思われる。
=== 豊穣の女神として ===
深淵之水夜礼花神には、水神に加えて[[豊受大神]]のような「豊穣の女神」としての性質もあると考える。広瀬大社では、松苗という松の葉を使った神物が「田の守り神(厄払いの神)」の具現のようにされているが、一御田神社では若い女性が稲の苗に変えて、祭祀で松葉を植えており、常緑樹の松葉が若い女神の豊穣性と関連性があるとされていることが分かる。物部氏系の思想がそのようなものなのだろう。常緑樹の「松」の化身ともいえる女神は、豊穣をもたらす女神であり、水神であるのだろう。女神の名前は少しずつ、あるいは大きく変化して各地に存在しているが、名前よりも性質に注目して、どのような氏族の女神なのかを考えるべきと考える。
=== 富士信仰の女神として ===
== 参考文献 ==
* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B7%B1%E6%B7%B5%E4%B9%8B%E6%B0%B4%E5%A4%9C%E7%A4%BC%E8%8A%B1%E7%A5%9E 深淵之水夜礼花神](最終閲覧日:25-02-24)
== 関連項目 ==
[[Category:三重県]]
[[Category:兵庫県]]
[[Category:水神|*]]
[[Category:物部氏]]
[[Category:忌部氏]]
[[Category:日本神話]]