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、 2022年11月18日 (金) 05:19
'''ディアーナ'''(ラテン語:'''Diāna''')あるいは'''ディーアーナ'''('''Dīāna''')は、ローマ神話に登場する、狩猟、貞節と月の女神。[[ユーピテル]]と[[レートー|ラートーナ]]の娘で、[[アポロー|アポロ]]の妹とする説がある。新月の銀の弓を手にする処女の姿が特徴。
[[日本語]]では[[長母音]]記号を省略して'''ディアナ'''とも呼ぶ。[[英語]]読み'''ダイアナ'''('''{{lang|en|Diana}}''')でも知られる。[[ギリシア神話]]では[[アルテミス]]に相当する。南[[イタリア]]の[[カプア]]と[[ローマ]]付近の[[ネミ湖]]湖畔の[[アリキア]]を中心に崇拝されていた。
== 概要 ==
古くから[[月|月神]][[ルーナ]](ギリシア神話では[[セレーネー]]に相当)と同一視されていたが、元は[[木|樹木]]の[[神]]であったとされ、[[農民]]に信仰されたために特に[[人間]]に対する多産の神となった。アリキアでは[[森林|森]]の神[[ヒッポリュトス (神話)|ウィルビウス]]と共に祭られており、その[[神官]]職はその森の木の[[枝]]を折り取った[[奴隷]]が神官と決闘し、その神官を倒した奴隷に代々受け継がれていた。
また、比較的古くからギリシア神話の処女神アルテミスと同一視されており、セレーネー、[[ヘカテー]]とも同一視されるようになった。ヘカテーと同じく[[トリウィア]]がディアーナの形容語である。またアリキアで祭られていたディアーナは[[タウリス]]で祭られていた[[人身御供]]を求めるアルテミスと同一視され、ウィルビウスは[[アスクレーピオス]]に蘇らされた[[ヒッポリュトス (神話)|ヒッポリュトス]]がその名を変えたものと解釈されていた。
[[ウェルギリウス]]による『[[アエネーイス]]』の中では、ディアーナは三つの顔の名を持ち、天ではルーナ、地上ではディアーナ、地下では[[プロセルピナ]]であるとされている<ref>杉本正俊 訳 『アエネーイス』 [[新評論]] 2013年。</ref>。また[[:en:Michael Drayton|マイケル・ドレイトン]]の詩歌『The Man in the Moone』では、三つの姿のディアーナを賛美する記述があり、天国では月光を司る[[ポイベー]]、地上では貞節を司るディアーナ、地獄では魔術を司るヘカテーとして天国・地上・地獄という三つの世界を支配するとしている<ref>[http://www.poetrynook.com/poem/man-moone Poem: The Man in the Moone by Michael Drayton]</ref>。
ディアーナの[[神話]]は他のローマ神話の神と同じく、ほとんどがアルテミスのものであり、独自の神話は無い。
== 異教信仰 ==
[[10世紀]]の[[キリスト教]]の法規書では[[魔女]]達の女神はディアーナと[[ヘロディアス (女神)|ヘロディアス]]であると書かれている<ref name="J">楠瀬啓 『実践 悪魔学入門』 [[二見書房]]、306,307頁。</ref>。[[中世ヨーロッパ]]の各地で、夜間に異教の女神であるディアーナに導かれて野獣に乗って騎行する女たちの話が伝えられていた。
[[1889年]]に[[チャールズ・ゴッドフリー・リーランド]]が発表した『[[アラディア、あるいは魔女の福音]]』ではディアーナが原初の月の女神として登場しており、光の神ルシファー(悪魔の[[ルシファー]]とは別である)との間に生まれた娘・[[アラディア]]を地上に遣わし、[[受難]]する抑圧された者達に、迫害する者に対して[[魔女術]]によって対抗する事を教えたとされている<ref name="J" />。
== 出典 ==
{{Reflist}}
== 関連項目 ==
{{Commonscat|Diana}}
* [[ディアナ (小惑星)]]
* [[サバト (魔女)]]
* [[司教法令集]]
{{DEFAULTSORT:ていああな}}
[[Category:ローマ神話]]
[[Category:樹木神]]
[[Category:月神]]
[[Category:女神]]
[[Category:弓矢]]
[[Category:軍神]]