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ヨーロッパや中国など牧畜が盛んであった地域では家畜を襲う害獣として忌み嫌われる傾向にあり、逆に日本(北海道を除く)のように農業が盛んであった地域では、農作物へ被害をあたえる[[シカ]]などの害獣を駆除する益獣として、怖れをもたれると同時に慕われもした。また、アイヌやネイティブアメリカンなどのように、狩猟採集生活が盛んであった民族でも神格化されることがある。
===神話、伝説、民俗===
* 中世ヨーロッパにおいては、狼はしばしば'''死や恐怖の対象'''として描写される。北欧神話では巨大な狼である[[フェンリル]]が神々の敵として描かれている。童話の『[[赤頭巾]]』では、狼は赤頭巾を食べようとする悪役として描かれている。18世紀中旬には、「[[ジェヴォーダンの獣]]」と呼ばれる巨大な狼(大[[山猫]]とも)が出現したとされ、フランス中部地方を震撼させた。しかし、オオカミは一匹だけで大きな獲物を狩る習性はなく、臆病な動物であるため、科学的に見てこの事件にオオカミは関わっていないとされている。
* キリスト教でも、狼は邪悪な害獣として扱われることが多く、[[七つの大罪]]では、[[ユニコーン]]や[[ドラゴン]]と同じく『憤怒』を象徴する動物として扱われることがある。
=== 指導者や神 ===
* 日本語のオオカミの語源は'''大神'''(おおかみ)とするように、日本では古くから狼信仰が存在している。日本書紀』には狼のことを「かしこき神(貴神)にしてあらわざをこのむ」と記述されており、また『大和国風土記』(逸文)には「[[真神]]」として神格化されたことが語られている。山の神として山岳信仰とも結びついており、狼信仰の中心となった飯舘[[山津見神社]]や秩父[[三峯神社]]や[[武蔵御嶽神社]]の[[狛犬]]はオオカミである。
* [[エジプト神話]]には、狼の姿をした軍神エジプト神話には、狼の姿をした軍神[[ウプウアウト]]がおり、その名前は「道の開拓者」の意であり、戦場や[[冥界]]の水先案内人とされた。* [[アリストテレス]]の『[[動物誌 (アリストテレス)|動物誌]]』によると、[[ギリシア神話]]にてアリストテレスの『動物誌』によると、ギリシア神話にて[[アポローン]]と[[アルテミス]]の双子を産んだ[[レートー]]は牝狼であるとしている。は'''牝狼'''であるとしている。* [[古代ローマ]]の建国神話では、双子の建国者である古代ローマの建国神話では、双子の建国者である[[ロムルス]]と[[レムス]]は{{ill2|雌狼|en|She<ef>雌狼(She-wolf (Roman mythology)}} に育てられたとされる。牝狼の乳房を吸う双子を描いたローマ時代の像が[[カピトリーノ博物館]]に所蔵されている。)</ref>に育てられたとされる。牝狼の乳房を吸う双子を描いたローマ時代の像がカピトリーノ博物館に所蔵されている。* [[北アジア]]の[[テュルク系]][[遊牧国家]]・[[突厥]]の中核となった氏族の[[阿史那氏]]には、戦いで置き去りにされた子供と北アジアのテュルク系遊牧国家・突厥の中核となった氏族の阿史那氏には、戦いで置き去りにされた子供と[[アセナ]]という牝狼の間に誕生した子供たちが阿史那氏の祖先であるという神話伝承がある。狼は阿史那氏の[[トーテム]]であったほか、近代の[[トルコ|トルコ共和国]]でもトルコ民族の象徴として親しまれたりナショナリズムの象徴となったりしている。という牝狼の間に誕生した子供たちが阿史那氏の祖先であるという神話伝承がある。狼は阿史那氏のトーテムであったほか、近代のトルコ共和国でもトルコ民族の象徴として親しまれたりナショナリズムの象徴となったりしている。* [[モンゴル人]]の祖はモンゴル人の祖は[[ボルテ・チノ]](モンゴル語で「灰色の狼」の意)と呼ばれる。* [[ウェセックス王国]]の君主ウェセックス王国の君主[[エゼルウルフ]]は「高貴なる狼」の意であり、民族的に繋がりがあるドイツ人の名前であるアドルフはエゼルウルフから来た語である。* [[ナチス・ドイツ]][[総統#ドイツ|総統]][[アドルフ・ヒトラー]]は、ニックネームとして「ヴォルフナチス・ドイツ総統アドルフ・ヒトラーは、ニックネームとして「ヴォルフ(狼)」を使用した<ref>[http://www.christianengl.de/wolfsschanze.html Im Führerhauptquartier (FHQ)]</ref> === 題材とした作品など ===* オオカミが登場する童話には、『[[三匹の子豚]]』、グリム童話の『[[狼と七匹の子山羊]]』『[[赤ずきん]]』、[[イソップ寓話]]の『[[嘘をつく子供]]』、米国の昔話『オオカミになった弟』などがある。[[悪いオオカミ]]も参照。
