それが、三輪山に大物主命を祀るようになって、[[三穂津姫|弥富都比売神]]は「大物主命」の妻に再編させられてしまったものと思われる。もっとも古代の通い婚の時代であれば、饒速日命と大物主命の両方が夫であっても構わないと考える。
とすれば、[[三穂津姫|弥富都比売神]]とは、勢夜陀多良姫命のこと、となる。事代主神は賀茂氏系の神である。賀茂氏、物部氏の神々で、「父、(母)、娘、息子」とは、'''勢夜陀多良姫命'''のこと、となる。事代主神は賀茂氏系の神である。賀茂氏、物部氏の神々で、「父、(母)、娘、息子」という組み合わせになると、伝統的に「'''娘と息子は夫婦'''」ということになるので、'''姫蹈鞴五十鈴姫命と事代主神は「夫婦」'''、すなわち、「'''神武天皇とは事代主神と同じである。賀茂氏と天皇家はほとんど同族である。'''」と、そういう祭神の組み合わせになる。 そして、諸説あるが、神武皇后・姫蹈鞴五十鈴姫命の父親は、物部氏系だと饒速日命、(一応)出雲系だと大国主命(大物主命ということは須佐之男命)、賀茂系だと火雷神になる、とそういうことになってしまう。黄泉の国から帰ってきた後の大国主命は[[須佐之男命]]も同然なので、大物主命もほぼ[[須佐之男命]]なのだ。そして、賀茂系の神話だと、別雷神は、神武天皇と'''同じ'''か、兄弟ということになってしまう。古代における太田田根子とその一派は、そう言いきれるほど、強い影響力を持っていたのだろうか。 ということで、狭井神社は、'''[[三穂津姫|弥富都比売神]]'''の荒魂を祀った神社と思われる。「花を鎮める」とは、春の女神である「佐保比売」を疫神に見立てて「鎮める」祭祀である、といえるのではないだろうか。
== 参考文献 ==