==== 男性の役割について ====
アメタはハイヌウェレの死の非道さをムルア・サテネに訴えでる存在なので、ムルア・サテネに仕える存在、といえる。アメタはココヤシからハイヌウェレを得る能力を持っているし、死んだハイヌウェレをイモに変化させる能力も有しているので、「特別な能力を持った'''シャーマン(媒介)'''」といえる。神であるムルア・サテネと直接の会話もできる。彼は'''狩人'''でもある。アメタが狩人である、という点は、彼の特殊な地位の起源が狩猟採集の時代にまで遡ることを意味すると考える。人々にとって、何よりも重要なのは食料の供給を安定させることだが、そのために'''狩り'''が重要だからこそ'''狩人'''が部族の中で重要視される。農耕と牧畜が開始されれば、'''狩人'''の立場は、「獣に詳しい人」ということで'''牧人'''に変化するように思う。また彼が動物の生態に詳しい点を重視して、動物を思い通りに操れる'''獣の王'''のように見なすようにもなったかもしれない<ref>また、「狩り」は武力の象徴でもあるので、ハイヌウェレ神話では明確でないが、アメタの立場は人々のリーダーである'''王'''にも発展し得る。神と交流する'''シャーマン'''としての性質は'''神官'''に移行し得る。</ref>。要するにアメタは、神々と直接やり取りする立場であるし、食物である動植物を管理する'''管理人'''でもある。でもある。彼はムルア・サテネや人々に食料を供給する役目を負う。
トゥワレはラビエを月に変化させたり、アメタと類似した性質を持つ。よってアメタを「上位トゥワレ」とする。一般のヴェマーレ族の男性はマロ祭りに参加し、普通に同族の女性と子孫を残すことができるが、トゥワレやアメタのように何かを別のものに変化させる能力は持たない。そのため一般のヴェマーレ族の男性を「下位トゥワレ」と呼ぶ。アメタが下位トゥワレ達のリーダーとしての性質も有していれば、アメタは「ヴェマーレ族の王」と呼ぶことも可能かもしれないが、彼らの社会構造と階級制度はそこまでは発展していないのかもしれない。