人間に好意的なもの、妻や夫として振る舞うもの、人に悪戯したり騙したり、命を奪おうとするもの、障害として立ちはだかるもの、運命を告げるものなど、様々な伝承がある。コティングリー妖精事件の後は、絵画や文学の作品中で羽をもつ非常に小さな人型の姿で登場することが多い。世界中の様々な神話や伝承に共通する面が見られるのと同様に、同様の妖精が類型として様々な名前や姿形で異なる地方、民族の伝承にあらわれる<ref name="Imura-book-98"/>。
英語のフェアリー(fairy)の語源は古代ローマに遡る。古代ギリシアの教養がローマに浸透しローマ神話が創成された時代に、人の出生に立ち会い運命を定めるモイラの三女神に対応するパルカの三女神が創造された。パルカは詩人などの知識人には受容されたが、民間には運命の定めを表すファートゥム(Fatum)の概念だけが受容された。運命の定めは民間で擬人化され、アウグストゥスの時代に改めてファータ(Fata)の三女神として再創造され、ルーマニアを除いた各地のロマンス族にファータ信仰が広がり、土着の宗教観念や妖怪伝承と混交した<efref>ブレードニヒ , 1989, 272-276p</ref>。
妖精の起源には様々なものが考えられ、被征服民族の民族的記憶、異教の神や土着の神が神格を剥奪されたもの、社会的に差別・追放された人々を説明するための表現、躾のための脅しや芸術作品の中の創作、などが挙げられる。小さい姿に描かれたり、遠い場所に行ってしまうといった話は、意識の中で小さくなってしまった存在であるということを表している。神格剥奪のプロセスにおいては、ユダヤ〜キリスト教における天使、堕天使(いわゆる悪魔)、イスラム教におけるジンの由来と同様のものもあろう。
== 妖精が登場する民間伝承 ==
* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=213 フェアリーの宴会]:イングランド
=== 泥棒系 怪物退治型 ===* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=229 「フェアリーの子牛の丘」の伝説]:アイルランド === 傷の手当型 ===* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=240 けがをしたアザラシ]:スコットランド === キリスト教との関わり ===* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=234 フェアリーの問い]:スコットランド === 瘤取り型 ===* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=230 ノック・グラフトンの伝説]:アイルランド === ダンスと浦島型 ===[[トロール]]にも同様の性質がある。* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=236 フェアリーの住居にはいった若者]:スコットランド === 泥棒型 ===* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=218 フェアリーのどろぼう]:ハンプシャー* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=237 盗まれた牡牛]:スコットランド === 訪問譚 ===* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=244 エリドルスの物語]:ウェールズ* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=245 ティルウィス・テーグの物語]:ウェールズ === 魔法のアイテム型 ===フェアリーが魔法のアイテムを授けてくれる点は[[ドワーフ]]との共通点である。* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=232 「びんの丘」の伝説]:アイルランド == 私的考察 ==「家庭の守護者」としての「妖精」は、ローマ神話のラレースとも関連するのではないだろうか。
== 関連項目 ==
* [[トロール]]
* [[ピクシー]]
* [[ノックグラフトンの伝説]]
* [[椀貸伝説]]
{{デフォルトソート:ようせい}}
* [[Category:妖精|*]]
* [[Category:ゲルマン神話]]
* [[Category:イングランド]][[Category:妖精|*ケルト神話]]
* [[Category:精霊]]