== 解釈 ==
ロバート・グレーヴスによれば、神話のイーノーの先妻[[ネペレー]]の子たちをめぐる争いについては、[[ボイオーティア]]に植民した古代イオニア人と、そこへ侵入してきたアイオリス人の宗教的対立が背景にあったと解釈している。すなわち、イーノーはイオニア人が信仰を受け入れていた穀物の女神であり、牧畜を生業とするアイオリス人は[[雷神]]([[アタマース]])とその妻である雨雲([[ネペレー]])を信仰していた。イーノーの信仰に基づく農耕の祭式を、アイオリス人がアタマースとネペレーのものにしようとしたことに対し、イオニア人の女たちが種麦を焙ることによってこれを食い止めたのであろうとする<refgroup="私注">でも、そんなことしたらイオニア人自身が飢えてしまいますよね? と思う。グレーヴス自身は何も食べなくても生きていけるのかもしれませんが。</ref>。
== 関連項目 ==
== 参考図書 ==
* Wikipedia:[[アポロドーロスhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%8E%E3%83%BC イーノー]]『ギリシア神話』([[高津春繁]]訳、[[岩波文庫]])(最終閲覧日:22-10-27)** アポロドーロス『ギリシア神話』(高津春繁訳、岩波文庫)* [[ロバート・グレーヴス]]『ギリシア神話』(上・下、[[高杉一郎]]訳、[[紀伊國屋書店]])* ロバート・グレーヴス『ギリシア神話』(上・下、高杉一郎訳、紀伊國屋書店)* [[カール・ケレーニイ]]『ギリシアの神話』(「神々の時代」・「英雄の時代」、[[高橋英夫 (評論家)|高橋英夫]]訳、[[中央公論社]])* カール・ケレーニイ『ギリシアの神話』(「神々の時代」・「英雄の時代」、高橋英夫訳、中央公論社)* [[ホメーロス]]『[[オデュッセイアー]]』((上)、[[呉茂一]]訳、岩波文庫)* ホメーロス『オデュッセイアー』((上)、呉茂一訳、岩波文庫)
* 『ギリシア悲劇 IV エウリピデス』(下)より『バッコスの信女』(松平千秋訳、ちくま文庫) (ISBN 4-480-02014-4)