<span style="color:brown">'''歴史的考察についてのまとめ'''</span>。母系社会において、太陽女神が母女神であった時代には、アメタは女神に生贄を捧げて豊穣を求める存在、'''女神を支える存在'''だった。アメタは女神の親族だが、生贄は「種(たね)としてのよそ者」であって、本来はアメタと区別される存在だった。生贄は、豊穣を求める動物や植物と一体化することを象徴するために、'''生贄の動植物と共に生贄に捧げられ埋められたりした'''。概念的なものだけでなく、現実にも人間の生贄を他部族に求めるようになれば、当然他部族との軋轢が生じる。結果、'''種'''扱いしかされなかったよそ者の生贄が反乱を起こし、ある程度女神の地位にとって代わることになったのだと思う。それが'''豚の太陽'''である。生贄になるはずだったものが、逆に太陽女神を殺し、自らが太陽神を名乗るようになった。そして、その子孫も自らを「'''豚の太陽'''」の化身と名乗るようになったが、一方豚は「'''生贄の動物'''」でもあり続けたので、「'''豚は神なのか、それとも神に捧げる生贄なのか'''」という点で混乱が生じることになった。また太陽女神を始めとして殺された神々は、それぞれに職能があったために完全に排除することはできず、新たに作り直したり、焼き直したりする必要があった。そこで、'''古き神々を神とするのか'''、それとも'''反乱を起こした英雄を神とするのか'''でも混乱が生じることになった。古き神々を「神」とするならば、彼らを倒した英雄は悪者で、せいぜい邪神にしかなり得ない。瓜子姫に害をなしたアマノジャクにょうなものである。反乱を起こした英雄を正しい神とするならば、古き神々はまさにヤマタノオロチのような悪神ということになる。問題の解決法の一つとして、神々を「何でも同じ物」として一つに纏めてしまう方法が試みられたのだと思う。特に男性神を「古き神と新しい神の二つをまとめた存在」としてしまったために、アメタは女神に仕える存在だったのに、その一方で女神を殺して食べてしまう存在にもなる、という矛盾を含む神話が、矛盾を中途半端に解消しようとしたまま作られてしまったのだと思う。実際、これは「黄帝と蚩尤が同じ物」であるとしたり、「テーセウスとミーノータウロスが同じ物」であるとすることと同じなので、物語が伝播する過程で、各民族、各氏族に神話作家達が混乱した物語を作り出してしまっても仕方にないことといえよう。でも混乱が生じることになった。古き神々を「神」とするならば、彼らを倒した英雄は悪者で、せいぜい邪神にしかなり得ない。瓜子姫に害をなしたアマノジャクのようなものである。反乱を起こした英雄を正しい神とするならば、古き神々はまさにヤマタノオロチのような悪神ということになる。問題の解決法の一つとして、神々を「何でも同じ物」として一つに纏めてしまう方法が試みられたのだと思う。特に男性神を「古き神と新しい神の二つをまとめた存在」としてしまったために、アメタは女神に仕える存在だったのに、その一方で女神を殺して食べてしまう存在にもなる、という矛盾を含む神話が、矛盾を中途半端に解消しようとしたまま作られてしまったのだと思う。実際、これは「黄帝と蚩尤が同じ物」であるとしたり、「テーセウスとミーノータウロスが同じ物」であるとすることと同じなので、物語が伝播する過程で、各民族、各氏族に神話作家達が混乱した物語を作り出してしまっても仕方にないことといえよう。
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