この九星には『雲笈七籤』24巻「北斗九星職位総主」によると別名あり、天枢は第1陽明星とし以下、第2陰精星、第3真人星、第4玄冥星、第5丹元星、第6北極星、第7天関星、第8洞明星(輔星)、第9隠元星(弼星)の魂神であるとする。
=== アルコル ===
'''アルコル''' (Alcor) は、おおぐま座の恒星で4等星。北斗七星を形作るミザールの脇にある。
学名は g Ursae Majoris (略称はg UMa) 、または80 Ursae Majoris (略称は80 UMa)<ref>simbad</ref>。固有名の'''アルコル''' または '''アルコア''' の由来には以下の2つの説がある。
* アラビア語で「かすかなもの」という意味の ''al Khawwar'' に由来するという説<ref>Hara, Allen, Kondo</ref>。
* 元々 |ε星に付けられていた ''al-jaun'' ('''黒い馬、または黒い牡牛''') という名称が、西洋で g星の名称として誤って伝わり、それがラテン語化されたときに訛って Alkor となったとする説<ref>Kunitzsch, Allen</ref>。この説では、本来の名前は「忘れられたもの」「拒絶されたもの」を意味する سها (Suhā) だったとしている<ref>Kunitzsch, Allen</ref>。
2016年6月30日に国際天文学連合の恒星の命名に関するワーキンググループ (Working Group on Star Names, WGSN) は、''Alcor'' をおおぐま座80番星の固有名として正式に承認した<ref>iaucsn</ref>。
[[中国語]]では、この伴星を「[[輔]]星」と呼ぶ。[[北宋]]の時代の[[道教]]の書『[[雲笈七籤]]』24巻「日月星辰部」では、北斗七星に「輔星」「弼星」をあわせ、[[北斗七星#北斗九星|北斗九星]]として記述している。
日本の場合、地方によっては「寿命星」などと呼ばれ、この星が見えなくなると年内に死ぬという言い伝えがある<ref name="nojiri" />。ただし、以前に見えていたアルコルが見えなくなるのは[[老眼]]のせいと考えられるため、全く根拠のない[[迷信]]とは言い切れない部分もある。また「添え星」という呼び名もあり、それは江戸時代の『[[節用集]]』にもあらわれ、[[後陽成天皇]]の[[宸翰]]『星の圖』にもカタカナで書かれている。[[野尻抱影]]は「中国の輔星を訳したものか」と考えた<ref name="nojiri" />。
== 星空における北斗七星 ==