== 分布・亜種 ==
===軍事===
* 上記のヒトラー用に[[第二次世界大戦]]期に建設された[[総統大本営]]として[[ヴェアヴォルフ (総統大本営)|ヴェアヴォルフ]]と[[ヴォルフスシャンツェ]](狼の砦)があった。上記のヒトラー用に第二次世界大戦期に建設された総統大本営としてヴェアヴォルフとヴォルフスシャンツェ(狼の砦)があった。* 第二次世界大戦で[[ドイツ海軍]]は、[[Uボート]]が複数で商船を襲撃する[[群狼戦術]](ウルフパック)を使用した第二次世界大戦でドイツ海軍は、Uボートが複数で商船を襲撃する群狼戦術(ウルフパック)を使用した<ref>『狼群作戦の黄昏』[[朝日ソノラマ]]新戦史シリーズ『狼群作戦の黄昏』朝日ソノラマ新戦史シリーズ</ref>。* [[大日本帝国海軍|日本海軍]][[重巡洋艦]]「[[足柄 (重巡洋艦)|足柄]]」 日本海軍重巡洋艦「足柄」 - [[英国]][[ジョージ6世戴冠記念観艦式]]に派遣され、現地で「血に飢えたオオカミ」と綽名された。 === 題材とした作品など ===* オオカミが登場する童話には、『[[三匹の子豚]]』、[[グリム童話]]の『[[狼と七匹の子山羊]]』『[[赤ずきん]]』、[[イソップ寓話]]の『[[嘘をつく子供]]』、米国の昔話『オオカミになった弟』などがある。[[悪いオオカミ]]も参照。* 日本の[[アニメーション]]や漫画、絵本にもキーパーソンとしてオオカミはしばしば登場する。『[[狼少年ケン]]』のオオカミ一族、『[[もののけ姫]]』のモロ(山犬の神)、『[[チリンの鈴]]』のウォー(仇を育てた狼)など育て親のイメージの役割と『[[ドン・チャック物語]]』のラッパ狼、『[[名探偵ホームズ]]』のモリアーティ教授など悪役のイメージのものが多い。* 一方『[[おおかみこどもの雨と雪]]』では、その悪役のイメージを逆手に取り、[[狼男|狼人間]]と人間の間に生まれた“おおかみこども”が「オオカミはなぜどの物語も悪役なのか」と母に泣きつくシーンが登場する。同様に、[[緑黄色社会]]の楽曲「[[Mela!]]」のミュージックビデオも、「あなたはあなたの物語の主人公」というメッセージのもと、周囲から疎まれていた主人公のオオカミが自分を変えていくストーリー設定になっている<ref>[https://skream.jp/news/2020/04/ryokushaka_mela_cm_mv.php 緑黄色社会、新曲「Mela!」が玉城ティナ出演"パルティ カラーリングミルク"CM曲に決定&先行配信スタート。クリエイター8名によるMVも本日4/13プレミア公開] Skream! 劇ロックエンタテインメント 2020年4月13日</ref>。* また『[[あらしのよるに]]』のガブ、『[[おれたちともだち]]』シリーズのオオカミさんのように主役のパートナーとして登場する作品が現れるようになってきた。ロシアのアニメーション『狐と兎』でもウサギを手助けするキャラクターのひとりとしてオオカミが登場する。また、米国の[[ファンタジー]]小説『[[ベルガリアード物語]]』に登場する老魔術師[[ベルガラス]]とその妻[[ポレドラ]]なども、主人公を助ける重要なキャラクターである。* オオカミを孤高の象徴として捉えた作品が登場するようになってきた。『狐と兎』の作家[[ユーリ・ノルシュテイン]]の代表作品、『[[:en:Tale of Tales (film)|話の話]]』ではオオカミの子が人々の平和と悲しみの時代の記憶をたどる非常に重要な役割を持って登場する。[[平井和正]]の作品『[[ウルフガイ]]』『[[アダルト・ウルフガイ]]』などのシリーズでは[[狼男|狼人間]]である主人公を通してオオカミの孤高性が多く語られる。アニメーション『[[WOLF'S RAIN]]』の主人公たちは人間に姿を変えることのできる狼であり、オオカミの神性と孤高が描かれた。