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==== 花喜山城光寺縁起・慈住寺縁起 ====
[[天照大御神|天照大神]]が八上行幸の際、行宮にふさわしい地を探したところ、一匹の白兎が現れた。白兎は[[天照大御神|天照大神]]の御装束を銜えて、霊石山頂付近の平地、現在の伊勢ヶ平まで案内し、そこで姿を消した。'''白兎は月読尊のご神体'''で、その後これを道祖白兎大明神と呼び、中山の尾続きの四ケ村の氏神として崇めたという<ref>中国神話では玉兎は嫦娥の供、あるいは嫦娥の化身とされており、[[啓思想]]1-2型の変換がみられる。月読命には兎のトーテムがあるようである。また、道祖神的な機能もあるようである。</ref>。
== ツクヨミの表記 ==
ツクヨミの神名については、複数の由来説が成り立つ。
まず、最も有力な説として、「月を読む」ことから暦と結びつける由来説があるまず、最も有力な説として、「'''月を読む'''」ことから暦と結びつける由来説がある<ref name="八百万の神々" />。上代特殊仮名遣では、「暦や月齢を数える」ことを意味する「読み」の訓字例「余美・餘美」がいずれもヨ乙類・ミ甲類で「月読」と一致していることから、ツクヨミの原義は、日月を数える「読み」から来たものと考えられる。例えば暦=コヨミは、「日を読む」すなわち「日数み(カヨミ)」である<ref>『神道の本 - 八百万の神々がつどう秘教的祭祀の世界』53頁。</ref>のに対して、ツキヨミもまた月を読むことにつながる。
「読む」は、『万葉集』にも「月日を読みて」「月読めば」など時間(日月)を数える意味で使われている例があり、また暦の歴史を見ると、月の満ち欠けや運行が暦の基準として用いられており、世界的に太陰暦が太陽暦に先行して発生した。「一月二月」という日の数え方にもその名残があるように、月と暦は非常に関係が深いつまり、ツクヨミは日月を数えることから、暦を司る神格であろうと解釈されている<ref name="八百万の神々" />。
==ツクヨミを祭神とする神社==
皇大神宮の別宮・月讀宮や<ref>http://www.isejingu.or.jp/about/naiku/tsukiyomi.html, 月読宮, 神宮司庁, 日本語, 2017年6月25日</ref>、豊受大神宮別宮・月夜見宮に祀られる<ref>http://www.isejingu.or.jp/about/geku/tsukiyomi.html, 月夜見宮, 神宮司庁, 日本語, 2017年6月25日</ref>。また、京都の[[月読神社 (京都市)|月読神社]]<ref group="注釈">松尾大社(京都府京都市西京区)摂社</ref>は壱岐市の月讀神社から勧請を受けたものである<ref>笠井倭人 「葛野坐月読神社」『式内社調査報告 第1巻』 式内社研究会編、皇學館大学出版部、1979年。</ref>。日本百名山や出羽三山で知られる月山]ガッサン。日本百名山や出羽三山で知られる月山(ガッサン,1984m,山形県)の名称は、山頂に鎮座する神社(月山神社,旧社格:官幣大社)の祭神である月読之命に因んだものとされる。
== 私的解説 = 月讀神社・鹿児島市 ===日本の民間伝承における月読命の性質は、中国神話の月の女神[[嫦娥]]の性質を移したものがあるようである。月読命は、中国神話で月にあるという「不死の桂の木」の神格化であり、これは[[羿]]が射落とした太陽が変化したもの、あるいは[[黄帝]]に倒された[[蚩尤]]が変化したもの、と考えられたのではないだろうか。[[蚩尤]]は牛の姿であったとされ、西欧の牛の神で、かつ「倒される神」であるミーノータウロスの父であるミーノース王は、名前からいってエジプト神話の月の神であるミン神と関連があると考える。本来は[[蚩尤]]にも「月の神」としての性質があったのではないだろうか。そうすると、月読命の起源は[[蚩尤]]といえ、ギリシア神話におけるミーノータウロスと同じものである、といえることになる。鹿児島市桜島横山町にある神社。祭神は月読命(ツキヨミノミコト)、邇邇芸命(ニニギノミコト)、彦火火出見命(ヒコホホデミノミコト)、鵜草葺不合命(ウガヤフキアエズノミコト)、豊玉彦命(トヨタマヒコノミコト)、木花咲耶姫命(コノハナサクヤヒメノミコト) 。
創建年代は不詳であるが、和銅年間とも伝えられる。安永八年九月岳上に三体の月が現れ、翌二十九日の夜明け頃から噴火がおこり、被害が甚大であったので、その後毎年日を決めて御祭神の嫌い事を住民が行わないように努め、神楽を奏して神慮を慰めていた、とのこと<ref>[https://www.kagojinjacho.or.jp/shrine-search/area-kagoshima/%E9%B9%BF%E5%85%90%E5%B3%B6%E5%B8%82/930/ 月讀神社]、鹿児島県神社庁(最終閲覧日:24-12-22)</ref>。
