=== ''イーリアス'' ===
自分の美しさを認めないという理由で[[パリス]]を恨んでいるため、トロイアを滅ぼすことに執心しておりトロイア戦争では[[アテーナー]]と組んでギリシア側に味方する<ref name="G" />。ギリシア側の英雄たちを助けて戦いながらアテーナーと力を合わせ、敵対した[[アプロディーテー]]の情人であり自らの息子でもある、戦いを司る神・アレースを撃退する<ref>ホメーロス『イーリアス』5巻。</ref>。また、ギリシア軍の劣勢に気をもむヘーラーはアプロディーテーの宝帯(装着するとあらゆる神や人の心を征服することが出来る)を借りて、トロイア軍を助けたゼウスを魅了し、暫くトロイア戦争のことを忘れさせようとした<ref>ホメーロス『イーリアス』14巻。</ref>。腕っぷしも強く、トロイア軍を支援した[[アルテミス]]を素手で打ちのめす逸話もある<ref name="G" /><ref>ホメーロス『イーリアス』21巻。</ref>。
ヘーラーは『イーリアス』において重要な役割を担っており、叙事詩全体を通していくつかの本に登場する。ヘーラーはパリスが「アプロディーテこそ最も美しい女神」と判断したことからトロイア軍を憎み、戦争中はギリシア軍を支持した。 叙事詩の中で、ヘーラーはトロイア軍を妨害する試みを何度も行っている。1巻と2巻では、ヘラはトロイアを滅ぼさなければならないと宣言している。ヘーラーはアテーナーにアカイア人の戦闘を助けるように説得し、アテーナーは彼らのために戦争に干渉することに同意する<ref name="Iliad">Homer, The Iliad, https://archive.org/details/theiliad02199gut</ref>。