『やっぱりおおかみ』は仲間を探して旅をする一匹狼の絵本。結局仲間は見つからず、舌打ちする内容。* コンピューターゲームには、日本古来のオオカミの神性を題材とした『[[大神 (ゲーム)|大神]](おおかみ)』などがある。* 団結の象徴として、[[Jリーグ]]の[[セレッソ大阪]]ではマスコットにオオカミ(愛称[[ノブレ・バリエンテ・アッチェ・ロビート・デ・セレッソ|ロビー]])を採用している。* [[セルゲイ・プロコフィエフ]]の台本・作曲による交響的物語『[[ピーターと狼]]』は子ども向け[[クラシック音楽]]入門作として名高い。* 米国のファンタジー小説『[[ファオランの冒険]]』では、部族ごとに群れをなし、厳しい掟によって自らを律するオオカミたちの生態が描かれている。* [[スズキ (企業)|スズキ]]のオートバイ『[[スズキ・ウルフ|ウルフ]]』はオオカミが力強さとスピードをイメージさせることからその名が付けられた。 == 脚注 =={{脚注ヘルプ}} === 注釈 ==={{notelist2}} === 出典 ==={{Reflist|30em}}英国ジョージ6世戴冠記念観艦式に派遣され、現地で「血に飢えたオオカミ」と綽名された。
== 関連項目 ==
{{Commons|Canis lupus}}{{Wikispecies|Canis lupus}}{{Wiktionary|おおかみ|オオカミ|狼}}* [[ニホンオオカミ]]* [[アメリカアカオオカミ]]* [[イヌ]]/[[イヌ属]]* [[狼犬]]* [[狼爪]]* [[おおかみ座]]* [[ルドルフ (曖昧さ回避)天狗]]
* [[ボルテ・チノ |蒼き狼]] - モンゴル人の祖とされる伝説上の獣であるボルテ・チノの日本語訳。また、[[チンギス・ハーン]]のことを指す。
* [[アンバー (色)|アンバー]](琥珀色) - 狼の目(虹彩)の色にアンバーが多く、アンバーの虹彩を持つ人間の目を「狼の目(Wolf eyes)」と通称する(→[[ヒトの虹彩の色#アンバー(Amber/琥珀色)|ヒトの虹彩の色]])。
* [[フォルクスワーゲン・ルポ]]([[イタリア語]]で狼の意味の名を持つ[[小型車]])
* [[アマラとカマラ]] - [[1920年]]に[[インド]]で発見された二人の少女。オオカミに育てられたとされた。ただし、その真実性は疑問視されている。
* [[悪いオオカミ]] - 童謡や物語における[[ステレオタイプ]]なキャラクター。
* [[アセナ]] - [[テュルク]]神話に登場する雌の狼で[[トルコ人|トルコ民族]]を象徴する存在とされている。時によってその狼の生んだ10人の息子のうちの一人の名前として用いられる場合がある。
** [http://www.cites.org/eng/app/appendices.shtml ワシントン条約掲載種、タクソンリスト]
* [https://www.env.go.jp/index.html 環境省]
** [https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/danger.html 特定(危険)動物の飼養又は保管の許可について]{{リンク切れ|date= <sup>''(リンク切れ, 2019年5月6日 (月) 08:21 (UTC)}})''</sup>
* [http://www.japan-wolf.org/index.html 一般社団法人 日本オオカミ協会]
* {{Archive.today|url=http://homepage2.nifty.com/~wolf/ |title=Wolf Network JAPAN|date=20121202035718}}(日本語){{リンク切れ|date= <sup>''(リンク切れ, 2019年5月6日 (月) 08:21 (UTC)}})''</sup>* [https://wolf.caily.net/ LEGEND OF WOLF] {{ja icon}}* [http://www.wolf.org/wolves/index.asp International Wolf Center(英文)] {{en icon}}
== 参照 ==

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