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明治初期に書かれた守矢氏の家系図『神長守矢氏系譜』<ref name="Moriyakeifu">諏訪教育会 編「[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1185913/24 神長守矢氏系譜]」『諏訪史料叢書 巻28』1938年、31-72頁。</ref><ref>宮坂光昭 「古墳の変遷から見た古氏族の動向」『古諏訪の祭祀と氏族』 古部族研究会 編、人間社、2017年、77頁。</ref>では、[[建御名方神]]が記紀神話どおりに出雲から逃亡した神という風に描かれている。
<blockquote>{{読み仮名|御名方刀美命|みなかたとみのみこと}}、出雲を逃がれ出で州羽の海に到るの時、洩矢神有り、海畔に居して御名方刀美命(みなかたとみのみこと)、出雲を逃がれ出で州羽の海に到るの時、洩矢神有り、海畔に居して<small>(橋原村に社有り)</small>之を{{読み仮名|拒|ふせ}}ぐ。藤鑰と鉄鑰とを以て互ひに相争ふ事有りと雖も、遂に御名方富命の{{読み仮名|御稜威|みいづ}}に服す。誓ひて曰く、「地を奉りて永く命の祭政を主(つかさど)らん」と。御名方刀美命、歌ひて曰く、之を拒(ふせ)ぐ。藤鑰と鉄鑰とを以て互ひに相争ふ事有りと雖も、遂に御名方富命の御稜威(みいづ)に服す。誓ひて曰く、「地を奉りて永く命の祭政を主(つかさど)らん」と。御名方刀美命、歌ひて曰く、<br />
:鹿児弓乃 真弓乎持弖 宮満茂里 矢竹心爾 仕布麻都連与
:(かごゆみの まゆみをもちて みやまもり やたけごころに つかふまつれよ)<br />
と。彼の藤を挿し、後に繁茂して「藤洲羽森」と曰ふ。<small>(原漢文)</small><ref name="Moriyakeifu" /><ref>訓読は、山田肇『諏訪大明神』信濃郷土文化普及会 <信濃郷土叢書 第1編>、1929年、82-85頁に引用されている『諏訪神社旧記』に基づく。</ref></blockquote>
現在は、建御名方神と洩矢神の争いの伝承が記紀の国譲り神話と繋ぎ合わせられることが多い<ref name="yamadamoriya">{{Cite book|和書|author=山田肇|year=, 1929|title=, 諏訪大明神|publisher=, 信濃郷土文化普及会|pages=74, p74-88|series=, 信濃郷土叢書 第1編|chapter=, 健御名方命に降服した諏訪の國つ神 洩矢神及び武居大伴主惠美志命}}</ref><ref name="imai1">{{Cite book|和書|author=今井野菊|year=, 1960|title=, 諏訪ものがたり|publisher=, 甲陽書房|pages=3, p3-15|chapter=, 洩矢神と建御名方命}}</ref><ref name="imai2">{{Cite book|和書|author=今井野菊|year=, 1976|title=, 神々の里 古代諏訪物語|publisher=, 国書刊行会|pages=41, p41-43|chapter=, 洩矢神と命の力くらべ}}</ref><ref>{{Cite book|和書|author=村澤武夫|year=, 2008|title=, 信濃伝説集|publisher=[[, 一草舎]]|pages=230, p230-231|series=, 信州の名著復刊シリーズ|chapter=, 洩矢(もんや)の神話}}</ref><ref name="nhkonbashira">{{Cite episode|title=NHKスペシャル 古代史ミステリー “御柱”~最後の“縄文王国”の謎~|serieslink=, NHKスペシャル|network=, NHK総合|airdate=, 2016|url=, https://www2.nhk.or.jp/archives/movies/?id=D0009050501_00000}}</ref>。
[[ファイル:洩矢神社(岡谷市)- Moriya Shrine (Okaya).jpg|サムネイル|{{Center|洩矢神社(岡谷市)}}]]
====神戦の舞台====
『信重解状』では、諏訪明神は天から[[守屋山|守屋山麓]]に降りたと書かれている。『画詞』のほうでは明神の守屋山への降臨が語られていないが、入諏伝自体が上述のとおり上社本宮の近辺にある藤島社(「藤島の明神」)の由来譚として述べられている。一方、江戸期の伝承記録における異伝では洩矢神と藤島明神(諏訪明神)が天竜川のほとりで争ったとされている<ref name="Yamamoto" />。

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