=== 河姆渡文化 ===
[[画像:Hangzhou.jpeg|thumb|350px|図1,猪紋黒陶鉢<br />新石器時代(河姆渡文化)、1977年浙江省余姚河姆渡文化遺跡出、陶器、高さ11.7cm、口径21.7cm、底径17.5cm、浙江省博物館所蔵<ref>[http://abc0120.net/words/abc2007070901.html 猪紋黒陶鉢]、考古用語辞典、07-07-09</ref>]]
蚩尤は死して植物(楓)に化生する植物神であるので、饕餮もその性質が被っていると思われる。「猪紋黒陶鉢」は猪の紋様の中に植物の葉と「目」が見られ、蚩尤が死して、猪と植物に化生した図と思われる。猪は樹木でもあり、天空の世界をも現している「世界樹」でもあるのではないだろうか(図1)。「目」は天空を駆ける星(彗星あるいは流星)とされたのではないだろうか。蚩尤は死して植物(楓)に化生する植物神であるので、饕餮もその性質が被っていると思われる。「猪紋黒陶鉢」は猪の紋様の中に植物の葉と「目」が見られ、おそらくこの猪は「雄」と思われるが、植物を内包している。猪を生け贄として、その中にある「植物の精」のようなものを、能力のある者が取り出せば、それが植物となって発芽し、植物の豊穣をもたらす、と考えられたのではないだろうか。そのように考えれば、蚩尤あるいは饕餮は
また、この猪が「[[天狗(中国)|天狗]]」の原型であって、殺された恨みから太陽や月を追いかける、とされていたのではないだろうか。植物の霊的な種を内包した獣神
といえる。彼は「植物の父」であるが獣でもある。
=== 良渚文化 ===
また、王権が発生した後は、「獣面紋神」は「豊穣をもたらすもの」として、王権の繁栄をもたらす「王権の父」とも考えられたのではないだろうか。「王(権)の父」となって、それは当代以外の代々の先祖の王達のことも指すようになり、古代中国の王はシャーマンも兼ねるので、「獣面紋神」には「先祖の王」や「シャーマン」の性質も併せて持つようになったと考える。シャーマンは先祖の橙の王と一になれるし、獣の霊とも、植物の霊とも一体になれる存在と考えられたのではないだろうか。
そうして、古代中国の王は人々を政治的に支配するのみならず、様々な霊的存在と交流し、なかだちをする存在ともなり、専制君主として君臨したのである。
=== 縄文中期 ===