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ページの作成:「'''アズキ'''('''小豆'''、荅、{{Snamei|Vigna angularis}})は、マメ科ササゲ属アズキ亜属に属する一年草種子の…」
'''アズキ'''('''小豆'''、荅、{{Snamei|Vigna angularis}})は、[[マメ科]][[ササゲ属]]アズキ亜属に属する[[一年草]]。[[種子]]は[[豆]]の一種(広義の[[穀物]])である。'''しょうず'''ともいう<ref name="北海道貿易物産振興会">[http://www.dousanhin.com/data/food_dictionary/07_redbean/ 素材図鑑:小豆] 北海道貿易物産振興会(2021年2月21日閲覧)</ref>。

[[ヤブツルアズキ]]([[東アジア]]原産)の栽培種である<ref>歴史的に栽培の始まりは複数の地域(日本を含む)で独立に始まったと考えられる。</ref>。

== 歴史 ==
[[祖先]]の[[野生種]]である[[ヤブツルアズキ]]({{Snamei|V. angularis}} var. {{Snamei|nipponensis}})は[[日本]]から[[ヒマラヤ山脈|ヒマラヤ]]の[[照葉樹林]]帯に分布し、栽培種のアズキは[[極東]]のヤブツルアズキと同じ遺伝的特徴をもつ<ref>星川清親『新編 食用作物』訂正第5版(養賢堂、昭和60年5月10日)p.460</ref>。原産地は一般に[[東アジア]]と考えられているが、[[栽培化]]が起こった地域を再検討する必要がある<ref>{{Cite web |url=https://www.weblio.jp/content/あずき |title=あずきとは何? |accessdate=2019-5-24 |author=日本豆類協会 <!--|authorlink=https://www.mame.or.jp/ 名称が表示されなくなる--> |website=[[Weblio辞書]] |publisher=ウェブリオ株式会社 }}</ref>。

以前は[[インゲンマメ属]](Phaseolus)やアズキ属(Azukia)に入れられていたことがあった<ref>{{Cite web |url=https://www.gene.affrc.go.jp/databases-plant_images_detail.php?plno=5420610005 |title=アズキ |accessdate=2019-5-24 |website=農業生物資源ジーンバンク |work=植物画像データベース |publisher=[[農研機構]]遺伝資源センター }}</ref>。

===日本===
日本では古くから栽培され、[[縄文時代]]の[[遺跡]]から[[発掘]]されているほか、『[[古事記]]』にもその記述がある。[[滋賀県]]の[[粟津湖底遺跡]]([[紀元前]]4000年頃)<ref>滋賀県湖北農業農村振興事務所 [http://www.mame.or.jp/library/pdf_z/055/MJ055-06-SR.pdf 「滋賀県長浜市における小豆の生産振興について」] </ref>や[[登呂遺跡]]([[弥生時代]]、紀元1世紀頃)などから出土しており、古代から各地で栽培されていたと考えられる。

アズキは「小豆」と漢字が当てられるが<ref>対照的に[[ダイズ]]という名前は[[中国大陸]]の[[漢字]]「大豆」由来と考えられる。</ref>、その読みはショウズであり<ref name="北海道貿易物産振興会"/>、アズキは[[大和言葉]]([[和名]])であると考えられる。「アズキ」の名称の[[由来]]については、以下の各説がある<ref>橋本食糧工業 [http://www.hashimoto-foods.co.jp/azuki/ 「あずきのいろいろストーリー」] </ref><ref>農林水産省[[東海農政局]] [http://www.maff.go.jp/tokai/seisan/nosan/daizu/azuki-kaisetu.html 「あずき」] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20130320090114/http://www.maff.go.jp/tokai/seisan/nosan/daizu/azuki-kaisetu.html |date=2013年3月20日 }} </ref>。
* アは赤を意味し、ツキ・ズキが溶けることを意味し、他の豆より調理時間が短いことを意味していた。
* 地方用語でアズ・アヅとは崩れやすいという意味であり、そこから煮崩れしやすいアズキと名付けられた。
* 赤粒木(あかつぶき)からアズキとなった。
* [[平安時代]]の『[[本草和名]]』(ホンゾウワミョウ)には「赤小豆」を阿加阿都岐(アカアツキ)と記述しており<ref>{{cite book|和書|url={{NDLDC|1021076/46}}|title=本草和名|volume=下巻|series=日本古典全集|publisher=日本古典全集刊行会|year=1926}}</ref>、後にアズキとなった。しかしこれではアカアツキのアツキの由来が結局不明のままである。

