アペ・コペンとは、アペは祖父、コペンは始という意味で「始祖」となるとのことである。アペは、楚で男子の尊称を「阿父」と呼んだことを想起させる、とのことだ<ref>村松一弥訳『苗族民話集』平凡社、1974年、3-15頁</ref>。また中国語で父を親しみを込めて呼ぶ場合に「阿爸(アバ)」と呼ぶとのことなので、この言葉も関連するのではないか、と個人的には考える。
物語全体としては、アペ・コペンは、人身御供肯定と近親婚肯定以外の点では災害をもたらす雷神と戦う「善神」として描かれ、[[黄帝型神]]といえる。ミャオ族の伝承では鶏雷神が英雄と考えられることが多いが、アペ・コペンは良い性質も悪い性質も含めて、「雷神」としての性質をほとんど雷神に譲ってしまったように見える。ただし、雨を降らせる時期を決めたり、どこに雷が落ちるのか決める権利をアペは持っており、かつてはといえる。ミャオ族の伝承では鶏雷神が英雄と考えられることが多いが、アペ・コペンは良い性質も悪い性質も含めて、「雷神」としての性質をほとんど雷神に譲ってしまったように見える。ただし、雨を降らせる時期を決めたり、どこに雷が落ちるのか決める権利をアペは持っており、かつては水や雷を操る「水雷神」とも言うべき神だったことが示唆される。 ただし、本物語では、天で雷を追い回してあちこちに追いやるなどしており、'''風神'''としての性質が強調されているように思う。その姿はインド神話の風神ヴァーユを想像させる。 また、アペ・コペンが暴れて山や川が作られる場面は、日本神話の八束水臣津野命、[[ダイダラボッチ]]といった開拓神を思わせる。
== 関連項目 ==