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1,457 バイト追加 、 2023年2月3日 (金) 09:16
[[逃走女神]]としての性質であるが、ティアマトは「逃げ出す」というよりは「倒される女神」である。倒すのは近親であるマルドゥクを始めとした神々である。ヒッタイト神話の[[マリヤ]]にはこのような性格は備わっていなかったかもしれない、と考える。古代エジプトで同系統の子音の女神であるネイトやタニトに「倒される女神」という性質はなく、地中海周辺の地域ではむしろこれらの群の女神は「祖神」あるいは「創造神」といった高い地位を保ったままだったのではないだろうか。ということは「ティアマト」のような「倒される女神」としての性質は後から付け加えたものと思われる。ヨーロッパでは「多神教時代」の女神は、キリスト教の時代になって、その地位は更に低下し、民間伝承の中の「妖精」のようなものとして生き残るようになったと思われる。
 
また「倒される女神」であった部分は、「自ら逃走する女神」へと変化している。メリジューヌが夫に課す「禁忌」は、一般的には彼女の存在を脅かすまでのものとは考えられにくく、禁忌を破るハードルが低く設定されているように思う。しかし、その理由は定かではないが、一般的な女性とは違って、メリュジーヌにはその「禁忌」は人間の世界での存在を左右する重要なものなのである。よって、禁忌が破られ、「人の世界」から逃走するメリュジーヌはある種「夫との愛と信頼を守る戦い」に敗れて死んだ、といえ、その点でマルドゥクとの戦いに敗れて死んだティアマトの姿を投影しているといえる。ただし、「女神がなぜ逃走するのか」という理由は、例えばエジプト神話において逃走する女神であるセクメトのような古い時代の神話でも明らかにはされておらず、「逃走」とは単に「死んだこと」を置き換えただけのことにも思える。要はメリュジーヌは「'''夫に殺された女神である'''」といえる。そして、ティアマトの神話からメリュジーヌの物語までの変遷を見ると、「禁忌を破られて逃走する女神」とは単に「殺された女神」を指すのであることが分かる。
[[嫦娥]]の夫の[[羿]]は「父」ともいえる帝夋の不興を買っており「同族」や「仲間同士」の間での不和があることが示されている。[[羿]]は「弓の名手」とされ、[[黄帝]]の要素が投影された存在である。([[黄帝]]は兄弟である[[炎帝神農|炎帝]]と争いを生じている、と言われている。実際に[[炎帝神農|炎帝]]と[[黄帝]]が兄弟であったか否かは別として、[[羿]]と[[黄帝]]は同族同士の争いを示唆する存在とえる。)その[[羿]]に異母兄と争った[[啓]]の要素が加えられて、メリュジーヌの夫レイモンと[[豊玉毘売]]の夫[[山幸彦と海幸彦|山幸彦]]は作られている。

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