=== 私的考察 ===
「邪視」とは、人を弱らせたり、病気を起こしたりするもので、一種の'''疫神的作用'''なのだが、神の仕業とはされず、良くも悪くも少しだけ神に近いような「なのだが、神の仕業とはされず、良くも悪くも少しだけ神に近いような少し特殊な状況などの「'''人間'''」が起こす作用のことと考える。無意識に行われることもあるし、意図的に「呪い」のように行われることもある。」が起こすとされた作用のことと考える。無意識に行われることもあるし、意図的に「呪い」のように行われることもある。
一方、「'''良き神の目'''」とされたものは、悪神、悪霊、邪視から「'''身を守ってくれるもの'''」と考えられているように思う。」と考えられているように思う。日本には直接的な「呪う邪視」や「守護の目」という概念は乏しいが、なにがしかの「良き霊的な作用がこもっている」と考えられる「お守り」「お札」「破魔矢」といったものは寺社で良く売られているし、人気である。内容は交通安全、健康長寿、受験合格など多岐に渡る。 では、例えば、「蘇民将来」の伝承のように、'''疫神が自ら地上に降りてきて'''、彼に不快な出来事が起きたらどうなるのだろう。彼は不快を与えた相手に病気や苦痛をもたらすかもしれない。それは神が起こす作用ではあるが、それも「邪視」の一種ではないだろうか。疫神が助けたいと思う相手にだけ、自らの毒気を防ぐ方法を教えたなら、それが「お守り」であり「お札」である。人を弱らせるのは疫神の性質なのだから、神であっても、防ぐ方法は教えられるが、自らの作用を抑制することはできないのかもしれない。「邪視」とはそういうものなのではないだろうか。 ということは「邪視よけ」とされる「目」や「男根」のお守りは、「良き神」あるいは「疫神」の一部であって、いずれかの神と持ち主が一体となる、という意味を持つアイテムなのではないだろうか。「良き神」と一体化すれば、その力で疫神を追い払うことができる。「疫神」と一体化すれば、疫神そのものは自らの能力から害を受けないのだから病気にならなくなる。 そして「お守り」というものには、ごくささやかだけれども、[[人身御供]]的な側面があるように思う。その能力を手に入れるためになにがしかの対価が必要とされるからである。
== 地域毎の邪視 ==
== 関連項目 ==
* [[バジ]]:邪視の神話の原点。台湾原住民の神話。
* [[アペプ]]:エジプト神話の神。戦う際に魔法の視線を使った、とされる。
* [[ハムサ]] - 中東を中心に使用される、邪視からの護符。
* [[サリエル]] - 大天使。邪視を持つため、堕天使と考えられる事がある。見ただけで相手を身動き出来なくさせたり、死に至らしめる。
* [[メドゥーサ]] - ギリシャ神話に登場する女神。あるいは悪魔。眼を合わせたものを石に変える魔眼を持つという。
** [[蛇神]]
* [[バジリスク]] - ヨーロッパの想像上の生き物であり、蛇の王。見たものは命を落とすと言われている。
* [[コカトリス]] - ヨーロッパの想像上の生き物でニワトリの身体と蛇の尾を持つ。上記のバジリスクと同一視されることがある。
* [[カトブレパス]] - 西エチオピアに住むとされた動物。眼を見た人間は即死するとされる。
* [[ファロス]]{{要曖昧さ回避|date=2016年3月}}
* [[天眼石]]・天眼[[天珠]]・[[虎目石]]
* [[眼状紋]]/[[蛇の目]]/[[猪目]]
* [[獣眼]]及び[[蛇眼]](スリット型瞳孔→[[瞳孔#動物の瞳孔]])・[[車輪眼]]([[重瞳]]ともいわれる[[多瞳孔症]]も含まれる)・[[四白眼]]・[[三白眼]] - [[人相学]]で[[凶相]]とされ[[犯罪]]傾向が強いとされる。
* [[心眼]]・[[浄眼]]([[仏教]])・[[慧眼]](炯眼・洞察眼)・[[清眼]](正眼・青眼・星眼・晴眼) - 邪視・魔眼の対義語で[[洞察]]や正しい[[八識|見識]]によって真実を見抜く(看破する)、または邪悪なものを取り除く眼のこと。それができる人物や事象を[[見鬼]](けんき:[[鬼]]≒この世ならざるものを見る事)とも呼ぶ。
* [[狐の窓]] - 「狐の穴」「[[狐格子]]」とも呼ばれる。この世ならざるものを看破する浄眼の法のひとつ。現在では[[おまじない]]とされている。
* [[金精神]]
* [[金剛杵]]
* [[飛鳥の石造物#主な石造物|マラ石]]
* [[ミシャグジ]] - [[諏訪市|諏訪]]を中心に中部地方全域、関東地方の一部、近畿地方の一部まで広がる縄文中期頃を起源とした古代信仰の一つで、石棒や樹木を神体とする。
* 漫画『[[ダンダダン]]』 - 邪視(EVIL EYE)が登場。憎悪の視線を受けると、自殺したくなる。
== 脚注 ==