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2,240 バイト追加 、 2024年10月23日 (水)
=== カリストー・ギリシャ神話 ===
<blockquote>カリストーは処女の月女神アルテミスの従者であり、処女を誓っていたが、ゼウスに目をつけられ騙されて関係を持ってしまう。その結果カリストーは妊娠したが、処女の誓いを破ったことを知られたくなくて、隠して主人のアルテミスに仕えていた。しかし、アルテミスと共に沐浴した際に、妊娠がばれてしまい、怒ったアルテミスに熊の姿に変えられてしまう。熊にされたカリストーは狩られて殺されてしまう。ゼウスはカリストーの遺体の中から子供を取りだしマイアに預け、遺体を天にあげておおぐま座に変えた。(Wikipediaより要約) </blockquote>
 
おおぐま座は北斗七星を含むので、これは「天狗食北斗」神話といえる。ハイヌウェレ神話ではサテネはハイヌウェレの死に怒り、ハイヌウェレと共に姿を消す一心同体の女神として現されるが、ギリシャ神話のアルテミスはゼウスに襲われたカリストーに対し、怒り罰を与える。こちらは仕事を怠けた織り姫に罰を与える西王母と同じパターンといえる。'''西王母'''やアルテミスは父系の文化に取り込まれ、父系の身分秩序を守る女神となったため、特に「'''行うべき仕事を怠けている下位の女神'''」を厳しく監督する傾向がある。天狗に襲われた気の毒な月乙女達は、苗族の伝承の中でも
 
'''自分勝手に逃げ出した'''
 
と非難の対象にされている。非難は父系の神話が拡大し、頂点にある天帝やゼウスの権威が高まれば高まるほど、激しくなるようである。天狗(天帝)やゼウスの行いが非難されることはあってはならないからである。
 
アルテミスが処女の女神であることは、彼女がかつて「結婚できなかった月乙女」であったことを伺わせる。「'''結婚できなかった月乙女'''」は父系の神話に取り込まれて「'''厳しく監督する上位の女神'''」と「'''スケープゴート的に非難され罰され殺される下位の女神'''」に分けられてしまったことが分かる。元は同じものであった2つの女神の一方が、虐待的にもう一方を殺す、というパターンは「うりこひめとあまのじゃく」という話へと変遷していくように思う。狩られて殺されたカリストーは「犬に追われて殺された」とも考えられるので、言外に「天狗食北斗」が暗示されているかもしれないと考える。カリストーが北斗の女神である点は、彼女が元は苗族の日月北斗乙女と同様の女神で、北斗女神の姿が強調されたものだということが示唆される。異教時代のヨーロッパでは熊女神信仰が盛んであった。
== 参考文献 ==

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