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420 バイト追加 、 2024年12月22日 (日) 19:56
<blockquote>1、昔、ある宿営地に美しい娘がいて、トナカイの群れを飼っていた。ある真っ暗な晩、トナカイの群れを追って歩いていると、ふいに一頭のトナカイが叫んだ。「早く隠れるんだ。月があなたを天に引っ張っていこうとしてる!」トナカイは娘を大きな雪の吹きだまりの中に隠した。月がやってきて娘の姿を探したが見つからなかった。<br>2、しばらくすると、トナカイは「また月がやってくる」と言って、今度は娘を火に変身させた。月は娘を捕まえようとしたが、熱くて捕まえられなかった。<br>3、娘はもとの姿に戻って月を捕まえて縛り上げた。月は泣いて「もう2度と地上に来ない。夜になったら人間のために道を照らすっから。」と言った。娘は月がかわいそうになったので放してやった(ガナサン、ロシア)<ref>世界の太陽と月と星の民話、日本民話の会・外国民話研究会編訳、三弥井書店、2013、p133-135</ref>。</blockquote>
これはガナサン人というロシア先住民の伝承なのだが、月とはどうやら地上に娘をさらいに'''降りてくる'''もののようだ。この部分は、どことなくギリシア神話のハーデースがプロセルピナをさらう場面を彷彿とされるが、娘がさらわれる場所は地下の底ではなく、月の世界なのだ。とても興味深いのだけれども、このトナカイ女神には三柱の女神の姿が含まれているように思う(もののようだ。この部分は、どことなくギリシア神話のハーデースがプロセルピナをさらう場面を彷彿とさせるが、娘がさらわれる場所は地下の底ではなく、月の世界なのだ。とても興味深いのだけれども、このトナカイ女神には三柱の女神の姿が含まれているように思う([[総論・女神]]を参照のこと)。
* 1、トナカイが隠して助けた娘([[燃やされた女神]])
* 2、火に変身した娘([[吊された女神]]・逃走女神)
* 3、自ら月を捕まえて、その邪悪さを鎮めた娘([[養母としての女神]])
である。西欧には広く、「'''月は狂気をもたらすもの'''」という考え方が存在していたし、」という考え方が存在していたし、シベリアから北東アジアにかけても'''月は何らかの邪気や陰気を含む存在'''だと考えられていたのではないだろうか。それを野放しにしておくと、人々に害をもたらすのだ。季節の節目などに、地上で厄払いに火を燃やすのは、それが月に限らなくても、何らかの邪気の力を弱めて追い払い、鎮めるために行う祭祀なのだろう。朝鮮の「タルチッテウギ」は、
'''月が自ら降りてくるのを待たずに、その前に降ろして燃やし、穢れを払い、天に戻す年の変わり目に月が降りてくるので、その穢れを払い、天に戻す'''
という祭祀なのではないだろうか。厄を払って、ついでに願いもかないますように、という意味ではないだろうか。という祭祀なのではないだろうか。厄を払って、ついでに願いもかないますように、という意味ではないだろうか。中国では「年がかわる時、魔物が出没する」との言い伝えがあり、この魔物を「夕」といった。「'''夕'''」の本来の意味は、日が沈み、月が昇るとき、である。すなわち、この魔物が「月」なのである。この魔物は人間の生肉の味、特に子供を好む、とのことである。若い娘の肉も好物であろう。
=== 日本の場合・間違いだらけ? ===

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