キジやコウライキジは世界中で主要な狩猟鳥とされ、キジ肉は食用でもある<ref>https://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/pdf/kiji_sitimen_horohoro.pdf, きじ、七面鳥、ほろほろ鳥を守るために, 中央畜産会, 2009-10 , 2012-04-03</ref>。
== 神話・伝承(私的考察) 神話・伝承 ==* '''[[鳴女]]''':日本神話。'''天照大御神型'''。天孫降臨の際、地上から戻ってこない[[天若日子]]に対し、[[天照大御神]]と[[高御産巣日神]](タカミムスビ)は雉の鳴女(ナキメ)を遣して戻ってこない理由を尋ねさせたが、[[天若日子]]は[[天佐具売]](アメノサグメ)の勧めにより、[[高皇産霊神]]から与えられた弓矢(天羽々矢と天之麻迦古弓)で鳴女を射殺してしまった。天に到達したその矢を[[高御産巣日神]]が地上に投げると[[天若日子]]に当たり、[[天若日子]]は死んだ。** '''雉大明神''':日本神話。'''天照大御神型'''。富山県南砺市(旧福光町)高宮にある比賣神社、祭神は[[下光比売命|下照姫比賣]]。「延喜式内砺波七座の内、比賣神社と伝わる。嘉禄二年(一二二六)僧空潮実記の縁起に よれば七堂伽藍の大社として 雉真大明神及び法性寺と号した。」とのこと。雉大明神の由来として、「三代実録(九〇一)に貞観十八年(八七六)越中の国より白雉を献上とあり雉真大明神の社号はこの故事か、あるいは古事記 (七一二)天若彦の故事より名付けられたとも言われ、雉子は[[下光比売命|下照姫比賣]]の使者とされている。」とのことである<ref>境内内由緒書きより。</ref>。
* '''雉''':日本。[[相柳]]型。桃太郞が持っていたきび団子と引き換えに、桃太郞が鬼退治に行く供をした。
* '''[[キジも鳴かずば|雉も鳴かずば]]''':日本。'''天照大御神型'''。昔、久米路橋をかける際に、罪人を人柱に建てることになった。娘の歌から窃盗が発覚した男が人柱にされたが、娘はショックで口がきけなくなってしまった。月日が過ぎ、ある狩人が雉を撃つと、どこからともなく成長した娘が現れて「雉も鳴かずば撃たれまい」と言って、雉の死骸とともにどこかへ消えてしまった。。昔、信濃国水内郡の久米路橋をかける際に、罪人を人柱に建てることになった。娘の歌から窃盗が発覚した男が人柱にされたが、娘はショックで口がきけなくなってしまった。月日が過ぎ、ある狩人が雉を撃つと、どこからともなく成長した娘が現れて「雉も鳴かずば撃たれまい」と言って、雉の死骸とともにどこかへ消えてしまった。
== 私的解説・雉と山鳥 ==
日本の雉に関する神話・伝承を見ると、雉は「'''女神の象徴'''」とされることが多いように思う。そして、特定の女神の「トーテム」として機能し、時に女神と一対になって行動する。また、中国神話の[[相柳]]のように「誰かの部下」となって行動することもある。それぞれの型の性質には交錯する部分があるように思う。
また、雉と[[ヤマドリ|山鳥]]は日本神話では「矢(羽)」と強く関連するように思う。女神的女性と矢が関連する神話・伝承も多い。は日本神話では「矢(羽)」と強く関連するように思う。女神的女性と矢が関連する神話・伝承も多い。雉と[[ヤマドリ|山鳥]]は伝承の上では「ほぼ同じもの」として扱われる傾向があるように思う。
雉の古名である'''木々須'''は杉の古名である'''進木'''とは逆の読み方でもある。進木は[[須佐之男命]]、[[五十猛神]]の象徴である。'''木々須'''を[[天照大御神]]とすれば、疫神でもある[[須佐之男命]]、[[五十猛神]]と'''逆の神'''であるとも受け取れ、興味深い。
=== 女神の化身(天照大御神型) ===
* 鳴女:この雉は[[天照大御神]]の遣いであり、雌なので、[[天照大御神]]から別れた「下位の女神」といえる。この物語の場合、雉と矢は関連するのだが、から別れた「下位の女神」といえる。富山県南砺市(旧福光町)高宮にある比賣神社では雉は[[天若日子下光比売命|下照姫比賣]]の弓矢はの使者といわれており、[[天照大御神下光比売命|下照姫比賣]]ではなく、の化身であることが示唆されている<ref>個人的には[[高御産巣日神金刺氏]]から与えられたもので、に関連の深い地域で、雉([[高御産巣日神ヤマドリ|山鳥]]の象徴といえる<ref group="私注">日本神話では「丹塗りの矢」のように男神が矢で表される物語も多い。</ref>。)と女神(主に[[高御産巣日神下光比売命]]は「木の神」であり、植物神であるので、'''彼から作り出された特別な弓矢'''が'''特別な武器(王権の象徴)'''とみなされたと考える。この場合<br /><br />)を連動させる伝承が多いように思う。南砺市には信州野尻から移住した河合氏の創設した石武雄神社がある。石武雄とは[[高御産巣日神金刺氏]]=植物神=弓矢<br /><br />である。の先祖である[[高御産巣日神武五百建命]]は天上世界に座す正規(和魂)ともいうべき植物神で、世界全体の秩序を守る性質の強い神といえる(地上を征服することが秩序なのか? という疑問はあるが、それは「地上が元々天照大御神のものである」という一応の秩序の理論で正当化されている。)のことではないだろうか。<br /ref> 鳴女を射た[[天若日子]]は天に弓を引いた[[ニムロド]]のようでもある。また中国神話の[[羿]]にも通じる性質である。[[天若日子]]が女神にそそのかされてこれを行ったことは、「エバにそそのかされて知恵の木の実を食べたアダム」から影響を受けた筋書きではないか、と管理人は疑う。その場合、秦氏、秦氏に近い賀茂氏系氏族に神話の起源が求め得るのではないだろうか。(→'''[[天若日子]]''')。
== 分布 ==
== 関連項目 ==
* [[天照大御神]]・[[下光比売命]]:雉を太陽女神と関連づける神話・伝承がある。** [[鳴女]]:記紀神話に登場する雉の女神。** [[金刺氏]]:雉や山鳥に関する伝承と関連があるか。* [[ヤマドリ|山鳥]]:伝承では雉と同一視される傾向にある。
== 参照 ==