* 『水経注』に、晋代の王質という男が山の洞窟で4人の童子が琴を弾いて歌っているのをしばらく聴いた後、家に戻るといつの間にか数十年の時がたっていたという話がある<ref>沖田瑞穂『世界の神話』岩波ジュニア新書2019年、178頁。</ref>。
* 唐代の薛瑩の撰による『竜女伝』。震澤の洞庭山の洞窟に茅公[月+它]<ref>『太平広記』では仰公[目+他])</ref>という漁師が転げ落ちて竜宮にたどり着き、10日程過ごして帰参。東海竜王の第七女を主とするその竜宮に、今度は梁の武帝が羅子春兄弟を使者に遣わし、竜女より返礼として宝珠を得る。使者たちは龍に乗って瞬く間に返る。ただ、もてなしの料理は、包みを開くと石のように固くなってしまった<ref>中田, 1926, pp26-28</ref>。
* 中[[唐]]時代、{{仮リンク|李朝威|zh|李朝威}}によって書かれた伝奇小説「{{仮リンク|柳毅伝|zh|柳毅傳}}」は若い書生柳毅が竜王の娘を助け、[[洞庭湖]]の竜王のもとに赴き、後に娘をめとって竜王となる話である。柳毅は竜王となった後、長い年月がたっても若いままであるが、それは仙薬によるものであると説明されている中唐時代、李朝威によって書かれた伝奇小説「柳毅伝」は若い書生柳毅が竜王の娘を助け、洞庭湖の竜王のもとに赴き、後に娘をめとって竜王となる話である。柳毅は竜王となった後、長い年月がたっても若いままであるが、それは仙薬によるものであると説明されている<ref>{{Cite journal|和書|author=項青 |date=, 1994-10 |url=, https://kokubunken.repo.nii.ac.jp/records/2194 |title=, 研究発表 浦島説話と柳毅伝 ―両作品の文学表現と神仙道教思想の受容― |journal=, 国際日本文学研究集会会議録 |, ISSN=:0387-7280 |publisher=, 国文学研究資料館 |volume=17 |pages=9, volume17, p9-23 |, doi=:10.24619/00002190 |, CRID=:1390009224823180032}}</ref>。* [[アイルランド]]の{{仮リンク|オシーン|en|Oisín}}が、海の乙女{{仮リンク|ニアヴ|en|Niamh (mythology)}}に誘われて「常若の国([[ティル・ナ・ノーグ]])」で何百年かを過ごすという物語がある{{Efn2|ミホール・コミーン Mícheál Coimín アイルランドのオシーン(Oisín)が、海の乙女ニアヴ(Niamh)に誘われて「常若の国(ティル・ナ・ノーグ)」で何百年かを過ごすという物語があるミホール・コミーン(Mícheál Coimín)(1676–1760)による詩「テイール・ナ・ノーグのオシーン(常若の国のオシーン)」で知られる。}}<ref>{{citation|last=松村 |first=賢一 |author-link=<!--松村賢一--> |title=, く巻頭エッセイ〉海辺の誘惑|journal=, 言語 |volume=22 |number=263 |year=, volume22, number263, 1993<!--10月--> |publisher=, 大修館書店 |url=, https://books.google.com/books?id=J4U3AAAAMAAJ |pages=2, p2-3}}</ref><ref>{{harvp|牧野|, 1980|p=120}}。典拠として{{citation|和書|last=土居|first=光知 , p120。典拠として土居光知 <!--Doi Mitsutomo--> |author-link=土居光知 |title=, 神話・伝説の伝播と流転 |work=, 土居光知著作集 |volume=三|year=, volume三, 1977|pages=116, p116-117}}を挙げる。117を挙げる。</ref><ref>[http://www.globe.co.jp/information/myth-fairy/oisin.html ティル・ナ・ノーグへ行ったオーシン(Tir na nog)]エールスクエア</ref>。
* 『[[クルアーン]]』の「洞窟の章」には、[[アッラーフ]]によって309年間洞窟で眠っていた男達の話がある。これは「エフェソスの7人の眠り男」と呼ばれる、[[ローマ帝国]]の迫害から逃れた人々が洞窟に閉じこめられたが、200年以上たった後、そのうちの一人の男が目覚め街に姿を現したという説話が元になっている<ref name="榮谷温子">{{Cite journal|和書|author=榮谷温子 |date=1989-03 |url=https://doi.org/10.15026/51839 |title=エジプトに渡った浦島太郎 : タウフィーク・アル=ハキーム『洞窟の人々』をめぐって |journal=言語文化研究 |ISSN=02877821 |publisher=東京外国語大学大学院外国語学研究科言語・文化研究会 |volume=7 |pages=107-112 |doi=10.15026/51839 |hdl=10108/51839 |CRID=1390015191534187392}}</ref>。
* [[12世紀]]に[[フランス語]]で書かれた『ガンガモールの短詩』では、タイトルヒーローが白い猪を追跡するうちに森の最深部に入り込み美しい宮殿に行きつく。彼はそこの姫君(猪に変身していた)と結ばれ3日間楽しく過ごす。彼は親族と再会するために出発するが、姫に「人間界との境である川を渡り終えたら、飲食を控える」ようにと警告される。彼が故郷に戻ると親族は300年前に亡くなったと知る。彼が野生のリンゴの木から実を3つ取って食べると、たちまち年老いて落馬し動けなくなる。彼は最後に姫君の侍女によって女人の国にと連れ去られる<ref>フィリップ・ヴァルテール『ユーラシアの女性神話-ユーラシア神話試論Ⅱ』([[渡邉浩司]]・渡邉裕美子訳)[[中央大学]]出版部 2021年、ISBN 978-4-8057-5183-1、149-163頁(第8章 異界の女王)、粗筋は150-151頁。</ref>。