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ハイヌウェレ型神話では、切り刻まれたハイヌウェレから芋が生じる。その後、月の女神サテネが人類を選別し、選ばれなかった者たちは動物に変えられてしまい人間ではなくなる。だから選ばれなかった者たちは神という名の人身御供であるハイヌウェレから生じた芋を食べることを許されない。許されるのは「'''神に選ばれた人とその子孫だけ'''」である。
 
本伝承では「'''人類の選別'''」は'''大洪水'''という形でまず最初に行われてしまう。雷神に選ばれた二人以外は残らず死んでしまうのだから、残された二人の子孫たちは、「雷神に選ばれた人類」として雷神に従って生きるか、選ばれなかった者たちのように死ぬか、どちらかしか選択肢がなくなる。ハイヌウェレ型神話のように獣になって逃げることすらできなくなる。その代わりに神から与えられ、[[伏羲]]と[[女媧]]から発生した穀類や野菜は食べることが許される。[[伏羲]]と[[女媧]]がそもそも、神から与えられた植物である[[ヒョウタン]]から再生されたウリ科の植物なのだ。彼らを切り刻んで食べるのは当然である。これは、'''王権者が農業に関する技術や耕作地、種などを独占するために作られた伝承'''であって、得るか得ないのか拒否することも許されない神話であるが故に、ハイヌウェレ型神話よりもさらに'''王権が強化された時代'''に、ハイヌウェレ型神話を改良して作られた神話と考える。要は「'''なんでも皇帝の先祖の雷神(黄帝)が人類に与えてやったものなのだから、欲しければ皇帝従え。従えなければ得る権利はないのだから死ね。雷神(黄帝)がそう決めて洪水を起こしたんだから。'''」と、そういうことである。
 
農耕の豊穣の祭祀のために人を麻薬で麻痺させて焼き殺したり、切り刻んだり、食べたりするものには、フレイザーの有名な金枝篇の中にベンガルのコンド族の祭祀がある。この祭祀には雨乞いを求める意味合いもあり、かつてはなにがしかの水神に祈りを捧げるものでもあったのではないだろうか<ref>J・G・フレイザー著 吉川信訳『金枝篇 上』ちくま学芸文庫、2003年、521-525頁</ref>。犠牲者をバラバラにする神話は、蚩尤神話、日本の八面大王系伝承、トラキアのザグレウス・ディオニューソス神話、ディオニューソスとオルペウスを始めとしたディオニューソス系の神話がある。コンド族の祭祀も酒が振る舞われ、乱痴気騒ぎの中殺人は行われる。まるでディオニューソスの祭祀の具現のようだと管理人は感じる。
== 関連項目 ==

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