日本の現在の祭りでもそうだが、収穫を神に感謝する際には、収穫物の一部を神に捧げて、感謝の意を示すと共に、言外に今後の安寧も願うものであると思う。収穫物の一部を神に捧げて、今後の豊穣も願う、というのはわずかな収穫物を数倍にも倍増する新たな収穫に「== 私的解説 ==月の神は、単なる天体の神ではなく、暦や時間とも関連する。そのため[[年神]]とも関連するように思う。また桜島に関する月讀神社の例にあるように「'''化生させる火山の神'''」神事ともいえ、神に捧げるものを「人」とすれば『「」としての性質があるように思う。そこから発展して「火の神」「[[人身御供竈神]]」を捧げて収穫物他に化生させる』と変換し得る。現実には生きた人を生きたまま神に捧げても、あるいは殺して捧げても、他の植物や動物に化生することはないのだが、」「火から作りだす器の神」とも関連があるように思う。おそらく古代の人は流星を「月の欠片が流れている」と感じていたし、それが隕石となって地上に到達したときにもたらされる衝撃と、火山活動を関連づけて考えていたのだろう。火山の神が穏やかで鎮まり、暦による季節の変化にも問題がなければ、農作物の収穫の安定が得られる。山から'''降りてきて'''、山に戻っていく「田の神」信仰にも月神の存在が感じられる。
月神とは、どこかから「降りてくる」もので、祭祀も含め正しく扱えば人間の役に立ってくれるが、正しく扱わなければ災厄を起こすものであり、かつ人身御供を求める神だったと思われる。中国の[[竈神]]は、年末に天に戻り、新年にまた戻ってくる。彼の機嫌をとらないと、災いを持ってくるようである。
「収穫物とは'''大事なもの'''である」から「'''大事なもの'''を神に捧げると数倍にも倍増する新たな収穫に化生する」そして「'''大事なもの'''とは妻(あるいは家族の女性)である」また年末・正月行事として「[[除夜]]([[除夕]])」という概念がある。中国では大晦日に「夕」という人身御供を求める化け物がでるので、これを除く習俗が必要とされる。「夕」とは「月の出の時間」のことも意味し、大晦日には疫神である月神の「夕」が地上に餌を求め降りてくる、という概念があったかもしれないと思う。降りてきたものは天に返さねばならない、ということで火を燃やしたり、大きな音を鳴らした、とのことで、日本ではこれが「除夜の鐘」となったと考える。韓国の正月行事には「タルチッテウギ」(「月の家を燃やす」)という、月の出に火を燃やす行事がある。これも元は[[除夕]]の行事であって、月神を天に戻すことに関する祭祀だったのではないだろうか。
=== 月読命と須佐之男命について ===
月読命と[[須佐之男命]]は「同じ神」と考える。そもそも日本の[[年神]]とは[[須佐之男命]]の別形態といえるのだが、暦に関する神でもあるとすれば、月読命の別形態ともいえる。また、月読命も[[須佐之男命]]も「妻殺し」の神で性質が一致している。
という=== 月読命と天目一箇神について ===天目一箇神の別名を[[啓思想弥加宜神社|天御影大神]]6-1型及び(あるいは)6-3型の思想に基づいて変換が行われた結果、妻や娘を殺してなにがしかの豊穣を得ることが「祭祀」として正当化されることになったと考える。おそらく古代における現実の人間の歴史の中で、'''祭祀者階級にあった何者か'''が自らの女性の家族を殺し、それを正当化するために「'''家族を殺して生贄に捧げることが正当な祭祀である'''」と変換して殺人の責任逃れを果たしたのであろう。管理人にとってはその象徴が'''啓'''であるため、これを「[[啓思想]]」と呼んでいる。という。産業に関する火の神ともいえ、月読命の別名と考える。
=== 月読命と月の女神について ===「火山の神」が「月神」を兼ねるのであれば、女神に関してもそのように述べることができるのではないか、と考える。鹿児島市の月讀神社には木花咲耶姫命(コノハナサクヤヒメノミコト)が祀られており、この女神は富士山の女神として有名である。そして富士山も火山である。これを「桜島の女神」として捉えた場合、[[啓思想神阿多都比売]]によって定義された月読命や須佐之男は「'''妻殺し'''」の正当化を象徴する神といえる。とした方が相応しいと考える。木花咲耶姫命、[[天照大御神神阿多都比売]]はそれを非難しているのだから、「'''妻殺し'''」を正当化しない神の象徴であるいえる。これは「日月分離」にこと寄せて、日本神話において、それぞれの神の思想と立場を明確にした神話と考える。は「月の女神」としての性質が強い女神かと考える。
