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326 バイト追加 、 2024年12月15日 (日) 17:27
名前に「若」のつく上記3神は、暗に「若くして非業の死を遂げた神」という性質があるように思う。彼らは「厄払いの神」であると同時に、「死者」であるが故に「疫神」にもなることがあり、それを慰撫するため、あるいは疫神に見立てた者を殺すことで鎮めるために、[[人身御供]]を必要とした神々ともされたのではないだろうか。農耕における人身御供の神々として「若」が名につく神々が3柱も存在するのは興味深いことである。彼らは、まるで母である大気都比売神の化身のようでもある。また'''[[曙立王|若狭那売神]]'''のみ、伊勢の佐那造といった特定の集団との関連がいかが割れる女神でもあり、興味深い。伊勢の佐那近辺は古より水銀の産地として知られているそうだが、水銀に関する女神に'''丹生都比売神'''がいる。[[曙立王|若狭那売神]]は'''丹生都比売神'''の別名であり、この女神の系譜を[[須佐之男命]]に結びつけるための神なのではないだろうか。
* 弥豆麻岐神(みづまき) '''弥豆麻岐神'''(みづまき) - 水撒き・灌漑の神。弥豆麻岐神の名義は、マキについて、灌漑のことを言うマカセ・マカスという語の四段活用の古形とみなす説があり、水を引き入れる意で、田の灌漑の神であるとする。諸国において、川の沿岸に「水巻」を名とする地名があるのも関連が指摘されている。また、水を田に撒く宗教儀礼の神話的投影とする説がある。田植えの神といわれる若沙那売神の次に灌漑の神が生まれていることに、農耕上のつながりが指摘されている<ref>[https://kojiki.kokugakuin.ac.jp/shinmei/mizumakinokami/ 弥豆麻岐神]、國學院大學「古典文化学」事業(最終閲覧日:24-12-15)</ref>。* 夏高津日神(なつたかのひ) '''夏高津日神'''(なつたかのひ) - 別名 夏之売神(なつのめ)。夏の高く照る日の神の意。「夏」の文字は記紀の神話全体で季節の名としては現れず、この神の名として現れるのみである。夏高津日神の名義は、夏の高く照らす太陽の意と捉えて、盛夏の強烈な日照に恵まれて稲が生育することの表象とする説がある。別名の夏之売神は、次に生まれる秋毘売神と関連する名と考えられ、夏の日に田で草取りなどをして働く女性の神格化の意とする説、穀物の育成と関連の深い夏と秋を表象したにすぎないとする説、季節の移り変わりを表わすものとする説がある<ref>[https://kojiki.kokugakuin.ac.jp/shinmei/natsutakatsuhinokami/ 夏高津日神]、國學院大學「古典文化学」事業(最終閲覧日:24-12-15)</ref>。* 秋毘売神(あきびめ) '''秋毘売神'''(あきびめ) - 秋の女神。秋の稲の収穫に関する神と考えられている<ref>[https://kojiki.kokugakuin.ac.jp/shinmei/akibimenokami/ 秋毘売神]、國學院大學「古典文化学」事業(最終閲覧日:24-12-15)</ref>。* 久久年神(くくとし) '''久久年神'''(くくとし) - 稲の茎が伸びることの意。ククは久々能智神のククと同じく茎で、草木の茎幹とする説がある。茎立った稲の意で、稲がらがしゃんと立つことを表わし、稲穂の豊穣の表象とする説がある。刈って木に掛けられた穀霊の神とする説などがある<ref>[https://kojiki.kokugakuin.ac.jp/shinmei/kukutoshinokami/ 久々年神]、國學院大學「古典文化学」事業(最終閲覧日:24-12-15)</ref>。* '''久久紀若室葛根神'''(くくきわかむろつなね) - 別名 若室葛根(わかむろつなね)。新しい室を建てて葛の綱で結ぶの意。新嘗祭のための屋舎を建てることと考えられる。秋の収穫が終わりその収納物を蔵する穀物庫の中に安まる稲魂を表すという説もある<ref>[[https://kojiki.kokugakuin.ac.jp/shinmei/kukukiwakamurotsunanenokami/ 久久紀若室葛根神]](くくきわかむろつなね) 、國學院大學「古典文化学」事業(最終閲覧日:24-12- 別名 若室葛根(わかむろつなね)。新しい室を建てて葛の綱で結ぶの意。新嘗祭のための屋舎を建てることと考えられる。15)</ref>。
== 解説 ==

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