<blockquote>(娑蘇は)はじめ辰韓にきて、聖子を生み、東国の最初の王となった。たぶん、[[赫居世居西干|赫居世]]と閼英の二聖を生んだことであろう。それで鶏竜・鶏林・白馬(など)の称があるが、(これは)鶏が西がわ(西方)に属するからである。あるとき(娑蘇が)諸天の仙女たちに、羅うすものを織らせ、緋色に染めて朝服を作り、彼女の夫に贈った。国の人がこのことによってはじめてその神験を知った。(三国遺事、巻五、感通第七条)</blockquote>
== 私的考察 ==
娑蘇夫人が住まう場所を求める際に、鵄を放つ場面は、日本神話・神武東征の際の金鵄を思わせる。娑蘇夫人自身が太陽女神であることを示しているように思う。ただし、文献的には名前を見るに、西王母を強く意識した女神と考える。
娑蘇夫人が鶏で表されるのは、鶏雷(黄帝)の妻女神でもあることを示唆していると考える。
ともかく、[[赫居世居西干]]の神話は誰かが誰かを食べたりしない形で、とても美しくまとまっており、「'''神話とはかくありたい'''」というお手本のような神話で素晴らしいと思う。これはおそらく、「聖母マリア」とか「マグダラのマリア」という概念が入ってきた後に、平和的なものに書き換えられた神話だと考える。(日本神話の[[乙子狭姫]]にも似たような印象を受ける。)日本の賀茂系の母神である龍蛇女神はことごとく'''死んでいる'''ので、うらやましい神話だと個人的は思う。
== 家系 ==
* [[赫居世居西干]]
* [[閼英夫人]]
* [[乙子狭姫織女]]:娑蘇夫人は殺されることのない[[織女]]である。
== 私的注釈 ==
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