ジェムデット・ナスル時代(紀元前3100年頃〜2900年頃)の印章には、ウル、ラルサ、ザバラム、ウルム、アリナ、そしておそらくケシュなど、様々な都市を表す記号が一定の順序で描かれている<ref>Van der Mierop, 2007, page55</ref>。このリストには、ウルクでイナンナ信仰を支える都市からイナンナへの寄進が報告されていることが反映されていると思われる<ref>Van der Mierop, 2007, page55</ref>。初期王朝時代(前2900年頃〜前2350年頃)のウルの第1期遺跡からは、イナンナのロゼットシンボルと組み合わせた、少し順序の異なる同様の印章が大量に発見されている<ref>Van der Mierop, 2007, page55</ref>。この印章は、イナンナの崇拝のために用意された材料を保存するための倉庫を封印するために使用された<ref>Van der Mierop, 2007, page55</ref>。
紀元前2600年頃のキシュのアガ王の腕輪、紀元前2400年頃のルガル=キサルシ王の石版など、イナンナの名を記した様々な碑文が知られている。