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693 バイト追加 、 2025年1月24日 (金)
「日本書紀」には、日本武尊が近江の伊吹山に荒ぶる神がいると聞き、草薙神剣を置いたまま伊吹山に向かう。伊吹山に至ると山の神が大蛇に化けて道を塞いでいたので、日本武尊はこれを神の使いと思い、どうせ神を殺すのだからと捨て置いて、蛇を跨いで進む。すると、山の神は雲を起こして氷を降らせた。などとある。
 
「平家物語」には、素盞嗚尊によって殺された八岐大蛇の霊が伊吹山の神となって不破の関を塞いでいたとある。
 
「源平盛衰記」には、素盞嗚尊が八岐大蛇を切ると尾から剣が出た。それを天照大神に奉ると、「私が天の岩戸に籠ったとき、近江国胆服嶽に落ちた剣です」と言って大いに喜んだ。彼の大蛇と言うのは胆吹(いぶき)の大明神の御体である、と書かれています。
 
「本朝神社考」は胆吹の神を'''八岐大蛇の変化'''と記しています。これらの話から祭神に素盞嗚尊と八岐大蛇が登場したのでしょう。
また文献によれば、古代には近江国・美濃国の両国で伊吹神が祀られたことが知られる<ref name="日本歴史地名大系">「伊吹山」『日本歴史地名大系 21 岐阜県の地名』平凡社、1989年</ref>。国史では両神に対する神階奉叙の記事が散見され、中央にも知られる神であった<ref name="日本歴史地名大系"/>。両神は、『延喜式』神名帳においてもそれぞれ「伊夫伎神社」「伊富岐神社」として記載されて式内社に列しているほか、美濃の伊富岐神社は美濃国内において[[南宮大社]](一宮)に次ぐ二宮に位置づけられた<ref name="平凡社 伊富岐神社">「伊富岐神社」『日本歴史地名大系 21 岐阜県の地名』平凡社、1989年</ref>。現在も近江の神社は伊夫岐神社(滋賀県米原市伊吹)として、美濃の神社は伊富岐神社(岐阜県不破郡垂井町岩手)として祭祀が継承されている。

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