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ページの作成:「'''廣瀬大社'''（ひろせたいしゃ、広瀬大社）は、奈良県北葛城郡河合町川合にある神社。式内社（名神大社…」
'''廣瀬大社'''（ひろせたいしゃ、広瀬大社）は、[[奈良県]][[北葛城郡]][[河合町]]川合にある[[神社]]。[[式内社]]（[[名神大社]]）、[[二十二社]]（中七社）の一社。[[近代社格制度|旧・社格]]は[[近代社格制度#官社|官幣大社]]で、[[2024年]]（[[令和]]6年）[[現在]]は[[神社本庁]]の[[別表神社]]。
旧称は「廣瀬神社（ひろせじんじゃ、広瀬神社）」。
== 祭神 ==
祭神は次の3柱。
{{定義リスト2
| 主祭神 |
* 若宇加能売命（わかうかのめのみこと）
** 別称で[[大物忌神|大忌神]]<ref>{{Cite book |和書 |editor=平凡社 |title=神道大辞典 |volume=1 |publisher=平凡社 |year=1941 |id={{NDLJP|1913333}} |at=pp, [{{NDLDC|1913333/132}} 220],[{{NDLDC|1913333/153}} 257-258]
}}</ref>。「廣瀬大忌神（ひろせおおいみのかみ）」とも。社伝では[[伊勢神宮]][[豊受大神宮|外宮]]の[[トヨウケヒメ|豊宇気比売大神]]、[[伏見稲荷大社]]の[[ウカノミタマ|宇加之御魂神]]と同神とする。[[龍田大社]]の龍田風神とも関係があるとしている。
| 相殿神 |
* 櫛玉命（くしたまのみこと）
** 社伝では[[ニギハヤヒ|饒速日命]]を指す。[[社家]]の樋口氏<ref>{{Cite web |和書 |url=http://www.harimaya.com/o_kamon1/syake/kinki/s_hirose.html |title=広瀬社神主曽祢氏系図 |website=家紋World by 播磨屋 |access-date=2015-08-24}}</ref> は饒速日命を祖神とする[[物部氏]]の[[wikt:末裔|末裔]]であり、社家の邸宅内には饒速日命を祀る境外末社の饒速日命社がある。
* [[カグツチ|穂雷命]]（ほのいかづちのみこと）
}}
== 歴史 ==
[[ファイル:Japanese crest Tachibana.svg|thumb|廣瀬大社の神紋（[[タチバナ#家紋|橘紋]]）]]
鎮座地は、[[高田川 (奈良県)|高田川]]と一緒になった[[曽我川]]・[[大和川]]・[[飛鳥川 (奈良県)|飛鳥川]]など[[奈良盆地]]内を流れる河川のほとんどが合流する地点であり、このことから[[水神]]を祭る。社伝では、[[崇神天皇]]9年、広瀬の河合の里長の廣瀬臣藤時に託宣があり、水足池と呼ばれる沼地が一夜で陸地に変化し[[タチバナ|橘]]が数多く生えたことが[[天皇]]に伝わり、その地に大御膳神として社殿を建てて祀ったのに始まるとしている。[[龍田大社|龍田]]の[[風神]]・広瀬の水神として並び称された。『[[日本書紀]]』[[天武天皇]]4年（[[675年]]）4月10日条には風神を龍田立野に、大忌神を広瀬河曲に祀ったとの記述があり、これが4月・7月に行われる廣瀬大忌祭の起源とされている。
[[延長 (元号)|延長]]5年（[[927年]]）成立の『[[延喜式]]』[[延喜式神名帳|神名帳]]では[[大和国]][[広瀬郡]]に「広瀬坐和加宇加乃売命神社（廣瀬坐和加宇加乃売命神社） 名神大 月次新嘗」として、[[名神大社]]に列するとともに[[朝廷 (日本)|朝廷]]の[[月次祭]]・[[新嘗祭]]で[[幣帛]]に預かった旨が記載されている。
[[神階]]は[[弘仁]]13年（[[822年]]）[[8月3日]]、[[従五位|従五位下]] （『[[日本紀略]]』（表記は「広湍神（廣湍神）」））。[[嘉祥]]3年（[[850年]]）7月11日、[[従五位|従五位上]] （『[[日本文徳天皇実録]]』（表記は「若宇加乃売命神」<!-- 神社資料集成では欠落 -->））。[[仁寿]]2年（[[852年]]）[[7月25日]]、[[従四位|従四位下]] （『日本文徳天皇実録（表記は「若宇加乃売命神」）』） 。仁寿2年（852年）[[10月2日]]、[[従三位]] （『日本文徳天皇実録』（表記は「若宇加乃売命神」）） 。[[天安 (日本)|天安]]3年（[[859年]]）[[1月27日]]、従三位から[[正三位]] （『[[日本三代実録]]』（表記は「広瀬神（廣瀬神）」））。そして[[永保]]元年（[[1081年]]）に最高位の[[正一位]]を受けている。後の[[二十二社]]の一つともなった。
