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6 バイト追加 、 2022年11月21日 (月) 13:13
<blockquote>神々の中ではメルクリウスを最も崇拝する。その像も一番数が多く、種々なわざを工夫したものと信じ、旅行者を導くもの、富の獲得や商売に大きな力を持つものと思っている。これに次ぐのはアポローやマルスやイゥピテルやミネルウァである。それについては他の人々と同じような考え方をしている。アポローは病気をはらい、ミネルウァは仕事やわざの手ほどきをし、イゥピテルは大空を支配し、マルスは戦争をつかさどる。戦争しようとする時にはその戦争の獲物をこの神に捧げる。勝てば捕まえた動物を犠牲にし、他の獲物を一箇所に集める。これらの物を積み重ねた山が多くの部族では神聖な場所に見られる。(空引数, カエサル, ガリア戦記)<ref>カエサル, 1968. page=200</ref></blockquote>
カエサルの説明を言葉通りに受け取れば、ガリア人はローマ人と同様に「メルクリウス」や「アポロー」といった神々を信仰していたように見えるが、これは正しくない。カエサルはガリア人の神を指して、それに近い性質をもつローマの神の名前を使用する事でローマ人への説明を行っている。こうしたローマ人による他の民族の神の捉え方をローマ的解釈(Interpretatio Romana)と呼ぶ。カエサルが挙げた神の中で「マルス」がテウタテスを指すものと考えられており<ref>鶴岡, 1999, page=88-89</ref><ref>「各種碑文を証拠に考えるのならマルスと同じ神とするのが正しい.」「だとしたら、テウタテスはマルスと同じ神である可能性が強くなろう.」(デュヴァル, 2001)</ref>、そうだとすれば続く戦の神に捧げた儀式についての記述もテウタテスへのそれを説明した物という事になる。
テウタテスとマルスとの対応は固定的なものではなく、ローマによるガリア平定後に作られた石碑の碑文にはテウタテスは[[マールス|マルス]]<ref>{{RIB|219}} '''''Marti Toutati''' Ti(berius) Claudius Primus Attii liber(tus) v(otum) s(olvit) l(ibens) m(erito)''<br>{{RIB|1017}} ''I(ovi) O(ptimo) M(aximo) et Riocalat(i) '''[To]utat(i) M-[ar(ti)]''' Cocid(i)o [vo]to feci-[t] Vita-[lis]''</ref>だけでなく[[メルクリウス]]<ref>{{CIL|13|6122}} ''Mercur(io) / IOTOUVI[1]E / [3]OEIRNV / OAIRONIS ''; <br>{{AE|1927|70}} ''Merc[urio] / Tou[teno] / temp[lum] / cum [signo] / et orn[amentis] / Virili[s pos(uit)] / v(otum) s(olvit) [l(ibens) l(aetus) m(erito)].''</ref>とも同一視された事が示されている。後述する『コメンタ・ベルネンシア』においても、テウタテスはマルスともメルクリウスとも同一視されている<ref>ガリアにおいてマルスとメルクリウスは性質の近い存在であったと考えられている{{harv|マッカーナ|1991|page=36}}。{{仮リンク|イオウォントゥカルス|en|Iovantucarus}}もマルスとメルクリウスの両方に同一視されている。またヘニッグはアレイで信仰されていた名前の失われたケルトの戦の神が、(戦の神であるマルスではなく)メルクリウスと同一視されていた事を示している{{harv|ギリー|2014|page=18}}。</ref>。またトウティオリクス(Toutiorix)をテウタテスの異形であると見なすのであれば<ref>マイヤーは 『ケルト辞典』においてテウタテスとトウティオリクスで別項を立てている{{harv|マイヤー|2001|pages=154,157}}。</ref>、[[アポローン|アポロ]]とも同一視された事になる<ref>{{CIL|13|7564|R=}} ''In h(onorem) d(omus) d(ivinae) / '''Apollini Tou/tiorigi''' / L(ucius) Marinius / Marinia/nus |(centurio) leg(ionis) VII / Gem(inae) <nowiki>[[Alexan]]</nowiki>/[[d[r]ianae]] vo/ti compos''</ref>。しかしテウタテスはメルクリウスやアポロよりもマルスとの同一視を示す証拠が多い。

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