ホメロスは、神であるパイオンと、アポトロパイの感謝や勝利の歌を描いている<ref>Homer 750? BCE-650? BCE, http://www.gutenberg.org/ebooks/2199, The Iliad, 2000-06-01, Butler Samuel</ref>。このような歌は、もともとはアポローンに向けられたものであったが、後に[[ディオニューソス]]、アポローン・ヘリオス、アポローンの息子である癒し手アスクレピオースなど、他の神々に向けられるようになった。紀元前4世紀ごろには、パイアンは単なる賛美歌になった。賛美歌の目的は病気や災難から守ってくれることを願うか、守ってくれたことに感謝するかだった。こうして、アポローンは音楽の神として認識されるようになったのである。ピュートン(Python)を倒すという役割から、アポロは戦闘や勝利と結びついた。そのため、ローマの習慣として、行進中の軍隊や戦闘に入る前、艦隊が港を出るとき、そして勝利した後にもパイアンが歌われるようになったのである。
『イーリアス』では、アポローンは神々の下で治療者でありながら、矢で病と死をもたらす存在であり、ヴェーダの疫神ルドラの似た働きをしている<ref group="私注">これはアポローンの起源が、そもそもネルガルであることによるのではないだろうか。そしてその性質は日本神話の[[須佐之男命]]に繋がっていくように思う。</ref>。