[[室町時代]]には神領は500余町あったが、[[永正]]3年（[[1506年]]）に[[細川政元]]の家臣・[[赤沢朝経]]の焼き討ちによって宝物や[[古文書]]が焼失し、神領が横領される。[[天正]]年間（[[1573年]] - [[1593年]]）には[[豊臣秀長]]によって神領が没収されてしまう。
[[1871年]]（[[明治]]4年）5月14日、官幣大社に列格した。[[第二次世界大戦]]以降、廣瀬大社と称するようになった。
[[1948年]]（[[昭和]]23年）に神社本庁の別表神社に加列されている。
境内には[[日露戦争]]の戦利品である[[ロシア帝国陸軍|ロシア陸軍]]の[[野砲]]とその[[砲弾]]が奉納されて展示されている。
{{-}}
== 境内 ==
* 本殿（奈良県指定有形文化財） - [[正徳 (日本)|正徳]]元年（[[1711年]]）再建。
* 幣殿
* 拝殿 - 明治時代再建。
* 社務所
* 神馬舎
* 奉納大砲 - 日露戦争の戦利品。ロシア陸軍の野砲とその砲弾。
<gallery widths=180>
HIROSE TAISHA HONDEN SAKURA.jpg|本殿
HIROSE TAISHA OTORII SAKURA.jpg|大鳥居
HIROSE TAISHA NINOTORII SAKURA.jpg|二の鳥居
HIROSE TAISHA TAIHO.jpg|奉納大砲
</gallery>
== 摂末社 ==
=== 境内社 ===
* 水足明神
* 祓戸社
* 祖霊社
* 稲荷社
* 日吉社
<gallery widths=180>
HIROSE TAISHA HARAIDOJINJA.jpg|祓戸社
HIROSE TAISHA SOREIJINJA.jpg|祖霊社
HIROSE TAISHA INARIJINJA.jpg|稲荷社
HIROSE TAISHA HIYOSHIJINJA.jpg|日吉社
</gallery>
=== 境外社 ===
* 饒速日命社
* 八神殿社
* 水分神社 - 摂社。
<gallery widths=180>
Hirose-taisha, Mikumari-jinja.jpg|水分神社
</gallery>
== 主な祭事 ==
* [[2月11日]] 例祭・砂かけ祭（御田植祭）
** 大忌祭の御田水口祭礼に由来するもので、砂を雨に見たてた祈雨の神事である。拝殿前の広場を田に見立てて[[田植え]]の所作を行い、それに対して参詣者と田人・牛に扮したひとが一斉に砂をかけあうもので、「砂かけ祭」と呼ばれる。
== 文化財 ==
=== 奈良県指定有形文化財 ===
* 本殿（建造物） - [[1988年]]（昭和63年）3月22日指定。
=== 河合町指定無形民俗文化財 ===
* 廣瀬神社の砂かけ祭り - 御田植祭。[[2009年]]（[[平成]]21年）12月11日指定（河合町指定文化財第5号）。
== 前後の札所 ==
; [[神仏霊場巡拝の道]]
: 30 [[朝護孫子寺]] - '''31 廣瀬大社''' - 32 [[當麻寺]]
== 現地情報 ==
{{定義リスト2
| 所在地 |
* 奈良県北葛城郡河合町大字川合99
| 交通アクセス |
* [[西日本旅客鉄道]]（JR西日本）[[関西本線]] [[法隆寺駅]] （徒歩約30分）
* [[近畿日本鉄道]]（近鉄）[[近鉄田原本線|田原本線]] [[池部駅]] （徒歩約35分）
}}
== 関連図書 ==
* Wikipedia：[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BB%A3%E7%80%AC%E5%A4%A7%E7%A4%BE 廣瀬大社]（最終閲覧日：25-01-19）
** 安津素彦・梅田義彦編集兼監修者『神道辞典』[[神社新報]]社、1968年、51頁
** [[白井永二]]・土岐昌訓編集『神社辞典』[[東京堂出版]]、1979年、295 - 296頁
** [[菅田正昭]]『日本の神社を知る「事典」』[[日本文芸社]]、1989年、187 - 189頁
** 上山春平他『日本「神社」総覧』[[新人物往来社]]、1992年、224 - 225頁
== 外部リンク ==
* {{Official website|url=http://www.hirosetaisya.com/|name=廣瀬大社}} - 公式ウェブサイト
* [http://21coe.kokugakuin.ac.jp/db/jinja/kindex2.php?J_ID=20401 広瀬坐和加宇加乃売命神社] - 國學院大學21世紀COEプログラム「神道・神社史料集成」
== 脚注 ==
{{DEFAULTSORT:ひろせたいしや}}
[[Category:神社]]
[[Category:日本神話]]
旧称は「廣瀬神社（ひろせじんじゃ、広瀬神社）」。
== 祭神 ==
祭神は次の3柱。
{{定義リスト2
| 主祭神 |
* 若宇加能売命（わかうかのめのみこと）
** 別称で[[大物忌神|大忌神]]<ref>{{Cite book |和書 |editor=平凡社 |title=神道大辞典 |volume=1 |publisher=平凡社 |year=1941 |id={{NDLJP|1913333}} |at=pp, [{{NDLDC|1913333/132}} 220],[{{NDLDC|1913333/153}} 257-258]
}}</ref>。「廣瀬大忌神（ひろせおおいみのかみ）」とも。社伝では[[伊勢神宮]][[豊受大神宮|外宮]]の[[トヨウケヒメ|豊宇気比売大神]]、[[伏見稲荷大社]]の[[ウカノミタマ|宇加之御魂神]]と同神とする。[[龍田大社]]の龍田風神とも関係があるとしている。
| 相殿神 |
* 櫛玉命（くしたまのみこと）
** 社伝では[[ニギハヤヒ|饒速日命]]を指す。[[社家]]の樋口氏<ref>{{Cite web |和書 |url=http://www.harimaya.com/o_kamon1/syake/kinki/s_hirose.html |title=広瀬社神主曽祢氏系図 |website=家紋World by 播磨屋 |access-date=2015-08-24}}</ref> は饒速日命を祖神とする[[物部氏]]の[[wikt:末裔|末裔]]であり、社家の邸宅内には饒速日命を祀る境外末社の饒速日命社がある。
* [[カグツチ|穂雷命]]（ほのいかづちのみこと）
}}
== 歴史 ==
[[ファイル:Japanese crest Tachibana.svg|thumb|廣瀬大社の神紋（[[タチバナ#家紋|橘紋]]）]]
鎮座地は、[[高田川 (奈良県)|高田川]]と一緒になった[[曽我川]]・[[大和川]]・[[飛鳥川 (奈良県)|飛鳥川]]など[[奈良盆地]]内を流れる河川のほとんどが合流する地点であり、このことから[[水神]]を祭る。社伝では、[[崇神天皇]]9年、広瀬の河合の里長の廣瀬臣藤時に託宣があり、水足池と呼ばれる沼地が一夜で陸地に変化し[[タチバナ|橘]]が数多く生えたことが[[天皇]]に伝わり、その地に大御膳神として社殿を建てて祀ったのに始まるとしている。[[龍田大社|龍田]]の[[風神]]・広瀬の水神として並び称された。『[[日本書紀]]』[[天武天皇]]4年（[[675年]]）4月10日条には風神を龍田立野に、大忌神を広瀬河曲に祀ったとの記述があり、これが4月・7月に行われる廣瀬大忌祭の起源とされている。
[[延長 (元号)|延長]]5年（[[927年]]）成立の『[[延喜式]]』[[延喜式神名帳|神名帳]]では[[大和国]][[広瀬郡]]に「広瀬坐和加宇加乃売命神社（廣瀬坐和加宇加乃売命神社） 名神大 月次新嘗」として、[[名神大社]]に列するとともに[[朝廷 (日本)|朝廷]]の[[月次祭]]・[[新嘗祭]]で[[幣帛]]に預かった旨が記載されている。
[[神階]]は[[弘仁]]13年（[[822年]]）[[8月3日]]、[[従五位|従五位下]] （『[[日本紀略]]』（表記は「広湍神（廣湍神）」））。[[嘉祥]]3年（[[850年]]）7月11日、[[従五位|従五位上]] （『[[日本文徳天皇実録]]』（表記は「若宇加乃売命神」<!-- 神社資料集成では欠落 -->））。[[仁寿]]2年（[[852年]]）[[7月25日]]、[[従四位|従四位下]] （『日本文徳天皇実録（表記は「若宇加乃売命神」）』） 。仁寿2年（852年）[[10月2日]]、[[従三位]] （『日本文徳天皇実録』（表記は「若宇加乃売命神」）） 。[[天安 (日本)|天安]]3年（[[859年]]）[[1月27日]]、従三位から[[正三位]] （『[[日本三代実録]]』（表記は「広瀬神（廣瀬神）」））。そして[[永保]]元年（[[1081年]]）に最高位の[[正一位]]を受けている。後の[[二十二社]]の一つともなった。
[[室町時代]]には神領は500余町あったが、[[永正]]3年（[[1506年]]）に[[細川政元]]の家臣・[[赤沢朝経]]の焼き討ちによって宝物や[[古文書]]が焼失し、神領が横領される。[[天正]]年間（[[1573年]] - [[1593年]]）には[[豊臣秀長]]によって神領が没収されてしまう。