『古事記』には、殺された[[オオゲツヒメ]]の鼻から小豆が生じたとする。『[[万葉集]]』2580・2582・2899では「あづきなく」(不当に)の「あづき」に「小豆」の漢字をあてており、この語が[[奈良時代]]からあったことがわかる。

==栽培、品種==
{{節スタブ}}
日本における栽培面積の6割以上、[[生産量]]の4分の3を[[北海道]]が占める<ref>豆類協会 [http://www.mame.or.jp/seisan/seisan_yunyuu.html 「国内生産」] </ref>。北海道のほか、[[丹波国|丹波]](現在の[[兵庫県]]北東部や[[京都府]]北部など)、[[備中国|備中]](現在の[[岡山県]]西部)が、日本の三大産地である。低温に弱く、[[霜]]害を受けやすいため、霜の降りなくなった時期に[[播種]]される。

日本産の[[品種]]には以下のようなものがある。
えりも小豆の開発によって、収穫量は大幅に増大した。
* '''大納言''' (大粒種) - 5.8ミリメートルの[[篩]]にかかり、小豆より大きく色が濃い品種は[[尾張国]](現在の[[愛知県]]西部)名産だったことから、尾張大納言に因んでこの名称で呼ぶ<ref>[https://dictionary.goo.ne.jp/jn/134061/meaning/m0u/ デジタル大辞泉(だいなごん‐あずき / 大納言小豆)][[小学館]](2017年6月02日閲覧)</ref>。また、煮たときに皮が破れにくく、いわゆる「腹切れ」が生じにくいため、'''[[切腹]]の習慣がないほど高位な[[官職]]であった[[大納言]]'''から名付けられたという説<ref>[https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/ohagi_kyoto.html 農林水産省のおはぎの説明ページ]</ref>や、豆の形が[[烏帽子]]に似ているからという説もある<ref>農林水産省[http://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/0912/01.html 「小豆(あずき)の大納言の名前の由来を教えてください」] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20150121012202/http://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/0912/01.html |date=2015年1月21日 }} </ref><ref>[https://www.mame.or.jp/syurui/feature/syurui_02.html 「大納言」]日本豆類協会</ref>。[[美方大納言小豆]]のほか、丹波、馬路、備中、あかね、ほくと、とよみ、ほまれ、など。<!--品種名なので、令制国名や地名へのリンクは不適切-->
* '''中納言''' (普通小豆) - えりも、しゅまり、きたのおとめ、さほろ、など。
* {{読み仮名|'''[[白小豆]]'''|しろあずき・しろしょうず}}{{efn2|北海道の品種など<ref>{{cite web|url=https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/4010001039 |title=ホッカイシロショウズ |website=アグリナレッジ |publisher=農林水産省 |year=2017 |accessdate=2020-01-13}}</ref>、"しろしょうず"と呼びならわすようになっている。}} - 主な産地は、備中、丹波、北海道。[[白小豆]]は栽培が難しい為、希少で高価。赤小豆とはまた違った独特のさっぱりした[[風味]]が特徴。特に{{読み仮名|備中白小豆|びっちゅうしろしょうず}}は最高級とされる<ref>{{citation|和書|author=三宅曜子<!--株式会社クリエイティブ・ワイズ 代表取締役 --> |title=素材の特徴から創り上げるブランド商品とは |magazine=旬レポ中国地域 |publisher=[[経済産業省]][[中国経済産業局]]<!--Chugoku Bureau of Economy , Trade and Industry--> |year=2013-03 |url=https://www.chugoku.meti.go.jp/info/densikoho/24fy/h2503/sutekihakken.pdf|page=3}}</ref>。
* '''黒小豆''' - [[東北地方]]や[[沖縄]]などでは[[ササゲ|黒ささげ]]を「黒小豆」と呼ぶ地域がある<ref>「[http://www.mame.or.jp/syurui/syurui_03.html ささげ]」豆類協会(2015年9月15日閲覧)</ref>。

== 利用 ==
=== 食用 ===
==== 赤飯等 ====
古くは[[赤米]]で炊いたご飯が[[赤飯]]であったが、現在は少量のアズキ入りの[[おこわ]]または[[もち米]]の[[飯]]が、一部地域を除いて、最も一般的な赤飯となっている。ただし、小豆は水に浸して戻すための浸漬時間を長くするほど加熱中に割れる「胴切れ」が起きやすくなる<ref>{{Cite web |url=https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/06/13/1306691_04.pdf |title=第3章 調理室における衛生管理&調理技術マニュアル |publisher=文部科学省 |accessdate=2020-06-06}}</ref>。[[関東地方]]などでは「切腹に通じる」として武家では避けられ、赤飯に小豆ではなく皮が破れにくい[[ササゲ]]を用いる地域もある<ref>{{Cite web |url=https://www.maff.go.jp/tokai/seisan/shinko/daizu/hyakka/sasage.html |title=ささげ |publisher=農林水産省東海農政局 |accessdate=2020-06-06}}</ref>。

また、[[ハレとケ|祝事]]の席で食す料理の一つに[[白米]]と小豆で作った[[小豆粥]](あづきがゆ)がある<ref name="小正月">{{cite web|title=小豆粥はいつ食べる?|url= https://www.olive-hitomawashi.com/column/2021/01/post-13114.html|publisher=ディライトクリエイション|date=2021/1/15|accessdate=2021/12/31}}</ref>。日本では1月15日([[小正月]])に邪気を払い、一年の健康を願って、小豆粥を食する風習が[[年中行事]]として残る{{r|小正月}}。

==== 菓子類 ====
[[和菓子]]や中華菓子の重要な原料の一つ。和菓子業界では'''しょうず'''とも呼ぶ。[[餡]](あん)にして、[[饅頭]]、[[最中]]、[[どら焼き]]、[[たい焼き]]、[[今川焼き]]、[[あんパン]]などの中に入れる。[[牡丹餅]]の重要な材料でもあり、[[節句]]などの行事でも使用されている。
* 煮てから[[寒天]]などを加えて[[羊羹]](ようかん)にする。
* 煮て小豆汁にし、[[餅]]などを入れて[[汁粉]]にする。
* 煮た餡状ものに餅を入れ[[ぜんざい]]にしたり、[[みつまめ]]([[あんみつ]])や[[かき氷]]にかけたり、[[アイスキャンディー]]の原料にも使用されたりする。

==== 郷土料理等 ====
* 地域によってアズキと他のものを一緒に煮た「[[いとこ煮]]」「[[煮ごめ]]」という[[郷土料理]]が伝わっている。
* [[味噌]]や[[醤油]]を作るのに[[大豆]]の代わりに用いる例もある。

==== 栄養価 ====
種子は低[[脂質]]で[[炭水化物]]が多く、他の[[豆]]類同様に高蛋白で[[食物繊維]]が豊富であり、[[ミネラル|無機質]]や[[ビタミン]]も多く含む。約20%は[[タンパク質]]で[[栄養価]]が高く、[[カリウム]]や[[亜鉛]]などの[[ミネラル]]も豊富である。[[ビタミンB1]]が豊富であるが、餡等にすると激減する<ref>{{Cite web |url=https://kotobank.jp/word/アズキ-692347#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89.E3.83.97.E3.83.A9.E3.82.B9 |title=アズキとは |accessdate=2019-5-24 |author=食の医学館 |website=[[コトバンク]] |publisher=朝日新聞社 }}</ref>。

赤い品種の皮に含まれる紫色[[色素]]は、歴史的に[[アントシアニン]]であると信じられていたが、2019年にこの紫色色素として[[シアニジン]]と[[カテキン]]が縮環した[[疎水性]]物質カテキノピラノシアニジン類が発見された<ref name="YoshidaNagai2019">{{cite journal|last1=Yoshida|first1=Kumi|last2=Nagai|first2=Nobukazu|last3=Ichikawa|first3=Yoshiki|last4=Goto|first4=Miki|last5=Kazuma|first5=Kohei|last6=Oyama|first6=Kin-ichi|last7=Koga|first7=Kazushi|last8=Hashimoto|first8=Masaru|last9=Iuchi|first9=Satoru|last10=Takaya|first10=Yoshiaki|last11=Kondo|first11=Tadao|title=Structure of two purple pigments, catechiopyranocyanidins A and B from the seed-coat of the small red bean, Vigna angularis|journal=[[Scientific Reports|Sci. Rep.]]|volume=9|issue=1|year=2019|doi=10.1038/s41598-018-37641-0}}</ref>。

* [[サポニン]]による鎮咳作用や[[タンパク質]]、ミネラルの作用を利用した[[薬膳]]にも欠かせない素材の一つである。
* アズキのサポニンには、[[α-グルコシダーゼ]]阻害作用があり、[[血糖値]]を抑制する効果がある。<ref>齋藤優介, 西繁典, 小疇浩 ほか「[https://doi.org/10.3136/nskkk.54.563 豆類ポリフェノールの抗酸化活性ならびにα-アミラーゼおよびα-グルコシダーゼ阻害活性]」『日本食品科学工学会誌』2007年 54巻 12号 p.563-567, {{doi|10.3136/nskkk.54.563}}, 10.3136/nskkk.54.563</ref>(詳細は[[豆]]を参照のこと)。
* アズキの[[フラボノイド]]類や[[ポリフェノール]]には[[ビタミンC]]や[[抗酸化剤]]である[[BHA]]と同程度の[[抗酸化物質|抗酸化作用]]を示した<ref>堀由美子, 村社知美, 福村基徳 ほか「[https://doi.org/10.4327/jsnfs.62.3 アズキ熱水抽出物 (アズキ煮汁) の成分とその抗酸化能]」『日本栄養・食糧学会誌』2008年 62巻 1号 p.3-11, {{doi|10.4327/jsnfs.62.3}}</ref>。抗酸化能や[[肝臓]]の保護作用も認められている<ref>小嶋道之, 山下慎司, 西繁典 ほか「[https://doi.org/10.3136/nskkk.53.386 小豆ポリフェノールの生体内抗酸化活性と肝臓保護作用]」『日本食品科学工学会誌』2006年 53巻 7号 p.386-392, {{doi|10.3136/nskkk.53.386}}, 日本食品科学工学会 </ref>。アズキは最も抗酸化能が高い食品の一つである<ref>
Mark T. Sampson, [http://www.eurekalert.org/pub_releases/2004-06/aas-lus061504.php Largest USDA study of food antioxidants reveals best sources], American Chemical Society, Public Release: 16-Jun-2004, Eurek Alert, 2016年9月4日閲覧</ref>。アズキは抗酸化能の指標である[[酸素ラジカル吸収能]]が最も高い食品の一つである<ref name=efsa>{{cite journal2|language=en |url=http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/1489.htm |doi=10.2903/j.efsa.2010.1489 |title=Scientific Opinion on the substantiation of health claims related to various food(s)/food constituent(s) and protection of cells from premature aging, antioxidant activity, antioxidant content and antioxidant properties, and protection of DNA, proteins and lipids from oxidative damage pursuant to Article 13(1) of Regulation (EC) No 1924/20061 |author=EFSA Panel on Dietetic Products, Nutrition and Allergies |journal=EFSA Journal |year=2010 |volume=8 |issue=2 |pages=1489|doi-broken-date=2015-01-14 }}</ref><ref name=USDAx>{{cite web |url=http://www.ars.usda.gov/services/docs.htm?docid=15866 |title=Withdrawn: Oxygen Radical Absorbance Capacity (ORAC) of Selected Foods, Release 2 (2010) |author= |date=16 May 2012 |work= |publisher=United States Department of Agriculture, Agricultural Research Service |accessdate=13 June 2012}}</ref>。
* 動物実験においてアズキ粉末には、血糖値上昇抑制作用<ref>小嶋道之, 西繁典, 齋藤優介 ほか「[https://doi.org/10.3136/nskkk.54.50 小豆ポリフェノールの単回および継続投与が血清グルコース濃度に及ぼす影響]」『日本食品科学工学会誌』2007年 54巻 1号 p.50-53, {{doi|10.3136/nskkk.54.50}}, 日本食品科学工学会</ref>、体重増加抑制作用<ref>小嶋道之, 西繁典, 齋藤優介 ほか「[https://doi.org/10.3136/nskkk.54.229 小豆ポリフェノール飲料による高脂肪食投与雌マウスの体重増加抑制]」『日本食品科学工学会誌』2007年 54巻 5号 p.229-232, {{doi|10.3136/nskkk.54.229}}, 日本食品科学工学会</ref>、血清[[コレステロール]]濃度抑制作用<ref>小嶋道之, 西繁典, 山下慎司 ほか「[https://doi.org/10.3136/nskkk.53.380 小豆エタノール抽出物添加飼料によるラットの血清コレステロール濃度抑制]」『日本食品科学工学会誌』2006年 53巻 7号 p.380-385, {{doi|10.3136/nskkk.53.380}}, 日本食品科学工学会</ref>、[[血圧]]上昇抑制作用<ref>佐藤伸, 向井友花, 嵯峨井勝「ポリフェノールを含む小豆抽出物が高血圧自然発症ラットの血圧上昇および内皮型一酸化窒素合成酵素の発現に及ぼす影響」『日本衛生学雑誌』2008年 63巻 2号 p.489, {{naid|10024477587}}</ref>が報告されている<ref name=konishi>小西 史子ほか「[https://doi.org/10.11428/jhej.63.301 小豆焙煎粉の抗酸化能と小学校家庭科教材への活用]」『日本家政学会誌』2012年 63巻 6号 p.301-307, {{doi|10.11428/jhej.63.301}}, 日本家政学会</ref>。
* [[界面活性作用]]があるサポニンには、[[抗菌作用]]、[[溶血]]作用、抗[[炎症]]作用、[[脂質]]代謝改善作用などが報告されている<ref name=ito>伊藤智広, 伊藤裕子, 水谷峰雄 ほか「[https://doi.org/10.3136/nskkk.49.339 ヒト胃癌細胞におけるアズキ熱水抽出物によるアポトーシス誘導]」『日本食品科学工学会誌』2002年 49巻 5号 p.339-344, {{doi|10.3136/nskkk.49.339}}, 日本食品科学工学会</ref>。
* アズキ煮汁抽出物は、ヒト[[胃がん]]細胞に[[アポトーシス]]を誘導したが正常細胞には影響を与えなかった<ref name=ito/>。

=== 食用以外の用途 ===
* [[お手玉]]のなかの材料
* [[楽器]]の材料
* [[擬音]]の発生材料 - 竹籠と組み合わせて波の音を表したり、紙の上に落として大粒の雨の降る音を表したりする。
* [[枕]]の詰め物
* 粥占い<ref>中西裕二「[http://id.nii.ac.jp/1316/00002741/ 民間信仰と正当性の所在: 粥占という事例から]」『福岡大学研究部論集 A:人文科学編』2006年3月 5巻 6号 p.21-37, {{ncid|AA11584634}}, [[福岡大学]]研究推進部</ref>の材料の一つとしてアズキが用いられ日本各地の[[神社]]に伝わる<ref>服部純子「[http://id.nii.ac.jp/1130/00000984/ 農耕者と漁撈者の比較心理(2) : 神祭祀を通しての信仰心]」『国際基督教大学学報. I-A, 教育研究』1999年 41巻 p.147-170, {{naid|110007324620}}, [[国際基督教大学]]</ref>。神前で[[小豆粥]]を炊き、その煮え具合で[[吉凶]]を判断する<ref>水谷令子, 久保さつき, 西村亜希子、「[https://doi.org/10.2740/jisdh.7.2_55 三重県における粥占い神事]」『日本食生活学会誌』1996年 7巻 2号 p.55-61, {{doi|10.2740/jisdh.7.2_55}}, 日本食生活学会</ref>。

== 逸話など ==
{{複数の問題|section=1|出典の明記=2022年1月|雑多=2022年1月}}
* アズキは[[商品先物取引]]の対象になっている。生産が[[天候]]に左右されやすく、年によって[[価格]]が乱高下するほか、[[投機]]の対象としても国内外の資金が大量に流入することによる暴騰暴落が、古くより幾度も繰り返されてきた。他品目との比較でも[[ハイリスク]][[ハイリターン]]という一面があり、かつては「素人は小豆と[[絹|生糸]]には手を出すな」という言葉もあった。また[[梶山季之]]は小豆市場を題材とした小説『[[赤いダイヤ]]』を著した。ただ、現状では商品先物取引においてアズキの取引高は、他の上場商品と比べて少なくなっており、生産技術の向上もあって、こうした現象は過去のものとなっている。ちなみに、商品先物取引においては、小豆は「アズキ」より「'''ショウズ'''」という言い方が一般的である。
* [[第一次世界大戦]]戦中戦後、[[エンドウ]]、[[インゲン]]の産地である[[中欧]]方面が戦火で荒廃し、代用として、[[ヨーロッパ]]へ日本から大量に[[輸出]]されたが、「渋く苦い食べ物」という印象をヨーロッパ人に植え付けた。
* [[朝鮮]]でもアズキは食用であるが、伝統的には[[雑穀]]粥のような食べ方であり、餡や羊羹のような甘く煮詰めた食べ方は[[韓国併合|併合期]]以降に広まったものである。
* 地方によっては[[小豆洗い]]という[[妖怪]]が[[民話]]に登場する。この他、『[[遠野物語]]』の記述では、体中に小豆をまとった得体の知れぬもの(未確認生物)が[[物見山]]中に現れ、[[南部藩]]の[[侍]]が[[鉄砲]]を撃つも玉が当たらず、逃げられ、この件から「小豆平」という地名になったという由来がある。
* [[井村屋製菓]]では、毎月1日を「あずきの日」と定めている。

== 博物館施設 ==
* [[あずきミュージアム]]

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Notelist2}}
=== 出典 ===
{{Reflist|30em}}

==関連項目==
{{ウィキポータルリンク|食|[[画像:2013 09 10 Tomate.jpg|50px|Portal:食]]}}
{{Commons&cat|Vigna angularis}}
{{wikispecies|Vigna angularis}}
* [[美方大納言小豆]] - アズキの一種
* [[小豆洗い]] - 妖怪の名前
* [[小豆色]] - アズキの実の色
* [[小豆坂の戦い]] - 戦国時代の合戦
* [[ササゲ]]
* [[商品先物取引]]
* [[大豆]]

== 外部リンク ==
* [https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/sakkyou_kome/ 作況調査(水陸稲、麦類、豆類、かんしょ、飼肥料作物、工芸農作物)]農林水産省
* 甲元眞之:「[https://hdl.handle.net/2298/22905 稲作の伝来]」 『青驪』 2巻, 2005-7-15 p.37-40, 熊本大学

{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:あすき}}
[[Category:アズキ|*]]
[[Category:日本神話]]
[[Category:植物]]

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