* '''天之手力男神''':岩戸隠れの際は岩戸の脇に控えており、アマテラスが岩戸から顔をのぞかせた時、アマテラスを引きずり出して(『日本書紀』の一書や『古語拾遺』では「引き開けて」)、それにより世界に明るさが戻った、とされる神<ref>Wikipedia、[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%8E%E3%82%BF%E3%83%82%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%82%AA アメノタヂカラオ]</ref>。日本の「招日神話」の主役と言える。「手力」とは「田力」とも読み替えられ、単に「男」という字を分解しただけの名な神。鶏雷神の方が情緒があって良かった、と思うのは管理人だけだろうか。
* '''[[天若日子]]''':日本の'''[[羿]]'''といえる気の毒な若者神。古い時代の「'''建御名方命'''の妻と思われる女神」と、妻の名が同じ神。'''建御名方命'''の別形態ともいえると考える。
=== 共工型神 ===
これは水神であった黄帝が悪神化したものと考える。水神が悪神化することは、まず自然現象から説明できるように思う。雨は適切に降れば「恵みの雨」だが、大雨が長期に降れば、農作物を枯らしたり、土砂災害を起こしたりすることがある。大洪水の神話ではないが、洪水を起こすこともある。海の沿岸部であれば大地震の際に津波が起きる。水が人々の生活に悪影響をもたらす自然現象はいくらでもあるのだから、これらの現象を'''「悪い水の神」のせい'''、と単純に考えても不思議ではない。
もう一つ、もっと政治的ともいえる理由だが、水神である黄帝の原型が、母系社会であった頃のミャオ族の[[アペ・コペン]]に由来する、とすると、これは母系の社会制度を擁護する神だし、おそらく神々の社会の頂点にいたであろう女神を擁護する神でもあっただろう、と推察される。社会制度が母系から父系に移行して、女性の社会的地位が低下すれば、神々の世界でも女神の地位は低下するであろうし、それに代わって男性の神の地位が高くなる、と想像される。世界各地の神話でも、最高神が男性とされる神話が多い。そうなれば、かつて「女神を擁護していた男神」の地位は女神の地位の低下と共に低くなるだろうし、場合によっては新興の男性神と「敵対する女神に仕える神」として悪神とされてしまうように思う。共工とは、母系の時代の「良き男性神」だったものが、父系の時代になって'''「体制に逆らう悪神」へと振り替えられてしまった神'''でもある、と考える。おそらく、振り替えが行われる過渡期には、'''「悪い水の神」だけれども「良い神」でもある'''、というような曖昧な性格が割り振られた時期もあったと想像する。
== 神話・伝承における白と黒 ==