差分

多伎郷。[[郡家]]の南西二十[[里]]にある。所造天下大神の[[御子神|御子]]である阿陀加夜努志多伎吉比売命が、ここにいらっしゃる。よって、この地を多吉と言うようになった。[[神亀]]三年に字を多伎とした。{{Sfn|多伎郷。郡家の南西二十里にある。所造天下大神の御子である阿陀加夜努志多伎吉比売命が、ここにいらっしゃる。よって、この地を多吉と言うようになった。神亀三年に字を多伎とした。<ref>中村|, 2015|pp=137, p137, 194-196, 277}}</ref>

『出雲国風土記』[[意宇郡]]に不在[[神祇官]]社として阿太加夜社が記載されており{{Sfn|『出雲国風土記』意宇郡に不在神祇官社として阿太加夜社が記載されており<ref>中村|, 2015|pp=137, p137, 194-196, 277}}</ref>、前掲の神門郡の記述と関連付けて考察されている。神名は意宇郡にある出雲郷の守護神だった後、多伎に来て鎮座された神の意であるとされ{{Sfn|<ref>島根県古代文化センター|, 2014|p=169}}{{Sfn|, p169</ref><ref>加藤|, 1962|pp=359, p359-360}}、阿陀加夜の努志（[</ref>、阿陀加夜の努志（主）・多伎吉の比売（[主]]）・多伎吉の比売（[[姫]]）と区分できることから、主を称する阿陀加夜の方が本拠地であると考えられている{{Sfn|姫）と区分できることから、主を称する'''阿陀加夜'''の方が本拠地であると考えられている<ref>関|, 1999|pp=29, p29-31, 73-74}}。カヤの語から『[[延喜式]]』巻八に収録されている[[祝詞]]「[[出雲国造神賀詞]]」に見える[[カヤナルミ]]（賀夜奈流美命）と同一神とする説があり{{Sfn|</ref>。カヤの語から『延喜式』巻八に収録されている祝詞「出雲国造神賀詞」に見えるカヤナルミ（賀夜奈流美命）と同一神とする説があり<ref>鈴木|, 1940|pp=557, p557-558}}</ref>{{Sfn|敷田|1895|loc=13丁}}{{Sfn|次田|2008|p=534}}、さらに阿陀加夜努志を[[神屋楯比売|カムヤタテヒメ]]（神屋楯比売）の名から取った大高屋主の意、多伎吉比売を[[高比売命|高比売]]と同義と見て、[[シタテルヒメ]]とも同一神であるとする説も提示されている{{Sfn|鈴木|1940|pp=557-558}}{{Sfn|次田|2008|p=534}}。