[[どんど焼き]]には、お正月に迎えた歳神様が'''どんど焼きの煙とともにお帰りになる'''のを、感謝をこめて見送る意味があると伝えられている<ref>[https://otakiagejinja.com/media/701 「どんど焼き」とはどんな行事?意味と由来、全国の有名などんど焼きを紹介 祐徳稲荷神社・お炊き上げコラム]、(最終閲覧日:24-11-20)</ref>。
ほとんどの暦では、最初の方のページに王妃のような姿の美しい姫神の歳徳神を記載している。歳徳神の由来には諸説あり、『簠簋内伝』では、ほとんどの暦では、最初の方のページに王妃のような姿の美しい姫神の歳徳神を記載している。(<s>歳徳神の由来には諸説あり、『簠簋内伝』では、[[牛頭天王]]の后・八将神の母の'''[[頗梨采女]]'''(はりさいじょ)であるとしているが、<ref>2024年10月, これはでたらめであるとの批判</ref>もある。また、牛頭天王が[[須佐之男命|須佐之男尊]]と習合したことから、その妃の[[クシナダヒメ|櫛稲田姫]]とも同一視される。</s>)
== 恵方 ==
かつては、初詣は自宅から見て恵方の方角の寺社に参る習慣があった(恵方詣り)<ref name="年中行事事典" />。また、節分の行事として恵方を向いて「太巻きの丸かぶり」を行う恵方巻の風習が関西を中心に行なわれていたが、コンビニエンスストア等の宣伝やキャンペーンで全国に認知されつつある。なお、宣伝やキャンペーンにあたっては24方位ではなく日常的な16方位による簡便な説明が行われることが多い。
== 私的解説 ==
[[左義長]]、いわゆる「どんど焼き」の主役となる女神である。「どんど焼き」そのものは[[イ族]]が年の初めに行う'''密枝(ミジ)'''という火祭りと意味的に似ている部分がある。なので、どのように解説するか悩んだが、「密枝(ミジ)」にも「どんど焼き」にも2重の意味があるように思う。
* 火によって、境界や共同体を清める。
* 爺婆を焼いて食べる。
という意味である。この2つは起源がやや異なるように思う。「火によって世界を清める」という概念は「穢れを清める」でもよいし、「疫神と戦う」という意味でも良いと考える。朝鮮神話の[[三神婆]]が一番良い例だと思うが、この女神は[[天然痘大王]]と対峙する医薬神の性質を持っている。彼女たちは、火をもって世界を清める太陽女神だったのだと考える。とすれば、歳徳神も古い時代の「'''火による清めの性質'''」を持つ太陽女神だったのだと思う。密枝(ミジ)にも境界や共同体を清める、という意味がある。
一方、密枝(ミジ)では酒を伴う宴、舞踏といった「清め」だけではない面があり、それは「どんど焼き」で爺婆を焼いたり、餅を焼いて食べることと共通している。「どんど焼き」で爺婆を焼くのも一種の「再現劇」といえ、これは「'''爺婆を焼いて食べた疫神'''」を慰撫するためのものといえる。
だから、'''太陽女神に「火による清め」をお願いしている'''のだけれども、その一方で'''疫神の機嫌をとって太陽女神を焼いてしまい、疫神を太陽神として持ち上げる'''、という矛盾したことをしている祭祀が、「'''どんど焼き'''」でもあり、「'''密枝(ミジ)'''」でもあるといえる。
なので、歳徳神は「'''敬われる清めの女神(太陽女神)'''」でもあり、「'''恵方巻きにして食べられてしまう女神'''」でもあるということになる。この2つを合わせて、
'''女神に清めの仕事をやらせた上で、疫神と一体となって女神を殺して食べると無病息災になる'''
という神話に基づくのが「'''どんど焼き'''」でもある、といえる。よくよく'''自分勝手で、自分だけが良ければ、誰でもこき使ったあと殺してしまえばいい'''というのが日本の「'''どんど焼き'''」、疫神を一応もてなすけれども、その後村の外に捨ててしまう密枝(ミジ)は、とても'''良心的'''だ、と考える管理人である。
== 参考文献 ==
== 関連項目 ==
* [[天甕津日女命]]:医薬神
* [[肥長比売]]:疫神と対立する女神
* [[三神婆]]
* [[左義長]]
* [[稚日女尊イ族]]
== 脚注 ==
[[Category:日本神話]]
[[Category:燃やされた女神]]
[[Category:医薬分身型女神]]