[[File:Juno_Louvre_Ma485.jpeg|thumb|250px|イラクのハトラから出土したバフラム(ネルガル)の浮き彫り(シンクレティック・パルティア)紀元1、2世紀のもの。]]
'''ヘーラー'''('''Ἥρα''', ''Hērā''、イオニア方言: Ἥρη, ''Hērē'')は、ギリシア神話に登場する最高位の女神である<ref name="G">マイケル・グラント、ジョン・ヘイゼル『ギリシア・ローマ神話事典』。</ref>。長母音を省略して'''ヘラ'''、'''ヘレ'''とも表記される<ref>https://kotobank.jp/word/ヘラ-130152, デジタル大辞泉の解説, コトバンク, 2018-02-04</ref>。その名は古典ギリシア語で「貴婦人、女主人」を意味し<ref name="G" />、結婚と母性、貞節を司る<ref name="G" /><ref name="F">フェリックス・ギラン『ギリシア神話』。</ref>。
== 信仰 ==
ヘーラーは[[サモス島]]で誕生したと考えられており、サモス島は古くからヘーラー信仰の中心地となっていた。また一説にサモス島におけるゼウスとヘーラーの結婚式の夜は三百年の間続いたというヘーラーはサモス島で誕生したと考えられており、サモス島は古くからヘーラー信仰の中心地となっていた。また一説にサモス島におけるゼウスとヘーラーの結婚式の夜は三百年の間続いたという<ref>[[ロバート・グレーヴス]]『[[ギリシア神話 (ロバート・グレーヴス)|ギリシア神話]] 上巻』[[紀伊国屋書店]]、1973年、12章b。ロバート・グレーヴス『ギリシア神話 上巻』紀伊国屋書店、1973年、12章b。</ref>。
元来は、[[アルゴス (ギリシャ)|アルゴス]]、[[ミケーネ|ミュケーナイ]]、[[スパルタ]]等の[[ペロポネソス半島|ペロポネーソス半島]]一帯に確固たる宗教的基盤を持っており、かつて[[アカイア人]]に信仰された[[地母神]]であったとされ、北方からの征服者との和合をゼウスとの結婚で象徴させたと考えられる元来は、アルゴス、ミュケーナイ、スパルタ等のペロポネーソス半島一帯に確固たる宗教的基盤を持っており、かつてアカイア人に信仰された地母神であったとされ、北方からの征服者との和合をゼウスとの結婚で象徴させたと考えられる<ref name="F" />。
二神の不和は、両者の崇拝者が敵対関係にあったことの名残とも考えられている<ref name="F" />。
[[アルゴス (ギリシャ)|アルゴス]]の神殿にあるヘーラー像はカッコウのとまった玉杖と柘榴を持っていたアルゴスの神殿にあるヘーラー像はカッコウのとまった玉杖と柘榴を持っていた<ref>パウサニアス、2巻17・4。</ref>。
== ギャラリー ==