[[1871年]]（[[明治]]4年）5月14日、官幣大社に列格した。[[第二次世界大戦]]以降、廣瀬大社と称するようになった。
[[1948年]]（[[昭和]]23年）に神社本庁の別表神社に加列されている。
境内には[[日露戦争]]の戦利品である[[ロシア帝国陸軍|ロシア陸軍]]の[[野砲]]とその[[砲弾]]が奉納されて展示されている。
{{-}}
== 境内 ==
* 本殿（奈良県指定有形文化財） - [[正徳 (日本)|正徳]]元年（[[1711年]]）再建。
* 幣殿
* 拝殿 - 明治時代再建。
* 社務所
* 神馬舎
* 奉納大砲 - 日露戦争の戦利品。ロシア陸軍の野砲とその砲弾。
<gallery widths=180>
HIROSE TAISHA HONDEN SAKURA.jpg|本殿
HIROSE TAISHA OTORII SAKURA.jpg|大鳥居
HIROSE TAISHA NINOTORII SAKURA.jpg|二の鳥居
HIROSE TAISHA TAIHO.jpg|奉納大砲
</gallery>
== 摂末社 ==
=== 境内社 ===
* 水足明神
* 祓戸社
* 祖霊社
* 稲荷社
* 日吉社
<gallery widths=180>
HIROSE TAISHA HARAIDOJINJA.jpg|祓戸社
HIROSE TAISHA SOREIJINJA.jpg|祖霊社
HIROSE TAISHA INARIJINJA.jpg|稲荷社
HIROSE TAISHA HIYOSHIJINJA.jpg|日吉社
</gallery>
=== 境外社 ===
* 饒速日命社
* 八神殿社
* 水分神社 - 摂社。
<gallery widths=180>
Hirose-taisha, Mikumari-jinja.jpg|水分神社
</gallery>
== 主な祭事 ==
* [[2月11日]] 例祭・砂かけ祭（御田植祭）
** 大忌祭の御田水口祭礼に由来するもので、砂を雨に見たてた祈雨の神事である。拝殿前の広場を田に見立てて[[田植え]]の所作を行い、それに対して参詣者と田人・牛に扮したひとが一斉に砂をかけあうもので、「砂かけ祭」と呼ばれる。
== 文化財 ==
=== 奈良県指定有形文化財 ===
* 本殿（建造物） - [[1988年]]（昭和63年）3月22日指定。
=== 河合町指定無形民俗文化財 ===
* 廣瀬神社の砂かけ祭り - 御田植祭。[[2009年]]（[[平成]]21年）12月11日指定（河合町指定文化財第5号）。
== 前後の札所 ==
; [[神仏霊場巡拝の道]]
: 30 [[朝護孫子寺]] - '''31 廣瀬大社''' - 32 [[當麻寺]]
== 現地情報 ==
{{定義リスト2
| 所在地 |
* 奈良県北葛城郡河合町大字川合99
| 交通アクセス |
* [[西日本旅客鉄道]]（JR西日本）[[関西本線]] [[法隆寺駅]] （徒歩約30分）
* [[近畿日本鉄道]]（近鉄）[[近鉄田原本線|田原本線]] [[池部駅]] （徒歩約35分）
}}
== 関連図書 ==
* Wikipedia：[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BB%A3%E7%80%AC%E5%A4%A7%E7%A4%BE 廣瀬大社]（最終閲覧日：25-01-19）
** 安津素彦・梅田義彦編集兼監修者『神道辞典』[[神社新報]]社、1968年、51頁
** [[白井永二]]・土岐昌訓編集『神社辞典』[[東京堂出版]]、1979年、295 - 296頁
** [[菅田正昭]]『日本の神社を知る「事典」』[[日本文芸社]]、1989年、187 - 189頁
** 上山春平他『日本「神社」総覧』[[新人物往来社]]、1992年、224 - 225頁
== 外部リンク ==
* {{Official website|url=http://www.hirosetaisya.com/|name=廣瀬大社}} - 公式ウェブサイト
* [http://21coe.kokugakuin.ac.jp/db/jinja/kindex2.php?J_ID=20401 広瀬坐和加宇加乃売命神社] - 國學院大學21世紀COEプログラム「神道・神社史料集成」
== 脚注 ==
{{DEFAULTSORT:ひろせたいしや}}
[[Category:神社]]
[[Category:日本神話]]
