都市[[エリドゥ]]においては、エンキを祀る寺院はエアブズ(E都市エリドゥにおいては、エンキを祀る寺院はエアブズ(E-abzu、アブズの寺院の意)と呼ばれており、沼地の端部に位置していた<ref>''Eridu in Sumerian Literature'', Margaret Whitney Green, pages 180-182, Ph.D. dissertation, University of Chicago, 1975.</ref>。
[[バビロニア]]や[[アッシリア]]の寺院においては、壁に囲まれた寺院の内部に置かれた[[聖水]]の[[水槽]]もまた「アプスー」と呼ばれていた。宗教的な洗浄行為への使用を目的としたものとして、[[イスラム教]]の[[モスク]]における、礼拝前の清浄(ウドゥー)のために中庭に設けられた泉や、[[キリスト教]]の[[教会]]における洗礼盤などの先駆とみなされる可能性がある。バビロニアやアッシリアの寺院においては、壁に囲まれた寺院の内部に置かれた聖水の水槽もまた「アプスー」と呼ばれていた。宗教的な洗浄行為への使用を目的としたものとして、イスラム教のモスクにおける、礼拝前の清浄(ウドゥー)のために中庭に設けられた泉や、キリスト教の教会における洗礼盤などの先駆とみなされる可能性がある。 アブズまたはアプス(シュメール語: 𒀊𒍪、abzu、アッカド語:Assyrian cuneiform U1200A MesZL 223.svgAssyrian cuneiform U1236A MesZL 15.svg、Akkadian)と呼ばれ、engur(楔形文字:𒇉, LAGAB×HAL;; Sumerian: engur; Akkadian: engurru-lit. ab=「水」 zu=「深い」、ギリシャ語ではἈπασών Apasṓ<ref>https://referenceworks.brillonline.com/entries/brill-s-new-pauly/apsu-e129820?lang=fr, Brill - Apsȗ, October 2006, Brill, doi:10.1163/1574-9347_bnp_e129820</ref>と表記)と呼ばれ、シュメールやアッカドの神話では宗教的に肥沃な地下帯水からの淡水の名前であった。湖や泉、川、井戸などの淡水は、このアプスーから水を引いていると考えられていました。シュメール神話やアッカド神話では、冥界(Kur)と地上(Ma)の空白空間の下にある原始の海として言及されている。 == シューメル文化 ==エリドゥの都市では、エンキの神殿は「E2-abzu(深い水の家)」と呼ばれ、沼地の端、アブズ(abzu)に位置していたそうである<ref>Green, Margaret Whitney (1975). ''Eridu in Sumerian Literature''. University of Chicago: Ph.D. dissertation. pp. 180–182.</ref>。バビロニアやアッシリアの神殿の中庭にある聖水のタンクも「アプスー」と呼ばれていた<ref>Jeremy Black and Anthony Green, 1992. ''Gods, Demons, and Symbols of Ancient Mesopotamia: an illustrated dictionary'', ''s.v.'' "abzu, apsû". ISBN:0-292-70794-0.</ref>。ユダヤ教のミクボ、イスラム教のモスクの洗い場、キリスト教の教会の洗礼盤に似た、宗教的な洗い場の代表的なものである。 == シュメールの宇宙論において ==シュメールの神エンキ(アッカド語ではエア)は、人類が誕生する以前からアプスーに住んでいたと信じられていた。妻のダムガルヌナ、母のナンムー、顧問のイシムード、そして門番のラームーなど、さまざまな従属的な神々もアプスーで生活していた<ref>Orlin Eric, 2015-11-19, Routledge Encyclopedia of Ancient Mediterranean Religions, https://books.google.com/books?id=dXH4CgAAQBAJ&dq=abzu+damgalnuna&pg=PA8 , Routledge, page8, isbn:978-1134625529</ref><ref>Horowitz Wayne, 1998, Mesopotamian Cosmic Geography, https://books.google.com/books?id=P8fl8BXpR0MC&dq=abzu+lahmu&pg=PA308, Eisenbrauns, page308 , isbn:0931464994</ref><ref>Putthoff Tyson, 2020, Gods and Humans in the Ancient Near East, https://books.google.com/books?id=9Cn-DwAAQBAJ&dq=abzu+isimud&pg=PA71, Cambridge University Press, page71 , isbn:978-1108490542</ref><ref>Eppihimer Melissa, 2019, Exemplars of Kingship: Art, Tradition, and the Legacy of the Akkadians, https://books.google.com/books?id=ZtGaDwAAQBAJ&dq=gatekeeper+lahmu&pg=PA188, Oxford University Press, page188, isbn:978-0190903015</ref><ref>N. Pope Charles, 2016, Living in Truth: Archaeology and the Patriarchs (Part I): Early Pharaohs, https://books.google.com/books?id=Aax2DAAAQBAJ&dq=isimud+advisor&pg=PA17, DomainOfMan.com, page17</ref>。