=== 月読命と須佐之男命について ===月読命と籠神社では[[須佐之男命豊受大神]]は「常世信仰」において、どちらも「常世の木の神」という位置づけになり、「同じ神」といえる。(「が月の女神にもなる、としており、[[常世神#私的解説保食神]]」参照のこと) {| class="wikitable" style="margin:auto"|+ 月読命と[[須佐之男命豊受大神]]|-! 女神 !! 樹木 !! 樹木神|-| と同一視されるのであれば、[[嫦娥豊受大神]] || 桂 || 月読命(と似た性質の女神達にも「月女神」としての要素が含まれると考える。月読命は[[蚩尤保食神]]|-| [[織女]] || 桑 || [[須佐之男命]]|-| [[常世神]] || 橘 || 常世(竜宮)の王?|}を殺すのだから、月の女神は、月の男神に倒される存在といえる。そして、火山の女神とした場合には、「疫神」としての性質もあるように思う。女神を「月の女神(火山の女神)」としてしまうと、時に彼女は倒されなければならない存在になってしまうし、夫の「月神」に倒される、ということになってしまうようである。
== 参考文献 ==
** 学研編集部, 神道の本 - 八百万の神々がつどう秘教的祭祀の世界, NEW SIGHT MOOK ブックス・エソテリカ2, 学研マーケティング, 1992-02, isbn:978-4-05-106024-4
** 桂令夫ほか, 山北篤監修, 東洋神名事典, 新紀元社, Truth In Fantasy事典シリーズ 7, 2002-12, isbn:978-4-7753-0123-4
* {{Cite book |和書 |author=河合隼雄|authorlink=* 河合隼雄 |title=, 中空構造日本の深層 |publisher=[[中央公論新社|, 中央公論社]] |ref=中空構造日本の深層 }}*** 中央公論社〈中公叢書〉、1982年1月。ISBN 978-4-12-001090-3。* {{Cite book |和書 |author=* 戸部民夫|authorlink=戸部民夫 |title=, 八百万の神々 - 日本の神霊たちのプロフィール |publisher=, 新紀元社 |series=, Truth In Fantasy 31 |date=, 1997-12 |, isbn=:978-4-88317-299-3 |ref=八百万の神々 }}* {{Cite book |和書 |author=* 戸部民夫 |title=, 日本神話 - 神々の壮麗なるドラマ |publisher=, 新紀元社 |series=, Truth In Fantasy 63 |date=, 2003-10 |, isbn=:978-4-7753-0203-3 |ref=日本神話 - 神々の壮麗なるドラマ }}* {{Cite book |和書 |author=* 新村出 |title=, 広辞苑 第五版|publisher=[[, 岩波書店]] |date=, 1998-11|, isbn=:4-00-080111-2 |ref= }}* {{Cite book |和書 |author=* 三浦茂久 |title=, 古代日本の月信仰と再生思想 |publisher=[[, 作品社]] |date=, 2008-10 |, isbn=:978-4-86182-205-6 |ref= }}
== 関連項目 ==
* [[天月神命]]:秦氏系と思われる汎用性の高い月神
* [[須佐之男命]]:月読命と同じ神。
** [[年神]]** [[竈神]]** [[除夜]]** [[除夕]]** [[年獣]]** [[左義長]]* [[黄帝型神ディオニューソス]]:植物神であり、「殺す神」であるところが一致している。月がもたらす「狂気」と関連している。* [[啓思想祝融型神]]
* [[桂男]]:月にある桂の木を切り続ける男のこと
* [[常世神]]:月読命の'''妻'''といえる神
== 起源 ==
* [[嫦娥]];不老不死の薬を持って逃げた月の女神である。
 
=== 馬をトーテムとする神 ===
* [[鯀]]
 
== 外部リンク ==
* {{CRD|1000101877|月読命について知りたい。|近畿大学中央図書館}}
== 注釈 ==
[[Category:日本神話]]
[[Category:月神]]
[[Category:黄帝型神]][[Category:炎帝型神]][[Category:須佐之男命型神祝融型神]]
[[Category:医薬神]]
[[Category:樹木神]]
[[Category:桂]]
[[Category:天候神]]
[[Category:暦神時間神]][[Category:妻殺し火山神]][[Category:疫神]]
[[Category:牛]]
[[Category:馬]]
[[Category:兎]]

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