#author("2021-03-28T14:52:34+00:00","default:Bellis","Bellis")
#norelated
* 大塔物語01 [#v6a4359f]
**原文 [#ka40250e]
去応永七年庚申九月廿四日、於&size(12){二};信州更科郡布施郷&size(12){一};、合戦次第事矣。&br;
夫政者、天下泰平計略、国土安穏根源也。而近代御政務賞罰共直而、都鄙悉令&size(12){二};静謐&size(12){一};、上下誇&size(12){二};無事&size(12){一};、万民歌&size(12){二};歓楽&size(12){一};、然間、孰不&size(12){レ};貴&size(12){二};憲法之裁断&size(12){一};、孰不&size(12){レ};仰&size(12){二};廉直之御成敗&size(12){一};乎。


**書き下し文 [#t403b562]
去る応永七年庚申九月廿四日、信州更科の郡、布施の郷に於いて、合戦の次第の事や。&br;
夫れ政者、天下泰平の計略、国土安穏の根源なり。而るに近代御政務賞罰共直(ただ)しく、都鄙悉(ことごと)く静謐せしむ、上下無事に誇り、万民歓楽を歌ふ、然る間、孰(たれ)か憲法の裁断を貴はざん、孰(たれ)か廉直の御成敗を仰がざんや。


**意訳 [#j512c7f5]
去る応永七年庚申九月廿四日、信州更科の郡、布施の郷に於いて、合戦の成り行きの事である。&br;
そもそも政治を行う者が、世の中をよく治めて穏やかにするよう考えることは、国土が穏やかになる根源である。そうであるから、近頃(江戸時代)は政治、賞罰共に直(ただ)しく、都会も田舎も悉く穏やかに治められている。身分が高い者も低い者も、日々の変わりない生活を誇り、万民は喜び楽しむことを歌う。このような時に、孰(だれ)が国のおきてによる裁断を貴ばず、孰(だれ)が公正な裁きを敬わないだろうか。

トップ   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS