挿し木苗と実生苗では特に初期の成長に差が出ることがしばしば指摘されており、実生苗の方が成長が良いというものが多い。成長の差から積雪地では挿し木苗が不利であるとするものもある<ref>宮下智弘 (2007) 多雪地帯に植栽されたスギ挿し木苗と実生苗の幼齢期における成育特性の比較. 日本森林学会誌89(6), pp. 369 - 373, doi:10.4005/jjfs.89.369</ref>。挿し木林業が盛んなところは九州や千葉県など比較的雪の少ない所に多い。
耐塩性については品種、及び樹齢によって異なるとされる<ref>青木正則・石川春彦 (1971) スギ品種の耐塩性の差異について. 日本林学会誌53(4), pp. 108 - 112. {{doi|:10.11519/jjfs1953.53.4_108}}</ref>。
スギの葉を好んで食べる昆虫はあまり知られていないが、[[スギドクガ]](スギの葉を好んで食べる昆虫はあまり知られていないが、スギドクガ(''Calliteara argentata'')の幼虫が時に大発生し被害が大きい場合は成木でも枯死に至ることがあるという<ref>古野東洲・中井勇・里見武志 (1993)スギドクガに食害されたスギの生育. 日本林学会関西支部論文集2, pp. 193 - 196. {{doi|:10.20660/safskansai.2.0_193}}</ref>。スギドクガは新葉より旧葉を好んで食べるという<ref>柴田叡弌・西口陽康 (1980) 大発生時のスギドクガ幼虫密度と被害葉量について. 日本林学会誌60(2), pp. 398 - 401. {{doi|:10.11519/jjfs1953.62.10_398}}</ref>。シカやウサギなどもスギの葉を食べ、特に苗木に関しては問題になる。クマやシカが樹皮をはいでしまうことがある。。'''シカやウサギなどもスギの葉を食べ'''、特に苗木に関しては問題になる。クマやシカが樹皮をはいでしまうことがある。
スギは長寿の樹木である。寿命について[[屋久島]]に存在する[[縄文杉]]が樹齢7200年という説がしばしばいわれるが{{sfn|辻井達一|1995|p=44}}、縄文杉は中心部分が腐って消失しており年輪による測定ができないために推定値に留まる。
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Cryptomeria japonica seedling in early spring.jpg|冬季は褐色に変色するスギの葉
Swamps in Kitayama Sugi forestry in Seryō ravine 06.jpg|沢沿いに成立したスギ林
New breed Dai Sugi 01.jpg|[[萌芽更新]]能力を活かした京都の「台杉」林業
Kazo Aino River Natural Levee And Riparian Dune 2.JPG|参考:アカマツ林の林床。アレロパシーがあるとされ林床に植生が乏しい
Arbuscular mycorrhiza microscope.jpg|アーバスキュラー菌根
Positive effects of arbuscular mycorrhizal (AM) colonization.png|アーバスキュラー菌根による効果の模式図
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スギは[[風媒花]]で、3 - 4月の開花期は大量の[[花粉]]を飛散させる{{sfn|平野隆久監修 永岡書店編|1997|p=286}}。スギ花粉が長距離を飛ぶために遠くの産地のものを植えることは天然林の遺伝子汚染を引き起こしやすいとされる<ref>津村義彦(2012)日本の森林樹木の地理的遺伝構造(1)スギ(ヒノキ科スギ属). 森林遺伝育種1(1), pp. 17 - 22 {{doi|10.32135/fgtb.1.1_17}}</ref>。