Táin Bó Cúailnge(「クーリーの牛追い」)では、コナハトの女王メイヴが雄牛ドン・クアルンゲを奪うためにアルスターへの侵攻を開始する。モリガンは、ギリシャのエリーニュスのアレークトーのようにカラスの姿で雄牛の所に現れ、彼に逃げるよう警告を発した<ref>O'Rahilly, 1976, p152</ref>。クー・フーリンはアルスターを守るため、メイヴの挑戦者たちと浅瀬で一騎打ちを繰り返した。戦いの合間に若い女性として現れたモリガンは、彼に愛と戦いの手助けを申し出るが、クー・フーリンはそれを拒否した。それに対して彼女は、最初は彼をつまずかせるウナギの姿、次に浅瀬で牛を踏みつぶすオオカミの姿、そして最後に、前回の出会いで彼女が警告したとおり、牛の大群を先導する白い赤毛の雌牛の姿で彼の次の戦闘に介入してきたのだった。しかし、クー・フーリンはそれぞれの姿で彼女に傷を負わせ、彼女の妨害にもかかわらず相手を打ち負かした。その後、モリガンは動物の姿と同じ3つの傷を負いながら、牛の乳を搾る老婆の姿でクー・フーリンの前に現れた。彼女はクー・フーリンに3杯のミルクを飲ませた。彼が飲むたびに祝福され、モリガンの傷は癒されていく<ref>O'Rahilly, 1976, pp176–177, 180–182</ref><ref>Cecile (ed & trans) O'Rahilly, http://www.ucc.ie/celt/published/T301035/index.html, Táin Bó Cualnge'' from the Book of Leinster'', 1967, pages193–197</ref>。このことは、モリガンとクー・フーリンが交わした「彼女は三番目の乳から乳を飲ませ、彼女の足は癒された。」というやりとりに表れている。「あなたは以前、私を癒すことはないと言ったわよね」とモリガンは言った。「あなただと知っていたら」クー・フーリンは言った。「決してそうしなかっただろう<ref>Ciaran Carson, The Táin: A New Translation of the Táin Bó Cúlailnge, 2007, page96</ref>。」最後の戦いに向けて軍勢が集結したとき、彼女はこれから起こる流血を予言した<ref>O'Rahilly, 1976, pp229–230</ref>。
ある説では、クー・フーリンが敵に向かって馬を走らせたとき、浅瀬で血まみれの鎧を洗う老婆としてモリガンに遭遇するが、これは彼の死の前兆であったという。