ケルヌンノスはほとんど常に動物、特に牡鹿と共に描かれる。しばしばこの神特有の動物であり第一の眷属と考えられる牡羊の角をもった'''蛇'''と共に描かれるが、蛇自体も神であったかもしれない。また、これらほど頻繁ではないものの[[ウシ|牡牛]]<sup>1</sup>、[[イヌ|犬]]や[[ラット|ドブネズミ]]などの獣が傍らに描かれることもある。動物と共に描かれることが多いことから、研究者はケルヌンノスを「百獣の神」ないし「野生の神」と呼ぶことがある。特に牡鹿と共に描かれ、これが主要な獲物であったことから「狩猟の神」と呼ばれることもある。興味深いことに「船乗りの柱」はケルヌンノスを水夫や貿易と結びつけるが、古代にはドゥロコルトルムというレミ族の城市だったフランス、シャンパーニュ地方のマルヌ県から出土したケルヌンノスの硬貨入れや、トレウェリ族の居住地内にあったルクセンブルクの Niedercorn-Turbelslach から出土した硬貨を吐き出す鹿などから彼と物質的な豊かさとの関連が伺える。また、この神は森に住む鹿の繁殖力の象徴であったかもしれない。
# [[ランス (マルヌ県)|ランス]]で見られる例。
== 中世の痕跡 ==
この神の痕跡はキリスト教時代にまでたどることができる。[[ウェールズ]]と[[アイルランド]]双方の文学的伝統の中で、この神を仄めかす記述を見つけることができる。ブリタニーでは伝説の聖者、[[カルナック]](Carnac)の[[コーネリ]](Korneli この神の痕跡はキリスト教時代にまでたどることができる。ウェールズとアイルランド双方の文学的伝統の中で、この神を仄めかす記述を見つけることができる。ブリタニーでは伝説の聖者、カルナック(Carnac)のコーネリ(Korneli または Cornély)にケルヌンノスの属性がある。[[イギリス]]の[[民間伝承]]にみられるCornély)にケルヌンノスの属性がある。イギリスの民間伝承にみられる[[狩人ハーン]]([[:en:Herne the Hunter|Herne the Hunter]])もケルヌンノスの[[錯覚|暗示]]であると示唆する説もあるが、ハーンは[[ウィリアム・シェイクスピア]]の劇『[[ウインザーの陽気な女房達]]』第4幕第4場で初めて言及される[[サクソン人]]の生き残りであることから、この説は疑わしい。)もケルヌンノスの暗示であると示唆する説もあるが、ハーンはウィリアム・シェイクスピアの劇『ウインザーの陽気な女房達』第4幕第4場で初めて言及されるサクソン人の生き残りであることから、この説は疑わしい。
== 復興異教主義 ==
[[ウイッカ]]に代表される現代の[[復興異教主義]]運動(Neopaganism)では、角のある神に対する[[崇拝]]が復活した。信奉者はケルヌンノス一般的に生命と豊穣と死のサイクルを追っている。この神の死は現在、通常ウイッカに代表される現代の復興異教主義運動(Neopaganism)では、角のある神に対する崇拝が復活した。信奉者はケルヌンノス一般的に生命と豊穣と死のサイクルを追っている。この神の死は現在、通常[[サウィン]]、すなわち[[10月31日]]に行われるケルトの新年の祭の日に設定されている。、すなわち10月31日に行われるケルトの新年の祭の日に設定されている。
歴史的なケルヌンノスと復興異教主義のそれとの大きな違いは、後者が[[陰茎|男根]]的象徴の傾向を持っていることである(ただし、この特徴は[[ヴァル・カモニカ]]の図像に見られる)。[[パーン (ギリシア神話)|パン]]との混淆や、 [[サバト (魔女)|サバト]]の悪魔[[レオナール]]等の描写から来ているのだろう。